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《18》
† † †
「……予兆どころじゃねえな、こりゃ」
ベッドから身を起こして、改めて思った。
会社があった頃は毎日ノルマをこなすのに必死だったからそこまで頭が回ってなかったけど、こうして思い返してみたら、倒産への道を一直線に突っ走ってたじゃないか。
大丈夫なのかも何も、どう考えたって大丈夫な要素なんかどこにもない。
「……それにしても、本当にここは異世界なんだな」
パティに案内された部屋を見回してからつぶやく。
部屋の造りや調度のひとつひとつに高級感があふれてて、もしホテルなら俺の収入では1泊だってできないだろう。
結局水差しの水を飲み干した後、二日酔いが酷くてとても国王に謁見できる状態じゃなかったので、適当な客室で休ませてもらうことになった。
居酒屋にいた時と同じスーツ姿のままベッドにバタンのキューで、ようやく目が覚めて落ち着いてきた頃には窓から夕日が射してる。
「勇者様、お加減はいかがですか?」
落ち着いたところで、ドアを元気よく蹴り開けながらパティが登場。
せっかく具合がよくなったのに、二日酔いとは別の意味で頭痛がしてきた。




