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「ワタクシ達は国王陛下の命令で旅しているんですよ? 民間人の客なんて追い出してしまえばいいじゃありませんか!」
「あはは、ゴーレムさんったら無茶苦茶だなあ」
アニーの言うとおり、パティの言い分は無茶苦茶だ。
今夜は宿屋に着いたのが遅かったから、怒鳴るパティを除いてみんな寝静まってる。たとえ役人だろうと、今から追い出すなんて横暴にも程がある。
とはいえ俺が訓練してたせいで遅くなったから、今回ばかりは強く言えない。
もっと早い時間に着いてたら、3部屋を取れてた可能性も高いのだ。
「でしたらアナタたちは外で寝なさい。ワタクシと勇者様が一緒に泊まります」
「どうしてそうなる。それより俺がコボルドのテントに入れてもらって、おまえら女性陣が1部屋に泊まるのが自然じゃ――」
「いいえ勇者様、遠慮はいりません。それにワタクシは勇者様と同じ部屋でないと、寂しさのあまり死んでしまいます」
「ウサギかおまえは」
いつも1人部屋で寝てるのに、いきなり何を言い出すのか。
「ワタクシはウサギじゃありません!」
「知ってるよ!」
パティにつられて、俺まで声が大きくなってきた。




