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「ああ、勇者様からそんな優しいお言葉をかけていただけるなんて!」
パティが頬を赤らめて、キラキラした目で俺を見るから、不覚にも一瞬だけドキッとしてしまった。
こいつは性格には難しかないけど見た目だけは可愛いから、黙りさえすればずっとマシになるのにって思う。心から。
俺のそんな願いに反して、パティはキラキラした目のままで俺のほうに尻を突き出す。
「ワタクシが勇者様にお返しできるものなんて、このわがままボディしかありません。勇者様のエクスカリバーで、ご自由になさってくださいませ。さあ、カマーン!」
「結局そこに戻るのか」
こいつの倒錯しまくった欲望をどうにかして、建設的なエネルギーに変換できないものだろうか。お湯を沸かすとか。
なんて思ってたところに、訓練につき合ってくれたコボルドたちがゾロゾロと連れ立って姿を見せた。
「勇者サン、ダイジョブ?」
「ああ、大丈夫だ」
「ケガシテナイ?」
「平気だって。そんなの隠してもしょうがないだろ」
俺のレベルを上げるために殺されかけたのを救って以来、彼らとはすっかり打ち解けてる。
お互い劣悪な労働条件に対する不満で意気投合したこともあって、だいぶ気さくに話すようになった。




