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コミュニケーション講座 第四問目

おや? ジャンルの様子が……異世界転生から……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これがその問題だ」

ゴリゴリ

そういいつつ、鈴木は棒で地面に何やら書き始める。

挿絵(By みてみん)


ぬう……何だこの問題は……ぬ……これは……


「へえ……迷路の問題ね? 早く着く線……か……」


「さあ、神裔Ⅳ様の頭脳が試されるぜ?」


「あっ、これはこうよね?」

アリサは拳で線を引く。はっ、成程……そういう事か……く、くやちい♡……

ゴリゴリ

※ここより下に解答があります。まだ考えたい方は、ここで一旦止めて考えて下さい。






























挿絵(By みてみん)

「おお! 男らしい線だなあ……しかも速い。こりゃほぼ俺と同じ速度で解けたね。よし! これは引き分けだな。そして……正解だ! どうだい? これは簡単だったろ?」


「うん、今まで全部解けなかったからその分滅茶苦茶すっきりした! さっきの3問に比べたらどうって事なかった! 鈴木さんが解けたってプレッシャー掛けて来たんで解けなかったらどうしようかと思ったよw」


「おう! 俺も初めての時は全く同じ気分だった! 4連続不正解は流石に嫌だったからなw真下に直線を引きましたと回答し、皆拍手だ」


「いい気分ね。でもダジャレ入っていない?」


「いやいや、それは不可抗力」


「そうね」


「だがな、これを解けなかった事が


【確定】


した人物が


【★◎☆たった一人☆◎★】


だけ居たんだ」


「どういう事? こんな簡単な問題を解けなかった奴なんてこの世に存在する訳ないじゃない」

ぬうう……アリサめ……言い過ぎであるぞ! 私はちょっと脳みそがすべって分からなかったのだ! すべっていさえしなければ解けたのに……ああ、すべるなあ……


「いるんだなあそれがw……」


「ええ? でもさ、その問題って、分かった人が手を挙げて、先生に向けて回答する感じでしょ? でも鈴木さんさ、一番乗りに正解したって言ってたし……解けない人が他に居るなんて分からないんじゃない?」


「そうだな」


「だよね? 一番に解いた訳でしょ? それ以外の人が解けなかったって事が明確に分かる要素ってある?」


「簡単だよ。俺もみんなも他の参加者の答えを覗き見はしていない。故に解けたかどうかはわからん。何せ無言で解いていた筈だからな。だから何人が正解で、何人が不正解かを把握する事は不可能だった。まあうちの班の俺含めた3人は一斉に手を挙げたってのは分かっているから、最低3人は正解したと考えられる訳だが。だけどそいつは、そいつだけは俺が一番に挙手した事を知り、あまりの驚きに


【その瞬間、この世界でたった一人だけ】


声を上げたんだ。情けない声をなw」


「まさかw」


「そう、あの社長だ。俺がこの問題を見て1秒で分かったから手を挙げるだろ? そしたら、あ、鈴木さん早いですね! と、先生に言われるよな?」


「うんw」


「それを聞いて、


【え゛ーーーーー?】


と言う悲鳴が間違いなくあの社長の声で紡ぎ出されていたぜwサザメさんの旦那のマズオさんの


【ええーー?】 

挿絵(By みてみん)


を千倍汚くした感じの悲鳴だったwwww宇宙一汚い悲鳴だったなw」


「100000000倍でしょ」


「聞いた訳でもないのにww簡単な問題だし、あの場面でそんな場違いな音を聞く事になるとは思わなかったので、驚愕したな。まあ良く考えりゃそうなるのも無理もないわ。普段心の中で、ただの女狂いの最低バイト男と見下していた奴が、あろう事かこの会社のトップである自分を差し置いて一番に挙手したもんだからなあw突然の事で意に反して漏れちまったんだろう。室内に奴のなっさけねえ声だけが響いたんだぜ? 笑いを堪えるのがやばかったよwwww」


「雉も鳴かずば撃たれまいwww」


「え? なんだいそれ?」


「無用な事、この場合、え゛ーーーーー? と鳴かなければ、禍いを招かないで済む事の例えの事よ」


「成程! 難しい言葉を知ってるんだなあ」


「そうかなあ?」


「そうだよ! で、奴はその時点でミスを二つも犯した。1つ目は解けなかった事が会社中にばれてしまった事。本来分からなかった人は社長以外にもいただろう。でもその人達は声を上げていないので確定はしていない」


「そうね」


「2つ目は俺を陰で見下しているという事を俺にしっかりと知られちまったと言う事実だ」


「見下した事がばれた?」


「そう。元々薄々は思っていたけど、本人から直接聞いた訳ではない。だが今回の件で確定した訳だ」


「だね」


「表面上では皆平等にコミュニケーションを取り合おうという名目で始めた講座。だが、俺が一番に手を挙げた事を驚いてしまった時点で平等……おっと、公平ではない。もし俺以外の奴が手を挙げて指されても、そこまでは驚かない筈だ。だが、奴の中で最も見下していた男である俺が、一番に挙げたもんだから教室内に響き渡る程の大声を上げたんだ。そこまで驚くなよ……」


「内心見下していたんだろうね」


「ああ、そして、奴が一番に答えを出したいと思っていたのに、それが出来なかった。故にあんな情けねえオカマみてえな悲鳴を上げたんだ。奴一人のみがな」


「そういう事か……言われて見ればそうだ……でも普通に考えて脳の弱いじじいがいくら頑張って考えても鈴木さんみたいに柔らかい頭を持つ事は出来ないのにね……下手の考え休むに似たりよね。無謀な挑戦乙。しっかし内面がとことんクズね……私、また一つ増えたよ?」


「ん? 増えたって? 何がだい? まあいいや。で、奴は、俺が約1秒で答えを出したが、その間も一生懸命迷路を解いていたんだろうなあw人差し指で迷路をなぞってw


『あー右行って……こっちは行き止まりだから真ん中を少し降りてから左下に行って、隅っこから右上に。で、行き止まりまで行ったら左下行ってそこから下でゴールだあ!!!』 


ってのをな。そんで誰も正解が出せずに奴が一番にゴールに到達出来たとしたら、それをそのまま先生に事細かに説明するつもりだったのかな? あの馬鹿w」


「言われて見ればそうなるよねw 要求されている物は、


【出来るだけ早く着く線】


だもんねww鈴木さんが言った道順を口で説明するのって面倒臭いよねw」


「まあ部屋には巨大なスクリーンに問題が映っていたから、そこまで行き、棒でなぞって説明すれば出来ると思うが」


「確かに迷路を解く事で右脳が活性化するってのを古文書で読んだ事があるから普通に解くのもありっちゃありだけど、今求められている答えとは違うわw」


「へえ、迷路を解くだけでそんな効果があったのか。じゃあ奴は不得意分野である右脳を活性化させたいが為に……」


「古文書を読んでないあいつが知る訳ないでしょ? 本能的に迷路を解きたかったからそうしただけよwそれにしても出題者も挙手制で出題する事を始めから決めていたのなら一言で言える内容の答えを用意する筈よ。その辺も考えられずに迷路を……そうよ……って事は前の3問の事をすっかり忘れて迷路を純粋に解いていたって事なの? 信じられない程の馬鹿じゃん」


「まあその世界線もみて見たかったが一瞬で分かったもんでガラにもなく手を挙げちまった……本来の俺は引っ込み思案なんだけどなあ。そして奴はさっきの3問をリセットし、何かあるんじゃないかと疑う事を諦め、純真無垢に迷路を楽しむんだ! と、脳は働いたんだ」


「何のための講座なの……全く成長してくれないね。こんな成長率低いゴミ、間引きの対象じゃない? こんな無能をわざわざ育成する親なんてゲームの縛りプレイで言えば、タイトルは


【使えない子達だけでクリア】


をしているような物ね。こんなゴミでも血が繋がっているという理由だけで栄養を与えて時間を掛ければ実力は足りなくても才能も無くても形だけは社長になれてしまう……結果大恥をかくんだよ……」


「ひでえ言い草ww」


「多分奴はお金を払っただけで、何も得る事無く恥をかいただけよ。断言する!」


「だよなw会社内のコミュニケーションが余り出来て居ないと危惧し、わざわざ先生を呼ぶまでした挙句、あいつが一番の赤っ恥をかいた訳だwもし自分が出来ない子をという自覚が少しでもあれば、先生に前もって挙手制で競う様な問題は出さず、講義のみでお願い! と言えた筈なんだがなあ」


「自分の馬鹿さも分からない程完璧な馬鹿ねえ。ある種の才能ね」


「それか自分に自信しかなかったんだろうなあwどんな問題でも当意即妙に対応出来るってなwでよ、コミュニケーション講座の先生はな、喋りが上手くて一回も噛んだ事がないんだ」


「うん」


「ところがまさかその問題で悲鳴まで上げる人が現れちまったもんだから、


『あ、あの……そ、そう! 現代人は真面目だから、疑う事もなく迷路を解いてしまう人がいるんですよね』


と、どもりながら&噛みながらでフォローしていたぜwまるで迷路を普通に解く人が多い様な言い方でw」


「可哀そうwww」


「だよなあ……あの3問を経て普通に迷路を解く奴なんかほぼいない筈。だが奴だけが悲鳴を上げちまったもんだから一応リーダーだしフォローしないとと思っちまったんだろうなあ……」


「そんな優しさ要らないよね。突き放していい」


「まあ先生は奴の本性を知らんからな。外面はいいので、うっかりいい人だと思い込んでたんだろう。その辺はコミュニケーション講座の先生をやっているんだから見抜いて欲しかったぜ」


「確かに……でも先生はお金を貰っている訳だからそこまで疑えなかったと思うなあ」


「だよなあ……で、先生はその普通を捻じ曲げられ、3問を経ても真面目に迷路を解く人間が普通と言う、


【本来教えるべきでない嘘っぱちの内容を】


教えざるを得なかったんだ。俺ならプライドが許さない。データをそのまま話す」


「データ?」


「この先生は至る所で同じ講義を開いている筈なんだ。そういう喋り方だった。あれで人生初の講義とは到底思えなかった。まあ、へっぽこ探偵の俺がした推理だし外れているかもしれんが……それでも素人でも分かる程の落ち着きぶり。だから、前に受けもった生徒の正答率も分かっている筈だ。だからそのデータ通り、


【この問題の正答率は高く、間違えるケースの方が珍しいですよw頑張りましょうね】


とはっきり教えてあげて、


『社長さん! 君は本当に出来ない人なんだ! 努力しなさい』 


としっかり伝える。そうしないと講座の意味がない。間違えた悔しさで記憶の定着が行われ、恥ずかしいけれどずっと残る。それが成長につながる。だが、甘やかせば成長もない。それに今後の講義も真剣に取り組もうとしない筈」


「確かにね」


「先生も本来教えたい事をたった一人の馬鹿のせいで偏った情報を流し、正しいデータを含めた正解を教えられなかったから悔しかったろうな」


「そうよね……お金も貰ったのに俺、嘘突いちまったんだ……って裏では反省していそう……」


「そんな表情だったなあ……」


「人類には学習能力がある。なのに人類でないあいつが頑張って参加しちゃったもんだから、足を引っ張るんだよ……あいつさえいなければもっとスムーズにいって全員のコミュニケーション能力が上達した筈なのに……本来この辺は全員正解だろうし軽くいなしていくかって言う、気を抜いていた場面であんな突発的な事故が起こっちゃったから、噛んじゃっても仕方のない事よね……」


「その通り。実はこれ4回目の内容で、2週間に一度、2時間半の講座を既に3回受講してきているんだ。で、今回の4回目で終了するカリキュラムだったんだ。こういう少し頭を使う問題は特に4回目が多かったけど、3回目まででもちょっとは頭を捻らないと解けない問題もあったんだ」


「それであのアリサ様っと間違い間違い♡有様なのね……」


「ああ。で、4回目のこの問題までは先生は落ち着いてて、嚙む事なく進行してたんだ。この人余り噛まないなあって注意深く見ていたから間違いない。30人の中であの落ち着きぶりだからなあ……俺には真似できん……多分今まで順調にプログラム通り進んでいたからかな? それに同じ内容の話を色々な場所でやっている筈だしな。もう彼の中では教える内容は慣れている訳で、脳内でも次に……じゃないな。次の次の次まで何を言うのかを把握していた筈だ。そんなプロが奴の悲鳴を聞いて動揺しちまったのかもしれねえ。奴の声は人の心をかき乱す効果がある。実体験を元に話しておりますので間違いございません」


「誰の得にもならず、一つも評価できない特技w」


「だってよ、ライオンの問題でしっかり準備出来た筈だし、全員が正解に到達出来ると彼の中ではあった筈。それにこの会社の事を考えコミュニケーション講座を受講しようとする意識の高い男。先生の中でも見込みのある人だと思っていたんだと思う。だが蓋を開けて見れば」


「う〇こだった……と」

こらアリサ! それは違うよ!!


「人間だよ一応ww ただ、相当幻滅したろ……講義を通して、何人もの人を見て来て、それなりに生徒の成長を実感してただろうし、そこで自分の仕事に誇りを持っていたと思うんだ。そんな自分が認めたと思っていた人がこんな感じだったと知ってしまったんだから……だからまだまだ未熟だと反省し動揺したと思っている。さっきも言ったがこの会社だけでなく過去にも色々な所で同じ授業を行い、大抵正解していると言う実体験もあった筈だ、故に奴が飛びぬけて出来ないだけだから気に病む事は無いけど……な。でもその瞬間は素だったな。アドリブで捻り出していた気がする。まさか会社の一番偉い方が情けねえ悲鳴を食堂内に響き渡らせるなぞ夢にも思わねえもんなあw」


「そうよね。確かにあれが、1問目の問題だったら誰も解けないだろうね。でも4問目。これはどう考えても奴が悪いわ!」


「ああ。一問目であれば俺も普通に迷路を解いた筈。だがあれは4問目の問題。最初に出た引っ掛け問題で、少しは頭が柔らかくなっていると思っていたのに、奴はそういう変化を受け入れる事なくリセット出来る脳の持ち主なんだろうな」


「アホ過ぎる」


「でも奴はその時は大恥をかいた事に気付けず、全ての過程を終えた後、


『この講座を通し、みんなのコミュニケーションが円滑に出来る様に少しでもなればいいと思います』


と偉そうに締めていたなwまあ仮に本当に優れた能力を持っていたとしても、奴の事を深く考えたくないから調べる気も起きん」


「まあ馬鹿では気付ける訳が無いよねえ……他にも馬鹿エピソードってあるの?」


「そうだな……奴は夏に味噌汁を飲むと熱中症対策になるよ、ってテレビて言っていたので


『テレビの言う事だから間違いないでしょう』


と妄信してた」


「まあそれ位はいいんじゃない? その情報は多分合っていると思う」


「そうなんだが、味噌汁が問題じゃないんだよ。そういう考えがあるのがやばい。テレビってさ、やらせとか偏向報道とかあるだろ?」 


「常識よ」


「だが奴の頭にはそれが無い。テレビは全て正しいという考えなんだ。それに奴は国に恩義があるというか」


「え?」


「3つ目の工場を建てる時、補助金を国から8千万も下りたそうで、それ切っ掛けで国を全面的に信頼しているというか……国が決めた政策? それを妄信する癖があって……一時期インフルの感染者が出て不安になって、そいつは俺の傍で働いてた奴だったんで、戻ってきたタイミングで不安になり早退した。で、更に数日休暇を取る事にしたんだ」


「うん、伝染されたくないもんね」


「その連絡時大抵専務が出るんだが、偶然電話に奴が出て、


『感染するのが怖い。不安だから休みます。その感染者の人も休ませた方がいいですよ。何だったら3日位会社の操業中断してもいいのでは?』 


とアドバイスしたら……」


『国が大丈夫と言っているから大丈夫。彼にはこれからも来てもらう』


と、言っていた。国は医療に精通しているのか? 医者か何かなのか? 専門性は皆無で、喋り方が完全に国の信者だ。更に


『君はそんな事も知らないのか? 情報不足だ』


と馬鹿にまでしてきた。感染して何日も休まなきゃいけなくなるかもしれないのに。国が言うのだから安心なんだと仕事を選んだ」


「きも……そして大馬鹿ね。他には?」


「俺はバイト。だから残業はしてもいいけどしなくても怒られない。と思っていた」


「ん?」


「だが皆が残業してるのにお前だけ帰るのはおかしいと文句を言って来た事がある」


「仕事が間に合わないとか?」


「いや。足りない位だ。だから出来る限り帰っていたのに、そこを突っ込んできて驚いた事があるって感じだ」


「やはり残業している忙しい企業と言う事をアピールしたいとか?」


「分からねえ。だが、忙しくないのに残業必要ですか? って言ったら


『能書きはいいんです』


だとさ。そもそも昔残業しまくっていて、それが気に障って残業しなくてもいいって言っていたのにな」


「そうなの?」


「ああ、それに従って残業しない様になったら逆にしてほしいと言い出す始末。結局俺を叱りたい為にどっちに対しても怒ってくるって事か」


「最低」


「後に言うと思うが嫌な社員がいてさ。そいつ仕事もねえのに、一時間ずっと掃除だけをやって残業手当を獲得する様な奴で、そういうのも見ていて、そこまで残業する必要あるか? そこまで金が欲しいのか? って嫌になったのもある」


「そうか。そんな馬鹿な社員もいるのか……まさか……他にはあるの?」


「リュックかなあ?」


「背負うリュック?」


「だよな? リュックと聞いて、一番に思い付くのは背負うだよな?」


「あ、当たり前じゃない。何でそこを改めて強調するの?」


「それをおかしいと言ったのが奴だ」


「は?」


「俺が帰りの5分前に掃除を終え、リュックを背負って終業の鐘を待ってた。すると奴が俺の傍に来て……


『何でリュック背負ってるんだ! おかしいだろ!』


と、言って来た。俺はおかしくないと思いつつ降ろした。そしたら去って行った」


「どうして?」


「知らん、で暫く奴の前ではリュックを背負わない様に意識していて、定期的に行われる面接みたいなのを行った時、


『鈴木は最近リュックを背負わなくなったなあ』


と喜んでいた」


「意味不明」


「後、馬鹿な行動かどうかは分からんが、三者面談みたいな事をした時に、お前は彼女は絶対に出来ないと言い切った事がある」


「言い切る程の自信はどこから来るのよ」


「分からん。だが奴はそれを言った事はしっかり覚えていて、俺が恋をした事を知ったら必要以上に妨害してきた。彼結気も、その一環だったと思う。祝福なんてされる訳は無いと思ったが、妨害までする必要はないと思わないか? 仮に社内での恋愛だとしても間違いなくこれはプライベートな事だ。そこに社長自ら割り込んでくる必要は無いよな? ここまで意地になったのは自分が言った事に責任を果たそうとでもしたのか? 自信満々で言ったのに、もしも俺があの子と付き合ったら、自分の言った大切な言葉が嘘になってしまう。それは、それだけは避けたい。じゃあ邪魔して言葉通りにしよう! とでも? いくらなんでも馬鹿過ぎるだろ?」


「ええ……」

ゴゴゴゴ

アリサの背中に阿修羅の様な闘気が浮かび上がってゆっくりと消えて行った。


「うお? 何だその背中の!? で、大分時間が経ってはいるが、俺が社長に宛てて手紙を出したんだ。だけど奴の事が大嫌いなので、その弟の専務に手渡した」


「どんな手紙?」


「ええとな……会社に対しての意見と言うかそんな感じの内容だ」


「うん」


「その内容に刺さっちまったか、軽い嫌がらせをする様になってきた。馬鹿というか器の小ささが垣間見える行動だ」


「え? 気になるわね……でも小さいは余計よ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


異世界転生はしているけれどジャンルは会社ぐるみで行われた製造業の闇を暴くお話に変化してしまったようですね。

人にはそれぞれに秘密にしておきたい話したくない過去がある。鈴木の場合、神裔Ⅳのアリサに強引に引き出され嫌々喋っているようです。どんな嫌がらせをしてきたのでしょうか? そしてこんな酷い人がいると言う話ですけれど、これはフィクションなので安心安心♪

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