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我輩はタイゴンである

　我輩はタイゴンである。

　特に前世が何かであった訳ではない。

　普通のタイゴンである。

　さて、タイゴンのくせに普通というのも少しおかしな話である。タイゴンなどというだけで、非常に珍しいのである。普通ではない。

　我輩は、トラを父親にもち、ライオンを母親にもつ。異種交配でできた種である。

　かの有名な獣神と呼ばれるライガーとは少し異なる。

　ライガーは、ライオンを父親にもち、トラを母親にもつのである。

　我輩は、もちろん、前世の記憶も前世の特殊な知識も持っていない。

　いたって普通に、父親と母親の愛情を受けて育った。

　諸君らはご存知のことかと思われるが、父親は数学が得意で、母親は物理学が得意である。そのせいもあり、我輩は、普通の動物が受けないであろう英才教育を受けて育った。

　もちろん、この口調は、父親譲りである。

明日、最終回です。

新連載の『コーヒーに合うイカ飯が作りたい』もよろしくお願いいたします。