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《74》
「知らなかったなら教えておく。ハチミツ漬けにするレモンは、スライスするんだ」
丸ごとのレモンを漬け込まれて、どうやって食えって言うんだ。
「すみません勇者様! ワタクシのようなドジでノロマなカルメンの魔法使いは、罰として勇者様の欲望が赴くままに、この肉体を思う存分もてあそんでくださいませ!」
「いや、それ罰になってねえだろ」
こいつの場合、むしろご褒美にしかなりそうにない。
「ああっ、勇者様に辱めていただけないなんて! いえ、これが放置プレイというものでしょうか。うん、そう考えたらこれはこれでイケそうな気がしてきました」
「……変態って無敵なんだな」
どんな仕打ちもプレイと受け取って快楽に変換できるなら、ある意味では幸せな人生なのかもしれない。周りにとっては迷惑でしかないけど。
「まあ、辱めるつもりは元々ねえけど、おまえだって知らなかったんだしさ。そりゃ知っててミスしたなら怒るけど、次から気をつければいいことだろ?」
フォローするわけじゃないけど、一応言い添えておいた。




