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《7》

 店の中は俺たちの他にも、店サイドの正気を疑うレベルで大量の客が詰め込まれてて、ラッシュ時の中央線快速を思わせるスシ詰め状態。


 そこで西口みたいなヘビー級に酔っぱらった客が何人も、怒鳴ったり叫んだり飲み物の入ったグラスを引っくり返したりしてるのだから、辺りはちょっとしたカオス。


「やっぱりさ、あいつぶん殴っとけばよかったよね、あの時。うん、殴るべきだった」


 西口がビールを待ちながらジョッキをまたガンガンしてる横では、やはり元同僚の森本が、梅酒ロックのグラスを手の中で回して氷をカラカラ鳴らしながらつぶやく。


 西口ほど分かりやすくはないけど、こいつも確実に酔ってる。


 森本だっていつもなら、コンビニでのり弁当を買った時にアルバイトの店員が割り箸を入れ忘れても言い出せなくて、給湯室に置いてあったプリンやヨーグルトに使うプラスチックのスプーンで白身魚フライをちまちま食べるような気の小さい男なのだ。


 間違えても、誰かをぶん殴ればよかったなんて言うようなやつじゃない。


 一体どうして西口も森本も、人格が劇的にビフォーアフターするほど泥酔してしまったのか。


 答えは簡単。勤めてた会社が倒産したから。


 夕方くらいまで普通に働いていたのが突然失業者になったら、そりゃヤケ酒飲んで悪酔いもするだろ。

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