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《49》
「だろ? だからそうなる前に――」
アニーは細めてた目を開く。
その目は部屋の前で、パティを相手に垣間見せたときみたいに空虚だ。
「ボクの手で、壊してしまいたくなる」
「……」
アニーが腰のサーベルに手をかけるのが見えた。
いや、彼女はわざと俺に見せたのだ。
そしてわざと見せたって、俺が気づくところまで彼女はきっと意図してる。
しばらく続く沈黙。そして唐突に、アニーが口を開いた。
「なーんて。あはは、ドキッてした?」
「あは、ははは……」
元のようにへらへらと笑うアニーにつられて、乾いた笑いが漏れる。
ほんの数秒間が、実際よりずっと長く感じたなんて陳腐な表現を使うつもりはないけど、空気の張り詰めた重たい数秒間だったとは確実に言える。
実際のところ、アニーがどこまでが本気だったのか見当がつかない。




