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辺境の錬金術師  作者: 木偶の坊
序章
2/65

錬金術師と青年

本日二話目の投稿です。


のんびりまったりとやっていくので話の展開速度は少し(いや、かなりかな?)遅いと思います。


更新速度はまったりとやっていきます。

 いつものように買い物を終え、帰宅している怪しげな男は街から少し離れた場所にある村を通ると、


「ケルトさん、今お帰りですか?」


「そうですね、買い物を終えましたし」


 ケルトと呼ばれた男はやはりフードを深く被っており、その表情を見ることが出来ないがそれでも村人の顔はとても明るいものだった。


「今日、うちの主人が狩りで仕留めた野兎と鹿なんですけど越訴分けです」


「いつも本当にすみません」


「いえいえ、いいんですよ。うちの主人もまた狩りが出来るようになったと喜んでいましたから」


 村の人たちの行為に甘えながらも、自宅に帰ることにした。


 自宅に到着するとケルトはいつもと同じように部屋の中にある鍋に買い物で買ってきたものを次々に投入していく。


「ブルースライムのジェルに水飴草の葉に……」


 今やっている不思議な行為こそケルトが村人から好かれている理由でもある。ケルトはこの世界でもあまり数のいない錬金術師の一人であり、錬金術の知識において他を圧倒するほどでもあったりする。


 その本人には全くそんな自覚はないのだが。


 錬金術と言えば、賢者の石を創り出そうなんて夢物語や不死になろうなんてことを思って研究をしている気味の悪い連中というのがこの世界の一般論なのだが、ケルトが目指しているのは……そんなものなかったする。


 ケルト自身どうして錬金術師なんてものをやっているかと言われてもその答えにはどうしても答えることが出来ない。


 ケルトが覚えている範囲の記憶には錬金術に関する記憶と自分の名前、そして五年ほど前に村の近くに倒れていたところを発見されたぐらいのことしか分からなかった。


 その当時は今のような外套は使っておらず、かなり身なりが良かったためどこかの貴族かと思われていたのだが、ケルトの家名にあたるシエルハイムという名前の貴族はどの国にもいないということが分かり、結局そのまま森の近くに家を建て住んでいる。


 最初は村人たちも警戒していたが、村の怪我人や治る見込みがもうないとまで言われていた病人たちを治していったことでたまに拝められたりすることがあるくらいには信用されている。


 不治の病と診断され絶望にくれていたシェルベアの第二王女殿下を救ったこともあったりした。もちろん内密に行ったため一部の人間にしか分からないことだ。


 そんなこんなでケルトは今日もいつも通りに過ごすのだった。

読んで下さってありがとうございます。

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