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異世界迷宮で、血を統べる  作者: 吸血者
8/18

武器

タイトル変更しました

今後も色々試行錯誤しつつやっていきます

魔石を受け付けに出す

係員がそれを見て銅貨を16枚だす


「16シルドになります」


営業スマイルが眩しい


「ありがとうございます」


魔石7つで16シルド

1つ2シルドとしても14シルドだから2シルド足りない

おそらく大きい魔石2つが、3シルドになったのだろうと考える


どうやら換金は魔石の大きさで決まるらしい


「換金の基準って、どんな感じなんですか?」


「はい。換金の基準は魔石の質と大きさによります。」


考えが当たった

謎の達成感を感じつつ探索者ギルドを後にしようとする

そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた


「あ、ショウマさんッ?早速換金ですか?」


リューラさんだ、相変わらず笑顔が眩しい


「そうです。これで泊まれる宿ってあったりします?」


銅貨を出しつつ聞いてみる


「迷宮探索初心者のための宿がありますよッ」


詳しい場所を聞く

どうやらここから近いらしい

適当にお礼を言ってその場を後にした

ーー夕日が眩しかった



◇◇◇



私、リューラ・シセルはこの探索者ギルドで働き始めて日が長い

そこらの受付にいる係員よりは知っていることがおおい

今日もいつも通り笑顔を絶やす事なく、探索者たちをさばいていく

そんな中、見知らぬ探索者(ニュービー)が入って来た

興味を持つ

ここ最近はなにも変化がなく、退屈していたところだ

(よど)んだ空気に新鮮な風が吹いた様に感じた

どうやら面談用のブースに入っていくらしい

案内をしていたメルに声をかける


「あの人は?」


主語を欠いたその言葉に、迷う事なくメルが答えた


遠く(イナカ)から来たらしくて、迷宮やこの都市の事を聞きたいそうなんです」


少し困った様な顔をしている

メルは入って日が浅く、説明できる自信がないのだろう

好機と思い、私が出るよと声をかける

メルは嬉しそうに譲って(マルナゲ)くれた


少年の前に出る

ギルドで働いていて初めて会うような探索者たちは、そのほとんどが私を見て一瞬固まる

理由は私が綺麗だかららしいけど、そんなことはないと思う

平凡の中の平凡だ

しかし、少年はその表情を一瞬たりとも崩さない

それどころか、何を考えているのかこれっぽっちもわからない表情をしていた


油断ならない


それが彼の印象だったーー



少年はショウマと言うらしい

ショウマにこの世界や、迷宮のことについてレクチャーする

ショウマは本当に何も知らなかった

さすがに驚いた、ここまで無知でこの迷宮都市ジフトに来るとは…


一通りの説明を終えると手っ取り早く稼ぐ方法を聞いて来た

迷宮で稼ぐのが1番だが、ろくに防具も装備していないショウマを迷宮に行かせるのは抵抗があった

そんなことしたらショウマが死んでしまう

そんなの面白くない

せっかくの獲物(暇つぶし)が逃げてしまう

アルバイトでも稼げると教える


これでさすがに迷宮には向かうまい

一安心してショウマを送り出した



だからこそ驚いた

夕暮れ時、またショウマが現れた

その手に魔石を持って

武器1つ見当たらず、防具すらつけていない

いったいどうやって魔物を倒したのか

驚愕と共に興味が湧く

面白い

彼は私のものだ

誰にも渡すまい

妖艶な笑みが浮かぶ


悪魔が嗤ったーー



◇◇◇



リューラさんに言われた宿に着く

ギルドから5分くらい歩いたところにあった

…ボロい

狼が息を吹きかけたら、吹き飛ぶどころか消し飛びそうだった

中に入り、受け付けに行く


「いらっしゃいませ」


体格が良く、歴戦の戦士みたいな風貌のおっさんが立っている

そんなんじゃ客が減るぞと思いながら話しかける


「1番安い部屋をおねがいします」


「1番安い部屋だな、10シルドだ」


銅貨を10枚渡す

おっさんから部屋の鍵をもらいうける


「もう1つ上のグレードなら飯がつくんだがな…。生憎だな、坊主」


言われて気づく

昨日からなにも食べていない

そういえば喉も渇いていた

残った6シルドで買い物に行こう


部屋を確認する

思った通りのボロさで、がっかりした

こんなことではいけない、ネガティヴ思考を振り切る

美味いものでも食べて、元気を出そう


市に向かう

たくさんの出店がならんでいた

いつか、生活が安定したら自炊も良いだろう

料理なんてしたことねぇけど…

今日は軽食で我慢して、明日の自分に期待しよう

水を買って飲む、喉の渇きが潤った…気がする…。

続いてなんかの肉を串に刺したものと、これまたなんかの肉を挟んだサンドイッチを買った

両方とも美味かった

正直、料理が舌に合わないことも覚悟した

料理面の不安要素が杞憂に終わった事を喜びつつ、部屋に戻る


結果、部屋を見て、美味いものを食べた時の喜びは散っていった。儚い。

むしろ、マイナスに傾いた、気分を沈めてベッドに倒れこむ

今日は色々あった、本当に色々ありすぎた

瞼が閉じ、意識が飛ぶ

気づけば、泥のように眠っていた。


俺がこの世界に目覚めてから1週間位経った

毎日迷宮に潜ってはオンボロ宿で眠る日々

大変ではあるが、それなりに面白かった

途中で3回くらい死んだが順調にレベルも上がり、今では5に達していた

金も溜まって来ていた

そんな俺の最近の日課はギルドに行く事である

綺麗なお姉(リューラ)さんがモンスターの事を教えてくれていた

リューラさんは俺がくるたびに訝しんでいた

防具もなしに生きている理由を知りたいらしい

遠回しにそう言っているが、いつも言葉を濁すため、こちらも誤魔化していた


この日俺は、リューラさんも分かるほどに喜んでいた

ようやく武器を買う金が溜まったのである


「お金、溜まったんだ?」


リューラさんが問う


「はいッ。わかりますか?」


相変わらず敬語が抜けない

タメ口でいいと言ってくれてはいるものの、リューラさんは俺にとってお姉さんポジションである。自然と敬語が出てしまうのだ


そんな俺に苦笑しつつリューラさんが答える


「すぐにわかったよ?あんまり表情に出ないショウマくんには珍しいからね」


俺はあまり顔に出ないらしい

これでも焦ったりしているわけだが…


その後もリューラさんとは、他愛もない話しをする

頃合いを見てその場を後にする


ジフトでも、宿から一番近い武器屋に行った

どんな武器を買おうか迷っていた俺は愕然とした

武器の在庫が無いらしい


ここ最近、探索者達がこぞって武器を買っていくらしい

その頻度はいつもと異なり、数倍にもなると言う


チッ


思わず舌打ちが出るが気にする事なく店内を物色する

所持金で買える範囲の武器は1つしかなかった

表示がでる


個体情報


ダガー

カテゴリ 短剣

攻撃力 5

特殊効果無し


そこには刃に反りの入った短剣があった

なんとも寂しい。短剣かよ…

無いよりかはマシだと買いつける

家に帰る道すがら、胸中は複雑だった











読んでくださりありがとうございます

直して欲しい点や感想を心待ちにしています


あと、ブックマークくださった方々

ありがとうございます


これ以上にない褒美でございます

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