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「おケガをさせないのは当然です。もし勇者様に傷を負わせるようなことがあったら、オマエらまとめて石臼で挽いて粉にしてやります」
「こいつらは蕎麦か」
俺が自分よりコボルドたちと仲良くしてるのが気に入らないみたいで、パティはいちいち絡んでくる。
「すみません勇者様、こんな下賎な連中と訓練をさせてしまって」
「下賎とか言うな。しかも本人たちの前で」
ナチュラルに失礼なパティにツッコむけど、彼女は反省した様子もなくグッと拳を握る。
「本当はワタクシが直々にお相手して差し上げたいのですが、ワタクシではおケガをさせてしまう危険性が非常に高いので……」
「まあ、そうだろうな」
アニーの強さは異常だから別格として、パティだって魔法なしでもかなりの戦闘能力を持ってる。
ここまでの道中で、ふたりがガチで争ってるのを何度か目撃した今では、俺もすっかり理解した。
「……そういえば、アニーはどうした?」
ふと気づくと、パティとメイドAはいるのに彼女の姿だけない。




