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《43》
「プロポーズですね? 答えはもちろんYesです! 何とかクリニックです!」
「違う。断じて」
ソファーへ飛びかかってきたパティを裏拳で撃墜してから、俺は続ける。
「おまえは俺のことを勇者様って言うけど、俺はそんな立派なもんじゃないから。元の世界では軟弱なサラリーマンだったし、会社が潰れたんでもはやサラリーマンですらない、ただの無職なんだから」
思い切って正直に告げたんだけど、パティのリアクションは薄い。
「嫌ですねぇ、今朝も言ったじゃありませんか。勇者を呼んだら来たのが勇者様なんですからぁ、誰が何て言おうと勇者様は勇者なんですよぅ」
鼻っ柱に受けた裏拳のダメージで、パティは鼻血をダラダラ垂らしながら笑みを浮かべる。
見た目は怖いけど、酔いのせいか痛がってるようには見えない。
「それにぃ、勇者様がお強くないっていうのは、パッと見で明らかですからぁ。正直、城の中庭によくいる大きめのハトにだって勝てるかどうか疑わしいぐらいですぅ」
「……率直な意見をどうも」




