表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/109

レサンさんといっしょ③

 レサンさんが無言になったんだが?


 無言でレサンさん持参の謎の肉(そこそこうまい)を食べて、焚き木を消して、状況が飲み込めてないキーやんをとにかく抱いて、何を喋りかけても応えてくれなくなったレサンさんの後ろをついてく。

 いや、昨日は隣歩いてたんだが?


 キーやんが耐えかねたらしく、俺の頭に登ってくる。

 いや、俺も状況わかってないんだ。

 日はまだ低い。正中までもまだ時間がある。


 俺の耳元でキーやんが囁く。

「おこってる?」

 んー。怒ってはないんじゃないか。

 何か考えてる? のかね。

「ころされる? はいじょ?」

 ん?

「わたしたち」

 あー。

 危険すぎて? 俺らが?

「うん」


 どうだろう。

 レサンさんがそういうことをしない、とまでは思わない。

 必要なら、手を血で汚すことに躊躇ないタイプに思える。

 ただ、すぐにやると思う。この間は不自然な気が。


「わかった」

 冒険者ギルド、いや総代の判断かね、「三日時間を稼ごう」ってことだろ? そもそも。

「うん」

 もし、レサンさんが俺たちを殺すならば、ある程度の理由が必要になるんじゃないかね。立場としては総代の下のわけだから。

 エルフとしての判断をしてくる可能性もあるわけだが。それだって最悪レサンさんは冒険者ギルドから立ち去ることになるかも知れない。

「いたばさみ……」

 何かシンパシーを感じていらっしゃる。


「どうする?」

 どうするも何もなぁ。

 正直、レサンさんが無言になったせいで、俺、自分が今どこにいるか分からないしな。

「ブルエモンにもどる?」

 あー。

 最悪、瞬間移動があるか。そうだよな、最悪、レサンさんが襲ってきたら全力で逃げよう。

 そのままネスマーに行ってトラブルを解決して、国境を越えるのもありだな。

 まぁ、冒険者ギルドが共通だから、ここで問題起こしたら、それも伝わるんだがな。


「ネスマー、いけない」

 そうだった。まだキーやん、辿り着いてないんだな。

 じゃぁ、できるだけ近いところに出て……あの……全力の短距離瞬間移動の連発で……。

「わかったー」

 はい、そういうことで。

 あー、時間が過ぎるのが遅い。キーやんと話すこともないしな。


 お?

 キーやんが俺の頭を踏み台にして跳ね上がった。

 レサンさんが立ち止まる。

 あ。

 俺たちの方を気にしてはくれてるんだな。


 人体についての講座をしないといけないからな。

 キーやんは自分の身体で進み始めた。立ち止まったレサンさんを追い越してどんどん先に行く。

 やめてやめてダメだって。

 慌てて俺も追いかける。

 軽くしゃがんで抱き上げる。

 あーばーれーるーな。


 なんとか抱き上げて、ちらっとレサンさんの顔色を伺う。

 あー。何もわからない。


 キーやんも流石に反省したらしい。

 そのまま、ずっと俺の腕の中に収まってた。

 そして、日暮れまでただただ淡々と歩き続けた。


 レサンさんはともかく俺たちはだいぶん暇だった。

 なんだろうな。レサンさん、初心者冒険者のお守り役で、無言とかになる人じゃねーと思うんだよ。

 昨日は普通に接してくれてたのになー。俺もう完全に楽しくキャンプに行くテンションだったんだが。

 この落差はなんなんだろうなー。


 まぁ、時間を長く感じることには慣れてるからよ。俺もキーやんも。

 キーやんは俺のせいだけどな。ふくろに閉じ込めらたからな。


 しかし、こうして人と旅するのは久々だ。

 いいところも悪いところもある。

 調子良く会話が続くと時間が過ぎるのは早い。でも、今日みたいに気まずいと最悪。

 まぁ、俺は一人が気が楽だな。


 そんなことを考えながら書いた本日の日誌。

 特筆事項なし。

 本日も異常なし。


 他に何を書けと?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ