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《53》
「そもそもメイドなんて必要ありません。勇者様のお世話でしたらこのワタクシが、食事の支度から性欲の処理まで全部まるっと面倒みます!」
「おまえ今、とんでもないことサラッと言ったな」
国王しか男がいないんだし、色々溜まっているのはむしろパティのほうじゃなかろうか。
「うんうん、勇者さんはそれでいいかもしれないけど」
「いやよくないから。アニーも止めてくれ」
まるで理解者みたいな顔をしてうなずくアニーに、俺も慌ててツッコむ。
彼女は相変わらずへらへらしてて、昨晩ちょっとだけ垣間見せた空虚な表情はどこにもない。
「でもペストさんは、ボクの食事の支度まではしてくれないだろ?」
「当たり前です。アナタごときはその辺に生えている草でも食べればいいんです」
「家畜かよ」
王城の衛兵隊長に草でも食ってろって言うのも失礼極まりない話だけど、言われた当人は怒る様子もない。




