前置き
「僕は選択肢を間違えてしまった。」木下守、14歳。中3。彼女なし。受験シーズンという時期に、本来シャーペンを持つはずの右手には、スマホ、目の前には…テレビ。「また、ゲーム?いい加減勉強しなさい!!」毎日毎日母親から言われている一定の言葉にはもう慣れていた。
このクラスはなかなか良かった。前のクラスよりかはグループが対立していなくて、男女の仲も良いが、唯一納得いかないのは担任だった。授業中にも関わらず、よそ見していると、怒鳴られるし、寝てると怒鳴る。一言で言うと、細かい人だった。数学の授業の担当だったことは、更に追い討ちを掛けられた。数学しか出来なかった自分にとって、それはこの世の終わりに等しかった。
今から、ちょうど1年前が、自分にとって、一番良かった時期かもしれない。クラスはとても明るくて、修学旅行の班は最高だった。友達もたくさんいるし、隣は誰か分かんなかったけど、よくわかんない発言によって、仲良くなった。メアドも交換した。このまま続くの思っていたが、自分は、隣の人を好きになってしまった。そこで止めておければ良かったものの、告ってしまった。振られると分かっているのに…そこからはどん底だった。机を離され、無視された。噂が広まって、誰を信じたら良いのかわからなくなってしまった。修学旅行も、文化祭も全て、最悪の思い出となってしまった……なんであんな事してしまったんだろう。未だに後悔している。ベットに横たわり、また1日が消えた…
そんな中、奇跡的な出会いをした。「ハンターハンター」といわれる冨樫義博さん作の漫画だった。主人公ゴンが、友達と共に、成長していき、ハンターをしている父親、ジンを探すというものだった。初めて漫画らしい漫画を見たので、驚愕した…