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  作者: のえるん
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蒼太はモテたことがない、顔も普通だし体型もスリムではない。幼児期はひょろひょろしていたが、新しい感染性の病原菌が蔓延した頃と心身の成長が重なり蒼太も小学時代にお家時間を強いられその生活習慣からポッチャリ体型になってしまったのだ。これは蒼太だけの問題ではない、世界全体で大問題になり大きな変化があった、日本でも授業が軒並みリモートになり人との関わり方が分からないまま大人になり、社会に放り出され孤立してゆく。病原菌が落ち着きそれを踏まえた新しい社会と言われても急激な変化についていけず今も多くの人が今も苦しんでいるのだ。


そもそもモテるって何だよと思う、姉はよく「そんなんじゃモテないわよ」なんて言ってくる。人気者になりたい願望は少しあるものの、女子からモテたい訳じゃない。

蒼太は気にしてなかったが、リビングでポータブルゲームをしていると姉によくお腹をつつかれた。なんでも器用に出来る姉と違って蒼太は不器用だった。兄弟喧嘩もしたが、年上の女の子には敵うはずもなく言いくるめられてしまう。

相手に自分の気持ちを伝えるのは無駄に感じてしまっている節があった。労力をかけて話したとしても、言い返されてしまうし相手の考えは変わらないのだ。それを学習し蒼太は口数も少なくなっていった。何もかもが普通の蒼太だったので特段目立つこともなかった。


少しだけ目立ったことがあるとすれば、小学生の図工の時だ、海の生き物を題材にした授業があった。クレヨンで海の生き物を描き水彩絵の具で背景の色を塗るとクレヨンが絵の具を弾く現象を楽しむもので、クラスメイトが海を水色や青で表現した中、蒼太だけ赤やオレンジ、黄色で表現した。飛沫感染を避けるため、クラスの半分が別々の教室で制作し、その教室もパーテーションで区切られほかのクラスメイトがどんな作品を制作したか分からなかったのだ。その作品が教頭先生の目に留まり、彼の勧めでその作品が区の美術コンクールに出品され、小さな賞を獲得したのだ。


隠されていた蒼太の才能に母は喜び近所の絵画教室を探し始めたが蒼太は興味が湧かなかった。何故海を表現するのに赤やオレンジを選んだかというと、「マイクラ」という普段やりこんでたゲームが夕刻になると海面が赤く染まるのを思い出したのと、「今回は赤とか使わないのにそんなに絵の具を出して勿体ない」と担任に嫌味を言われた反抗心もあったと思う。


しかし、嬉々として絵画教室を探す母にそんな事言えなかった。

母と姉の強い助言で公民館でやっている絵画教室に通うことになった。本来なら2週に1回行われてる教室に通っておだいに沿った作品を作り年に1回行われる公民館まつりで作品を展示する。しかしこのご時世だったので公民館で制作出来ず各々が自宅で制作し、先生にリモートで作品を見せてアドバイスをもらう、そんな流れだった。

公民館まつりで皆が2.3作品展示してる中、蒼太は1つだけだった。

やがて母も現実を受け入れ始めたのか絵画教室に関してあれこれ言わなくなっていき、絵画教室を辞めることができた。

しかし、水彩画は好きだ。水分の量でいかようにも変化する水彩絵の具は蒼太に響いた。

冬の夕刻、夕日とそれを追いかける暗闇のコントラストが蒼太には水彩画に見えたし、真夏にやった水鉄砲の放射線を描いて放たれる水しぶき、幼い頃、夜の屋台で食べたかき氷がライトに照らされてシロップがキラキラしている様、あれを水彩で表現できたら最高だと思っている

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