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猫獣人の元聖女、辺境で孤児を鍛えます。  作者: べちてん


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第44話 ティターニャ、子供達と会う

「ここが子供達の住む家ニャよ」

「静かでいいところですね」

「そうニャね。子供達が育つ環境としてぴったりニャ」


 あれから数日が経ち、リーリャとティニーは子供達の住む家までやってきていた。


 5日というのは振り返ってみればあっという間だが、今後の基盤を作るには十分な時間であった。


 注文した教材はいずれもまだ届いていない。王都宛てに注文を出して、王都の役人が収集して馬車に運ばれてやってくるわけで、一ヶ月ほどは見ていた方がいいだろう。もしかしたらもっと掛かるかもしれない。


 今日は宿題の確認とティニーの紹介で終わる予定だ。




 玄関を通ってリビングに向かうと、そこには仲よさげに昼食を取る子供達の姿があった。


 エルビアの口元にはミートソースが付いていて、パスタがなくなったフィルマのプレートにはミートソースだけがたくさん残っていた。レネットはきれいに平らげていて、エルビアのことをニコニコと眺めながら左右に揺れている。


「ウチらはご飯が終わるのを待ってようかニャあ……」


 ミレアさんに案内されてソファーに腰を掛けると、すでに食べ終わっていたフィルマがドタドタと大きな足音を立てながらティニーの元へとやってきた。


「新しい人か?」

「そうニャよ。あとで紹介するニャから、待っててニャ」


 フィルマは目をキラキラとさせると、またドタドタと足音を立てながらエルビアの元へ駆け出し、早くご飯が食べ終わるように急かしている。


 そのフィルマを宥めるのはレネットの役目。エルビアはそんなことお構いなしというようにゆっくりと食べ進める。なんならチラチラとティニーのことを見ていて食べる速度は遅くなったようにすら感じる。


 仕方ないにゃぁ……、といわんばかりにため息をついたリーリャは鞄から一枚の純白な手ぬぐいを取り出すと、狙いの定まらないフォークにより余計に汚れてしまったエルビアの口元をそっと拭った。






「皆さんこんにちは。私はリーリャさんの秘書のティターニャと申します。よろしくお願いします」


 ようやく食べ終わったエルビアと、それを待っていた2人に食器を片付けさせると、リーリャは3人をソファーに座らせ、3人の前に椅子を持ってきては腰を掛けた。


 椅子は持ってきたものの腰を掛けることなく、そのまま自己紹介を始めたティニーのことを、3人はわくわく、といった様子でせわしなく揺れながら眺めている。


「秘書っ」


 丁寧な所作でお辞儀をするティニーのことを特にキラキラとした目で見上げているのはエルビアだ。エルビアは秘書に憧れているみたいなので、興味津々らしい。


 他2人も新しい人が来て物珍しそうにしているが、リーリャだってまだ初めて会ってから1週間も経っていないわけで、どちらも彼女らからしたら新しい人であることに変わりはない。


「ティニーにはこれから座学を教えてもらうニャ。それから、エルの教育担当はティニーにゃから、エルはティニーに教えてもらってニャ」

「わかった!」


 エルビアはうれしそうに立ち上がると、ティニーの腕を引っ張ってエルの部屋へ行こうとうれしそうな表情を見せる。


 ティニーがリーリャを横目で困ったように見るが、リーリャはそれに対して頷きで返答し、ティニーはエルビアにつられるように二階へと上がっていった。


「じゃあエルのことはティニーに任せて、2人はウチと一緒に外で宿題の確認ニャね」

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