第五章 変幻
初投稿です。
仕様等まだ慣れていない為、設定・操作ミスありましたらご容赦ください。
登場人物の残忍さを表現するため、残酷な描写があるためR15としていますが、それ以外は復讐ものと言いつつ笑いネタ満載のアクションコメディー
一方、お陸に翌日の課題を告げられ、部屋に戻った劉煌は、先ほどお陸にはじかれた地図を再度取り出すと、美容外科の情報を知りそうな所を考えてみた。
髪結い処
呉服店
宝石店
装飾品店
化粧品店
薬舗
刃物屋
・・・
劉煌は、明日の下見に、地図を片手に町を歩いてみることにした。
1時間ほど歩き回ったところで、劉煌は全ての目的地の場所を把握すると、休憩もかねて茶屋に入ってみることにした。
出羽島は、地図の上で、ちょうど大陸の西側である西域と東側である東域が交わるところにあり、それは文化についても同じだった。東域の西乃国にありながら、どこか東域だけでなく西域の影響も受けた独特のハイカラな雰囲気があり、茶屋も劉煌が行ったことのある中ノ国の茶屋とは全く趣が違っていた。
まず入口の扉には、ステンドグラスがはめ込まれ、中の椅子は座面が布張りで座るとフカフカした。
劉煌は、見たこともない珈琲なるお茶を頼むと、それは、香りの強い濃い茶色の液体で受け皿と対の花柄の入った持ち手の着いた茶碗の中に入って劉煌の目の前に置かれた。ウェイトレスは、その珈琲と一緒に牛乳と砂糖をテーブルの上に置いていった。劉煌は、この砂糖と牛乳はこの珈琲なる茶に入れて飲むのだと解釈すると、まずは一口そのまま頼んだ茶を飲んでみた。
”にが~~~”
思わず顔をしかめ、慌てて牛乳と砂糖をたっぷりいれると、珈琲なる液体はようやく飲める物に変身した。
”まあ、煎じ薬とどっこいどっこいね......”
そう思いながらそれを飲んでいると、奥で何やらもめている声が劉煌の耳に入ってきた。
”羅天語ね、、、久しぶりだわ、この響き。。。”
劉煌は、頬杖をつきながらそれを眺めているとどうやら店主と客がもめているようなのだが、客の言葉が通じず押し問答になっていた。
劉煌は、しばらく様子を見ていたが、助けが来ないことがわかると徐に席を立ち、今迄のお互いの言い分から外国人の側にやって来ると、流ちょうな羅天語であなたの誤解であると外国人に言った。外国人が劉煌に話すと、劉煌はそれを店主に通訳し、店主が言うことをまた外国人に羅天語で説明した。2.3度ほどそれを繰り返すと店主と外国人は握手をして別れた。
劉煌はまた席に戻ってゆっくりと珈琲を飲み始めた。
”久しぶりだったけど、語学スキルは衰えていないわ。”
そう思った劉煌は、懐から手鏡を出すと、それを自分の顔から左斜め45度上に持ち上げ、自らの顔を写すと、惚れ惚れしながら、
”私ってやっぱりす・て・き♪”
と呟いた。
そう自画自賛しながら、心では珈琲なる茶は二度と頼まないと誓いながら、それを全て飲み干すと、劉煌はやおら席を立ち、会計を済ませた。
あたりが少し暗くなり、店から通りに出て、さあ、お陸の待つ旅館に帰ろうと左を向いた時、劉煌は、そこにいた人影を見てギョッとした。
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