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《39》
食堂でどうにかこうにか腹を満たして、客室に戻ってきたのがついさっきのこと。
パティがさっき魔法で壊したドアも、いつの間にか直ってる。
「しかし、これからどうするかなあ」
ベッドに寝転がって、天井を見上げながら声に出してみた。
パティは勇者様勇者様って言ってくるけど、当然ながら俺は勇者じゃない。
ゲームみたいにモンスターと戦ってこの国に平和を取り戻すなんて無理だし、実際に戦ったら速攻で殺されて終わりだろう。
だからといって会社が倒産した今となっては、元の世界に帰っても職がない。
当面は雇用保険が下りるらしいけど、保険が切れる半年までに再就職先を見つけなければ飢えて死ぬだけ。
それに見つかったところで、そこがまたブラック企業って可能性も高い。
劣悪な環境に加えて、また倒産するかもなんて不安まで抱えてこの先働けるんだろうか。
結局のところ、どっちを選んでも修羅の道。
アラサーの非リア充男子に、社会の風はどこまでも冷たい。




