迷宮、初陣
迷宮にたどり着く
途中で道を聞いていたため、迷うことはなかった
迷宮は地下に広がっているらしい
迷宮の入り口には20メートルほどの塔がたっていた
見張りの兵の1人もいるかと思ったが、誰もいなかった
拍子抜けである
そのまま階段を降りていった。
相変わらず迷宮内部はジメジメとしていて、どこからか土の匂いが漂っている。
床、天井、壁は石で舗装されている
ショウマは装備品など装備せず、その身一つで迷宮に来ていた
ショウマの考えはいたって簡単だった
何度死んでもいいのだから1匹くらいは倒せるはずだ。
そうやって半日かけて金を稼ぎ、今日は宿に泊まる。
そして明日からは1日かけて宿代を稼ぎつつ、武器代を貯める。
これが一番効率の良いやり方だった。
勿論死ぬのは怖い。
しかし、そうとも言ってられない
1番の理由は悔しかったからだ
盗賊に殺された(やられた)時を思い出す
もうあんな悔しい思いをするのは嫌だ
自分を強化し、ああいう輩を全て残らずぶち殺すのだ
しかしながら1番の原因は、貧血による思考力低下でもたらされていた。
正常な思考ができていない。
勿論本人が気づくことはないが…。
そうした要因が重なり、ショウマは1人で迷宮に訪れたのだった。
場所は迷宮第1階層
迷宮内をしばらく歩く
曲がり角を曲がった時にそいつはいた
注視し、表示をだす
個体情報
アニール・アント
Level1
現実世界のアリを薄暗い緑色にして、スケールアップしたような魔物であった
内心焦りつつも構える
相手の出方を伺う
急激な加速で突進をしてくる
横に避けつつ横っ腹を蹴り飛ばす
「ーーっ!」
痛ぇ!
なんだこれ、固すぎる
まるでダメージを負った気配のないアニール・アントを眺める
馬鹿でかい顎を名一杯に広げつつこちらを切断しようと迫る
間一髪避ける
今度は背中側でなく、腹側の柔らかそうなところに蹴りをぶち込む
手応えありだ
これならいける
油断していた
目の前のソイツに意識を全て使っていた
そのおかげで背後から迫る影に気がつけなかった
ジャキンッ!!
ボトリ
と音が聞こえた
体が軽くなる
いや、正確には、"体の左側がかるくなる"
「グッ!!!」
瞬間、激痛が走る
痛い!
痛い痛い痛い熱い痛い!!
体が震える
どうやら後ろにもアリがいたらしい
左腕を上腕二頭筋のあたりから切断された
血が面白いくらいにでてる
ーー地面に血が飛び散る
痛い
この時点でもう思考することは不可能
恐怖に足がすくむ
脂汗が止まらない
ショウマは前後から嬲られつつも食い殺された
◇◇◇
やはり、この世界。思い通りに行かないものである
食い殺されてから目が醒める
体に異常は見当たらない
貧血で頭がボーッとするのと左腕の傷の跡を除いては
幸先が不安になるショウマだった
間違えたかな…
ネガティヴな思考を振り払い、再び魔物を探す
あのアリがいけなかったのだ
やつらは1匹いたら近くにも仲間が居ると思って対応した方が良いだろう
完全に野良のモンスターを狙わなければならない
時間ならたくさんある…。
魔物と出会う
今度のは弱そうだ
周りには気配の1つもない
注視する
個体情報
エルク・ラット
Level1
今度は馬鹿でかいネズミが出た
ネズミは齧歯類
1番の脅威は何と言ってもその歯だろう。
それさえかわせばいける
これならいけるぞ
エルク・ラットが突進してくる
横に避け、回転しつつ遠心力を込めて回し蹴りを叩き込む
「チューーッ!」
痛そうな悲鳴が響く
よし!
いけるぞ!
しかしショウマは油断していなかった
学んだのである
勝利や、解決の糸口が見えた時こそ、人は油断してしまうものなのだと
その後も攻撃を受ける事なく蹴りを2.3発入れてネズミを殺した
ネズミは黒い煙をボンッと出しつつ消えた。
何かが満たされた感覚がする
これは経験値か、と推測する
今ので3/4ほど溜まった。気がする…。
ネズミのいた場所には灰色の半透明な石コロが転がっていた
これが魔石か…
リューラさんの言葉を思い出す
「迷宮での稼ぎ方は、魔石を集める事なのよ。モンスターを倒すと魔石を落とすからそれをギルドの換金受付まで持って来てね、そしたらお金と交換してあげますからね」
と
眩しい笑顔だった
石をポッケにつっこみ、次の獲物を探し出すーー。
2匹目のネズミを殺した時、頭に文字が浮かぶ
レベルアップ
Level1→2
ステータスが上がった
表示を出す
個体情報
名前 ショウマ・シンドウ
HP37/37
筋力2.3 素早さ4.1 知力2.1
種族 吸…
スキル
最適解1.0 ポーカーフェイス2.3 体術0.5 回避0.63
超回復2.0 ????5.0 生の呪い5.0 精神耐性(恐怖)2.2
状態異常
記憶操作Ⅳ
貧血Ⅲ
となっていた
謎が増えている
吸…も謎だが????ってなんだよ
しかも生の呪いって…
死の呪いとかならまだわかるけど…
念じて見ても説明が出るわけではない
今は鵜呑みにするより他にないだろう…。
その後も何匹か魔物を倒し、魔石を7個ほど持ってこの日は切り上げた
読者数で書く意欲が増しますね笑
まだまだ序盤です
これから面白くなると思います
あとブックマークしていただいた方々
一生忘れません
名前わかんないけど