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21話 この世界について雑感
ギルドの仕事のシフト調整をして――
かくして片道三日の冒険は始まる。
お陰でというか『せい』でというか、俺ははからずも、初めて『街』の外を見た。
なんていうか――広い。
だだっぴろい平原に、城壁に囲まれた街が『ぽつん』とあるような印象だ。
街道は整備されているのかもしれないが、それだって馬車が通るからだろう、草原の中に草が生えていない場所が何条かある程度のもので、俺の知る『道路』とはほど遠い。
そしてなによりびっくりするのが、『人がいない』ことだった。
もうちょっと馬車とか行き交っていたり、交易とかの隊商がいたり、そういったものをイメージしていたが――通行人というものが本当にいない。
そういえばギルドで食材などを卸すのも街にいる農家の人だし、肉なんかは冒険者が仕入れてくる。
テーブルなどが壊れた時に修繕する職人も街にいる人だ。
ひょっとして、この世界は街同士で交易したり、そういうことはないのかもしれない。
まあ、どうにもこのへんは田舎っぽいので、そのせいなのかもしれないが……
マジで街同士連携しないんだな……
街っていうか、街ごとが独立した自治権を持つ『国』みたいな扱いなのかもしれない。




