うらは切れても根は切れぬ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
相性の良い神社の見分け方。
なんてありますが、見つけられた、辿り着けた時点で相性は良いと思うんですよ。
『なんか此処ヤバい。帰りたい』と思わなければ。
これ、神社に限らず場所全般にいえることですね。
神社巡りが趣味になると、やはり気になるのは、どれだけご利益が貰えるか、という事に目が向くだろう。折角行くのだから、より多くのものを。そう言った欲は人間の性だ。
そんな事を知人に話したら『お願い事も良いけど、日頃の感謝を伝える為にあるんだよ。あれして、これしてって押し付けられたら、彼処様も疲れるでしょ』と指摘された。
しかしすぐに気を取り直して、助言をくれた。
「で、君は相性の良い神社、基、場所を探してんの?」
「うん。せっかく行くなら」
訪れたは良いが、門前払いをされたくない。それに気に入って戴いた方が円滑に進む。そう思うのは、何もわたしだけでは無いと思う。
すると彼女は視線を泳がせて何かを考える素振りを見せた。
「私は占い師でも霊能者でもないから、細かい事は良く分からん」
「でも土地との相性とかって前に言ってたじゃん」
あの土地は相性が悪い。だから行かない。行っちゃいけない。あの土地は相性が良い。何度訪れても居心地が良い。実家の様な安心感。とは彼女が良く口にする台詞だった。
しかし彼女は容赦なくぶった切る。
「行ってみないと分からない。本人にしか分からない。ぶっちゃけ、占って行ってる訳じゃ無いからね。君だってその場所に居着いて不幸が続いたら引っ越すでしょ? それと同じだよ」
「......そうだけど......」
盲信的に信仰を行っているのかと思って、いざ蓋を開けて見ればどうという事でもなく、意外と一般的なジンクスに基づいて行動を起こす。つまり『〇〇しないと不幸になる』という悪徳宗教の様な真似はしないという事だ。この一点に関しては一種の信頼がある。
「心配しなくて良いよ。合わない場所は絶対に辿り着けないから、足が遠のくから。例え縁があってもすぐに切れてしまうから。
逆に合うと互いに離れられない。うらは切れても 根は切れぬ。絶対に離れられない。逃れられない。例え君がどれだけ拒もうとも」
「怖いんだけど......」
「逃げたければ全力で逃げれば良いよ。でも基本神様って嫌いな奴は徹底排除だから、わざわざ離れられ無くなるって事は、それなりに良くして下さると思うよ」
そう言って哂う。全てを知った様に。
『相性の良い神社の占い』なんてありますが、別に相性が悪いからと言って、不幸になる訳では無いんですよ。
じゃあどうなるか。
『そーいや、最近行ってないなー [完]』以上です。
別に何が嫌だとか、行きたくないという訳ではなく、気が逸れる感じ。
本当に相性が良かったら、実家のような安心感があるので、無意識にでも入り浸ります。
また、掃除機ばりの吸引力で、吸い込まれます。
当の本人の意思に関わらず。
本当に相性が悪いところって、神社仏閣限らず追い出されるので。
それこそ目玉ひん剥く程嫌な目に合います。
具体的には死にかけます。
だからとりあえず行って確かめるのが良いんじゃないかと。