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《10》
† † †
説明的な回想を終えてしばらくすると、銀髪の彼女が水差しを手に戻ってきた。
「コップが見つからなかったので、口移しでもいいですよね?」
「よくねえよ!」
叫んだせいで頭痛がぶり返す。
俺は彼女の手から水差しを奪い取ると、注ぎ口からダイレクトに水を飲んだ。
重さから察するに1リットル近く入ってたみたいだけど、半分近く一気飲みしたところでようやく人心地がついた。
「……ありがとう」
言動の全てに変質者めいた要素を感じる彼女だけど、それでも一応礼は言っておくべきだと思った。
すると、彼女は何やら恐縮した様子でぶんぶん手を振る。そのままヒジから先だけスポーンと飛んでっちゃいそうな勢いだ。
「そんな、お礼なんてとんでもありません! 勇者様のためでしたら、水でもワタクシの純潔でも捧げるのが当然です!」
「いや、水だけでいい」
いきなりそんなものを捧げられても扱いに困る。
それよりも、さっきからずっと気になってたことが2つある。
まずその1。
「誰だおまえ」




