9.ある孫娘の物語:その後
その後、おばあちゃんとおじいちゃんは二人で暮らしたわ。
いや、暮らしてほしかった。だって、90年以上もの間、互いを想っていたのでしょ。
なにせ100歳を超えてるから、あたしも一緒にいて、支えてあげたわ。
互いに100歳を超えているので、いろいろ不自由はあった。
それでも、二人はとても満足そうだった。
残りの余生は、わずかな時間だったのかもしれない。
けども、その時間は、二人にとって、とても、とても幸せな時間だったのでしょう。
ある日のこと。
あたしが、買い物から帰って来くると、そこで、仲良く二人でもつれ合うように、互いに抱き合いながら、亡くなっていたのを見つけた。
とても、とても、幸せそうな顔をしていたわ。
100年の人生、きっと人よりも長い人生なのでしょう。その長かった人生、きっと幸せな最後を遂げることが出来たのでしょう。
川の土手には、昔、立派な桜の木があったらしいの。
今は枯れて、伐採されて切り株だけになってしまったようね。
でもね、こないだ見たらね、その切り株から新しい芽が芽吹いていたわ。
桜の木は、再び大きな立派な桜の木になって、きっといつの日にか、満開の綺麗な花をつけるのでしょう。
おわり
物語は、これでおしまいです。
ここまで、読んでいただき、本当にありがとうございました。