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《63》
「強いモンスターは雇うのにもコストがかかりますから、危険の多い敵陣奥深くには送りたくないんです。最初はコストが安い雑魚を物量にモノを言わせて送りこんで、ある程度地ならしがすんでから主戦力である強力モンスターに統治させるのがセオリーです」
「なかなかシビアだな……」
要するに、最初に送られる雑魚モンスターは捨て駒ってことだ。
現実世界とはかけ離れた異世界にも、色々とせちがらい事情があるらしい。
「というわけで、強いモンスターに進駐されないためにも、雑魚のうちに叩いておきましょう」
パティはそう言うと、ローブの懐から杖を取り出す。やはり鎖鎌は魔法と関係なかったようだ。
「私と勇者様のシャガールみたいなエロい夜のため、犠牲になるがいいです!」
「どんな夜だそれ」
異世界なのにシャガール(以下略)。
本音がだだ漏れなパティの叫びと共に、構えた杖の先が昼間の屋外なのにはっきり視認できるほどの閃光を放って、何本もの光の矢がコボルドたちを襲う。




