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第四話「大盛、特盛、漫画盛り!」


闘技場での戦いがあるから僕は毎日、夕方から目を覚ます。

軽く筋トレで体をほぐして準備は完了!

コロシアムの観客の入りは沢山、今日も良い日だ。


「誰かコイツを止めてくれ! 無敵の獣闘士ラビィ対するは。

アマゾヌ川の方から来た、最強の男ワーニー・クーンだ」


「オレガ、最強ダーーー!」


「珍しいワニの獣人、ワーニー・クーンの全身を覆う鱗は。

どんな魔法、攻撃も軽減する硬質鱗だそうだ、獣闘士ラヴィどうでるのか?」


「どんな相手でも関係ない、一撃で仕留める!」


「ウサギを噛み殺せー!」


「ワニなんざ蹴り技一撃だー!」


僕が出来る事はヒトツだ、防御が硬くても蹴り倒すのみだ。

接近して口を開かぬように腕で抱え抑えてその隙に急所を蹴りつけた。


「きゃーラヴィの蹴り技よー!」


「きゃーワーニー・クーン耐えて!」


「獣闘士ラビィの蹴り技が炸裂だー。

これに耐えられた対戦相手は居なかった、ワーニー・クーンは最強の男なのか?」


ふらつきながらもワーニー・クーンは立ち上がった。

これは思いのほか、強いかも知れない。

僕が覚悟を決めると審判から試合中止の声が入った。


「立った、立ちましたが、これは……気絶している!

やっぱり一撃、無敵のウサギはやはり無敵だったー!

彼を倒せる存在何ていないのかー?」


大金が手に入った、どんな肩書相手でも僕は無敵らしい。

せっかくだ今日は色んな事にチャレンジしてみよう。

そうと決まれば焼肉だ!


モウジュウ亭にはチラミちゃんが居た。

僕の顔を覚えてくれたのか尻尾があがる。

スカートの裾がめくり上がってるけど。

位置的に僕からは何も見えてない。

一応言っておこうかな?


「チラミちゃんスカートの裾捲れてるよ?」


「デザインであって捲れてませんよぉ、皆さんそういうんですから」


冗談だと受け取られてしまった。


「パン……そうじゃなくて尻尾……」


「尻尾があるのは獣人だから当然です。

お客さんにも立派なポンポンがついてますよ」


確かに僕にも立派でキュートなモフモフとした自慢の丸尻尾がついている。


僕がクールガイであれば。

パンツが見えてるチラミちゃんにスマートに教えてあげる事ができるのに。

僕が怪しい人みたいな発言になってる気がする。


スカートは気になるけど諦めよう。

本人が言うって事は本当にデザインなんだろう、多分。

そんな事より今は焼肉だ!


さて、今日は白米で食べるぞ。

普通じゃ物足りない、大盛、特盛。

なんだコレは……、白米漫画盛りだって?

注文するしかない。


ついでに見慣れない大豆ミートって奴も注文してみるか。

どんな味なのか気になるぞ。


「漫画盛り白米ひとつと、大豆ミート3人前を下さい」


「漫画盛りご飯、大豆ミート3人前ですね。

ご飯、通常よりも多くなっておりますがよろしいですか?」


「大丈夫です!」


大盛のどんぶり、茶碗にもう一個引っ繰り返して乗せたような。

まん丸い山のような白米が形成されていた。


まさに昔話の絵にかいたような白米だ。

本当に山のように盛られた米。

これは強敵だ。


早速大豆ミートを焼いていく。

一口食べると挽肉のような食感。


豆の味は一切しない。

本当にお肉を食べてるみたいだ。

焼肉のタレ味ってだけでご飯も進む。


「白菜の漬物、味付け海苔、ミズダコ一皿。

エリンギのバター醤油焼きとにんにくのアヒージョを下さい」


「はぁい、ご注文の品でぇす」


もきゅもきゅとした食感のエリンギとバター醤油は。

ご飯が無限に食べられる気がする。


合間に食べる白菜が冷たくて最高だ。

味付け海苔のごま油の風味も美味しい。

ミズダコが焼きあがる頃には。

にんにくのアヒージョが完成してる。


サイドメニューだけでも結構忙しいな。


ミズダコをエリンギが入っていたバター醤油につける。

強い歯応えと塩気がご飯と相性抜群。


焦げる前に回収したにんにくは甘くてホクホクだ。


もう少しだけ食べたい。


「すみません、ヤミツキ塩キャベツを下さい」


「少々お待ちください」


待ってる間に満腹になってしまった。

こういうのは勢いが大事なのに。


少し待ってるとキャベツが届いたから。

残り少ないご飯をキャベツで食べつくす。

思った通り塩キャベツはごま油とニンニクの塩ダレだ。

白米の甘みと塩気がちょうどいい。

ご飯を食べるにはこれ以上に相性が良いキャベツはないだろう。


「お会計3910Gでぇす。

お客さん沢山食べるんですね。

漫画盛りを提供してから食べきった人は初めてですよ!」


興奮気味にチラミちゃんが教えてくれた。

どうやら漫画盛りご飯の食べきりは初めてだったようだ。


「そうなんだ、僕が伝説、作ったかな」


「記念に撮影していかれますか?」


「じゃあ、せっかくだから」


僕はフードファイターとしての第一歩を歩む気はまったくないけど。

チラミちゃんとのツーショットに釣られて写真撮影に興じる。

僕とチラミちゃんが映った安っぽいポラロイド写真が。

店内に僕のサイン付きで飾られた。


今日は挑戦してみて良かった。


急激な血糖値の上昇から来る眠気と物理的な腹痛で苦しみながらも帰ると。

闇カジノのオーナーがいつも通り僕を出迎えてくれた。


「お帰りラヴィくん、今日はちょっと苦しそうだね」


「食べ過ぎちゃいまして。

でも大食い達成記念で僕の写真がお店に飾られました!」


たまにはこんな痛みも悪くない!

焼肉最こ……しまった、ご飯を食べるのに夢中でお肉を食べ忘れた。

今日は本物のお肉を焼いてないぞ。


……焼き物最高!


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