第9話 計画通り
~王都オワイコット~
ルクス「さてっと」
ルクスは「テレポート」を使っていつもの所に来ていた。
師匠「あら?……ルクス……貴方……」
ルクス「ん?........ああ師匠どうー」
隣の部屋から風呂上がりなのか少し髪の毛が濡れ、顔が火照っていた、そんな中、ルクスの姿を見て
師匠「ルクス……どうしたのよ……その腕……」
ルクス「ああこれ……斬られた……」
師匠「斬られた……?」
師匠はとても焦っているが、ルクスは至って冷静だ。
師匠「ちょっ……どう言うこと!?ちゃんと説明しなさいよ……!???」ブンブン
ルクス「ちょっ……師匠……激し……」ガクガク
両手で肩を激しく揺さぶる、目が回り、吐き気がする。
師匠「せーつーめーいーしーなーさーいーよー!」ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン
ルクス「マジ……やめ……言う……言うから……」ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク
師匠「本当ね……」
ルクス「……言うって……オエ……」
そう言って椅子に座り、少し気持ちを落ち着かせながら説明した。
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~説明後~
師匠「成る程ねぇ、そんな事があったの……」
先程と打って変わって冷静になる師匠。
ルクス「まぁ、そういうことです……これも全部、アイリの計画の内だと思いたいですね……」
そう言ってコーヒーを飲む、先程説明しながら師匠が淹れてくれたものだ。
師匠「………これが計画の内だったらやり過ぎよ……いくら腕を治せるとはいえ、痛みはあるんだから割りに合わないわよ……」
ルクス「でもこれで完全にアイリは俺に興味がないと周りに教える事ができた、あとはリムル次第です……」
そう言って残ったコーヒを一気に飲み干す。その姿を見て師匠はため息をつき。
師匠「本当、”弟”がこんな事をするなんて思いもしなかったわ……」
ルクス「まぁ、この計画ができたのも彼が勇者で偶然にもアイリが剣聖だったからなんですけどね……」
師匠「それでもよ、まさか妹の為にそこまでするなんて、姉としても驚きよ……」
そう言って冷や汗をかきながらコーヒーを呑む、2人とも空となり、師匠が新しくコーヒーを淹れてくれた。
ルクス「とりあえず、第一段階は終了しました。後はリムルと。」
師匠「あの子の番ね。リムルは兎に角として、あの子は心配ね。あの子は人見知りだから上手くできるかしら。」
ルクス「俺の前だと結構しゃべりますけどね。なぜなんでしょうか?」
師匠「知らないわよ。そんなの、私たち家族でさえあんまり喋ったことないんだから。」
ルクス「まぁ、そこは貴女の腕の見せ所ですよ。」
師匠「全く、人使いが荒いんだから。」
師匠(それにやる気が出ないのは他の理由があるなんて言えないし)
ルクス「……どうかしましたか?」
考え事を口にしていたのか、ルクスが聞いてくる。
師匠「な……なんでもないわよ!」
そう言って顔を横に向ける。
そうしなければ自身の顔が赤いことがばれてしまうからだ。
師匠「んんっ!」
話を戻すために咳払いをする。
師匠「兎に角!後は私の出番ってことね!」
ルクス「はい。それを俺が便乗すれば、筋書き通りになります。」
ルクス(後はどうにかしてこの腕をなんとかしないとな。色々と不便で仕方ない。早く会えないかな?)
師匠「ところで、村からは出たのはいいけど、どこに住むつもり?」
ルクス「あ」
どうやらすっかり忘れていたようで、はあと師匠がため息をこぼしながらルクスの方を見る。
師匠「しょうがないから、私の家に住まわせてやるよ。部屋に空き部屋があるんだ。そこを使ってくれ。」
師匠(.........まあお前の為にわざわざずっと用意していたなんて言えないけどね)
そう言って提案するとすぐに
ルクス「いいんですか!?」ガタ
師匠「……ええいいわよ?」びく
突然立ち上がり、顔を近づけてくる。それに少し驚きながら了承する。
ルクス「!!!ありがとうございます!」
そう言ってお辞儀する。正直に言ってそこの所は本当に困っていたのだ。今の彼はお金はさほど持っていないため宿に泊まり続けるのは金銭的に厳しく、ギルドに入ったとしても、まともに依頼をこなせるかわかったものではない。
そのため、彼女の家ならば、様々な理由を作ることができる。とても効率がいいのだ。
師匠「そのかわり、家事や食事など色々分担でやってもらうわよ!」
ルクス「はい!よろしくお願いします!」ビシ
敬礼して了解する。こうして彼の居候が決まり、今後のためにギルドに加入した。
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師匠「さてと、話も終わったし、そろそろ」
ルクス「ええ、来ますね」
ガチャと音がして足音が2つ聞こえる
そして
リムル「お邪魔します、義姉さん」
???「お邪魔........します」
1人は勇者リムル、2人目は、
ルクス「ニコ」
???「......ニコ」パァァァ
リムルの後ろに隠れていたが、ルクスの顔を見るや否やルクスの膝に乗っかり
???「スンスンスンスン」ぎゅー.....
匂いを嗅ぎ、思いっきり抱きしめる。
ルクス「相変わらずだな、アカギ」なでなで
アカギ「ん..........」ぎゅー
リムル「..........ルクスさん」
ルクスがアカギの頭を撫でているとリムルが
リムル「本当にすいませんでしたぁぁぁぁ!!!!!」土下座ァ!
それは清々しいほど美しい土下座をして謝ってきた。
ルクス「まぁいいよ、”これも”計画の内なんでしょ?」
そう言って少し皮肉を込めて言った
リムル「違います!違います!」
そう言ってすぐに否定する
リムル「ルクスさんの腕をあそこまでするなんて想定外ですよ!てっきり僕が蹴ってそれでおしまいだと思って...........」
どうやら彼女達があそこまでするのは想定外だったらしい。
ルクス「まぁ、この腕はなんとかなるでしょ?ね?」
アカギ「うん.....それぐらい....余裕」
ルクス「だそうだ、まぁ死にかけたけどな」
アカギ「...................」ギロ
リムル「ヒィ!本当にすいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あの勇者がここまでするなんて、と少し引きながら眺めているルクス、このままだと話が進まなそうなので、師匠が咳払いをし、話し始める
師匠「まあまあ、それくらいにして....ところでリムル、貴方はいつまでここにいられるの?」
そう聞くと3人も真面目になり、話し始める
リムル「ええ、僕は妹と最後に会って好きな所に一緒に行くという事にしてここにいますので、夕方までに戻れば大丈夫です。」
アカギ「ルクスの......気配......したから....ここ......選んだ.....偉い?」
ルクス「ああ、偉いぞ、よくやってくれた」なでなで
アカギ「///////////フフッ」
リムル「ルクスさんはこの後どうするのですか?宿とかは?」
ルクス「それは大丈夫だ、師匠がここに住まわせてくれるらしい」
師匠「まぁ、居候みたいなやつだよ」
リムル「それなら、それを理由にアカギとの関係も上手く作れるな」
アカギ「?」
ルクス「まぁ、とりあえず、アカギのことは俺たちに任せて、アイリのことは」
リムル「はい、僕に任せてください、まさかこんなものが役に立つ日が来るなんて思いもしませんでしたよ」
そう言ってリムルは今までのことを思い返した
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続く




