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第八章 探索

初投稿です。

仕様等まだ慣れていない為、設定・操作ミスありましたらご容赦ください。


***このページには残酷な描写が含まれます。ご注意ください。***


登場人物の残忍さを表現するため、残酷な描写があるためR15としていますが、それ以外は復讐ものと言いつつ笑いネタ満載のアクションコメディー

 その頃西乃国皇宮内後宮の宮女宿舎では、宿舎に戻ってきた劉煌とお陸が女官から大目玉を喰らっていた。


「いったいこんな時間までどこをほっつき歩いていたの?とにかく早く準備にかかっておくれ、楼という楼の床を自分の顔が映る位までピカピカに磨くんだよ。罰は陛下がお経ちになったら必ず与えるから覚えておきなさい。」


「はい」

 2人はそう神妙なふりをして答えて女官の前に平伏してから、中宮を目指して歩き始めた。


 誰もいないところを見計らってお陸は劉煌に話しかけた。

「あのお兄ちゃんがおデブちゃんに渡した代物はなんだろうね。」

「わからない。僕の探し物と違うことを祈るだけさ。」

 劉煌はそう呟きながらも、後宮の蔵の天井からついさっき目撃した梁途と孔羽がしていた怪しい光景を思い出していた。


 “劉操が発ってから、まずあそこを調べてみよう。”

 劉煌は、さっき梁途が開いてみせた後宮の蔵の床の扉の事を思い出していた。


 〜


 予定通り、劉操の馬車行列が銚期門から入り、皇帝の楼である天乃宮の前に止まった。


 天乃宮の前には、珍しく地味な服装の筆頭宦官:石欣、宰相等西乃国の閣僚が馬車の方を向いて、禁衛兵は統領以外は馬車に背中をむけて護衛していた。


 止まってしばらくした後、馬車から豪華絢爛な衣装を着た男が降りてくると、彼はすぐにその場で両手を肩の高さで組み、首を下げた。すると馬車の後ろについていた騎馬兵が馬からばっと降り、首を垂れている豪華絢爛衣装の男の前をヅカヅカと通り過ぎて天乃宮の階段を登り始めた。


 その姿を見た天乃宮の外回廊で待機していた閣僚達がいっせいに、階段を登ってくる騎馬兵に向かって恭しくお辞儀をした。


 その騎馬兵は石欣を見つけると「石公公、今回は掃除が行き届いているようだな。」と呟いた。


 既に跪いている石欣は、肝を冷やしながら「ははあ」と言うと、その騎馬兵はフンと言ってそのまま天乃宮の中にヅカヅカと入って行った。そしてまるでそれが何かの合図だったかのように、天乃宮の外回廊に待機していた者達は首を垂れながら騎馬兵に続いて天乃宮に入っていった。


 ~


 その夜、劉煌とお陸は天乃宮の屋根の上に這いつくばって瓦の隙間から屋内を覗っていた。


 劉操は、天乃宮の中では影武者をたてず、皇帝として過ごしていた。


 しかし夜、床についた彼は30分もしないうちに悪夢にうなされ始めた。

 そして、劉操は寝床で汗をかきながら寝返りを繰り返し、何度もやめろ、やめろと寝言を呟いた。

 そして最後に大声で「やめろー!」と叫ぶと、真っ青になってガバっと布団から飛び起きた。

 すると、皇帝のやめろーという絶叫におののいた宦官が慌てて扉越しに「陛下、陛下いかがなされましたか?」と何度も劉操に声をかけた。


 劉操は、何度も粗い呼吸を繰り返した後、外に向かって「何でもない!」と叫ぶと、頭を抱えこんだ。


 宦官は毎度のこととは言え、心配して「陛下、御典医をお呼び致しましょうか?」と恐る恐る聞いた。


 すると劉操は、突然ベッドから飛び出し、剣掛けに飾られていた脇差をむんずと掴み、鞘をバサっとその場に捨てた。その拍子で剣はキーンという音を奏で、刃はオーロラ色に不気味に輝いた。その剣を右手に持った劉操は、突然何を思ったのか、目をカッと開き鼻息を粗くしながらズンズンと扉に向かって進んでいった。

 劉操は、左手で扉をバーンと派手な音を立てて開くと、そこに頭を下げて座っている宦官を右足で思いっきり蹴とばした。その宦官は、全く無防備だったので、劉操に蹴られると、そのまま仰向けにバーンという派手な音を立てて後ろに倒れた。宦官は、慌てて倒れながらもすがるように手を合わせて「陛下・・・」と言い終わらないうちに、劉操は何の迷いもなくその宦官の胸をブゥシュッという鈍い音を立てて剣で真直ぐ突き刺した。宦官の胸からは、まるで犯人の全身をその血で染めんばかりの勢いで、どす黒く光る真っ赤な血が劉操目掛けてピューっという音を立てて吹き出し続けた。劉操は頭のてっぺんからつま先まで返り血に染まると、低くフフフと笑い、即死した宦官に突き刺さった剣をこれでもかという位、そこでグリグリと左右に回した。宦官は既に失血死しているものの、その影響からか口からもドンドン血が流れ、全身がピクピクと痙攣していた。それを見た劉操は高らかにワハハと笑い、目をさらに見開いて「どうだ。恐れ入ったか。このたわけ者め!」と叫んだ。


お読みいただきありがとうございました!

またのお越しを心よりお待ちしております!

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