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8 初めての海釣り 新手のナンパ
「えい!」
ボトン…。
「なんかまっすぐ飛ばないんだよね」
「投げんのは難しいよな。アタシもまだ上達しねぇ」
「なんか、右に飛んでくのよね」
「わかる(笑)」
普段から下がり眉のたまごだが、いつも以上に眉が下がり口を結んでリームを巻くたまごの表情が変わる。
「あれ、なんか引いてる!これ、かかってるかも魚!!」
「マジか!?」
「やったー!大物かも」
急いでリームを巻くたまごの手が止まった。
「あれ?」
糸の先をたどって目で行くと別の竿があった。
「すいませーん!引っ掛けちゃったみたいでごめんなさい!」
若い男性が小走りで掛けてきた。
「大丈夫っすよ」
「ええ、私こそごめんなさい」
「良かった。どっちも仕掛けも切らなくて大丈夫そうだ。」
「おーい!お詫びしろよ!肉喰わしてやりなよ!だいず!」
「わかったよ!あの、良かったお詫びにお肉でも一緒にどうですか?」
「え?!あの…」
「いいんすか?」
「もちろん」
「えー!!!」
色白な青年の笑顔が眩しい。




