4 初めての海釣り 仕掛けづくり
話をしてるとすももは手際よく仕掛けを準備していた。
「これがヤンチャなお兄ちゃんにもプレゼントした、初心者向けの仕掛けな!」
「これが噂の!何が初心者向けなの?」
「この仕掛けはおもりも全部ついていて簡単ってものあんだけど、魚って種類によって住む場所がちがくて」
「ほうほう」
「砂地に住んでる、岩場にいるとかもあるんだけど、海面からの高さもちがくてさ。その高さを棚って言うんだけど」
「へー」
「釣り人は狙った魚によってその棚を変えて釣るのね!でも、初心者にはどのくらいの棚の高さで何が釣れるかもわかんない!だから、どの高さに魚がいてもいいように、砂底から海面までたくさん針がついてる仕掛けを使うんだ!」
「なるほど…」
「砂地では、根魚が食い付きやすいように細ながい針にギザギザがついてるものもある!逆に海面に近い方の針は小振りなんだで!」
「だんだん話についていけなくなってきた…」
「んじゃ、聞き流してけろ!この仕掛けをボウズのがれって名前で売ってんだ!釣れないことをボウズって言うじゃろ?」
「あー、聞いたことあるかも…」
「ホントに釣り好きの人は前の日から自宅で仕掛けを作っておいて竿1本持って釣り場までいく!こんなたくさんの道具を持ち歩いてる人はまだまだ初心者なんだで!」
「へー、そうなんだー…」
「そして、餌はじゃじゃじゃーん」
「うわ…虫ー!気持ち悪い!」
「つけ方はね、頭をちぎって、」
「いい!いい!説明しなくて大丈夫!ごめんなさい今日はお任せしていいですか?勘弁してください…」
「わかったよ」
すももは青イソメの頭を切り落とし、4センチくらいに切って、頭から針の中心に通して少しだけ針先をだしてしっぽを垂らした。手際よく、他の針にもつけていく。
「完成!」
「わー」
たまごは思わず拍手した。