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《40》
「どうするかなあ」
また声に出してみた。
ここしばらくは睡眠の手段といえば、部屋の冷たい布団で気絶するように眠るか、昼休みに机に突っ伏して気絶するように仮眠するかの2択だったから、温かくてフカフカのベッドはそれ自体が夢みたいだ。
ひょっとしたらこれは本当に夢で、現実の俺は駅前のロータリーで泥酔して、寝転がったまま冷たくなってるんじゃないかなんて不安にさえなってくる。
「勇者様ぁ。開けてくださいよぉう」
少し眠ってたらしい。部屋の外から聞こえるパティの声と、ドアをガンガン叩く音で俺は我に返った。
さっき襲われかけたから不安もあるけど、こっちも食事と休養のおかげで抵抗できるだけの体力は回復してる。
何より放置しておくにはうるさすぎるから、俺はドアまで歩いてから鍵を開けた。
「聞いてくださいよぉ勇者様ぁ」
ドアを開けた途端、顔を真っ赤に染めたパティがなだれこんできた。
「うわ、酒臭いぞおまえ!」
昨日の俺も相当酒臭かったはずだけど、それはいったん棚に上げて叫んだ。
顔が赤いから何か恥ずかしいことでもあったのかと思ったら、全然違ったらしい。




