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《30》
魔法使いのパティと、衛兵隊長のアニー。
ふたりの後について国王のところへ向かってるんだけど、客室を出てから結構な時間が経ったはずなのに、まだたどり着く様子がない。
王城なんだから当然かもしれないけど、このデゲゲ何とかって城はとにかく広い。
昨日まで地上4階地下1階のオフィスビルに連日17時間くらい籠もってたせいもあって、広さの感覚がだいぶおかしくなってるのを考慮に入れてもかなりの広さだ。
「その国王がいる場所は、まだ遠いのか?」
失礼なのはわかってても、思わず尋ねてしまう。
何しろこっちは腹が減ってて、一歩進むごとに体力が削られるような有様なのだ。
「申し訳ありません勇者様。この城は敵に攻めこまれたときに備えて、無駄に複雑な構造になっているんですよ」
「無駄って言うな」
城の造りにはそんなに詳しいほうじゃないけど、パティの言い分には一応なるほどって思うだけの説得力がある。
高校の修学旅行で大阪城へ行ったときに、もっとしっかり見ておけばよかった。




