5 初めての海釣り 投げ方
「んじゃ、始めっぺ」
「どうやって投げればいい?」
「糸を人差し指で押さえて、この輪っかを外す、竿を前に振って人差し指の糸を離す」
「えい!」
「初めてにしてはいい感じだ!そしたら輪っかを戻して少しリールを巻いて糸をピンとさせる」
「なるほど」
「これでしばらく待ってみっぺ!」
「ほい!師匠!」
波の音とカモメの鳴き声が響き渡る。2人はボーッと海を見つめていた。
キラキラと光る海面を見て癒される。
自然と時間が過ぎていた。
「なかなか釣れないね」
「そう簡単にはいかねぇべ」
「ただ待ってるだけでいいの?」
「んな時は竿を立ててちっとばっかリームを巻く。んでまた、竿を立ててリームを巻く。そうすっと海底に潜んでた魚が食らいつく」
「えー、そーなの?」
「いーから、やってみぃ!」
たまごは言われた通りリームを巻く。
だが、引っ掻けたようだ。
「あれっ?巻けない…え、なんで?」
「貸してみ。こりゃ根がかりだな」
そう言うとすももは竿を糸と竿がまっすぐになるようにし、優しく引っ張った。
「また、おんなじく巻いてみ」
「ありがとう」
たまごが糸を巻き上げると、海藻がついていた。
「最初はこんなもんだない」
「ですよね」