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《73》
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帝国の野望を阻止して、劣悪な労働環境にいるモンスターたちを解放する。
そう決めたのはいいんだけど、いくら主人公補正があるとはいっても、今の実力で帝国の中心部にいる強力なモンスターに敵うはずもない。
そんなわけでこの数日間、モンスターを倒さずに経験値を得るために、俺は前線へ向かって進む合間を縫って、コボルドたちに手伝ってもらいながら訓練に励んでる。
「お疲れ様です、勇者様! 早く疲れが取れるように、レモンのハチミツ漬けを作ってみました!」
剣を杖代わりにして起き上がる俺に、パティが手のひらサイズの壺とタオルを持って駆け寄ってきた。
運動部のマネージャーみたいなことをしてくるやつだ、なんて思いながら壺の中を覗く。すると。
「……なあ、パティ。これはボケなのか、それともガチなのか? もしボケたのならツッコまなきゃならんのだが」
「何ひとつボケたつもりはありませんが、勇者様にツッコまれるのでしたら大歓迎です」
どうしてこいつは、どんな会話からでも下ネタに移行できるんだろう。




