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《9》

 休みがなかったわけじゃないけど、それも不定休で日曜だったり平日だったりとてんでバラバラ。


 しかも1ヶ月あたりで休みの日数が決まってて、祝日が多い月はそれ以外の週から休みが減る。だから5月なんて、ゴールデンウィークが終わったら後はもう暗黒月間。


 さらにその休みさえ、社長の一存で直前に変えられたりするからろくに予定も入れられない。


 そもそもどこかに出かける余力がない。


 たまの休みも始発で帰って、寝て起きたらもう夕方。次の日からまた仕事だと思うと死にたくなる。そんな繰り返し。


 実際に死んだ人は見なかったけど、辞めてく人たちはみんな過剰なノルマと社長の無茶振りに追い詰められて死にそうな顔をしてた。


 もし彼ら彼女らが辞めなかったら、そのまま死んでたに違いない。


 なんて愚痴を言い出したらキリがないけど、そんな蟹工船みたいな環境でも職場は職場。


 何の予告もなしにいきなり潰れちゃえばこっちは路頭に迷うワケで、直接社長に文句も言えなかったチキンな俺たちは、会社が解散してから居酒屋へ直行して荒れまくった。


 平静を装いながら西口たちの泥酔っぷりを見てた俺も、森本がいつの間にか用意してた焼酎と白ワインとコーラとウーロン茶と刺身のワサビを混ぜた、ドリンクバーに行った中学生が作るようなカクテルを飲まされて意識を失った次第。

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