打ち合わせの後で俺達は出動した…覆面パトカーかっこよいな。
「加奈達ファンタースマ達のおかげでかなり奴らの居場所を絞り込む事に成功したよ。
私達はカスカベルが4班、スコルピオが4班、ワイバーンが1班の編成で緊急対応をする体制にしたよ。
まずフル動員した調査部が8班に分かれて奴らがいると思われる区域に北と南から、しらみつぶしに探り出し、奴らの居場所を特定する。
その時に加奈達ファンタースマが1班に1人ずつスカウトとして同行して欲しい事は伝えてあるけど大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫よノリッピー。
でも彼らをしっかり守ってね。」
「加奈、私たちはしっかりと守るよ。
危険な事に志願してくれたのだからね。
ファンタースマは突入まで付き合う必要はないからよ。
調査部とファンタースマはあくまでも場所の特定と周辺を固める役目だ。
突入して奴らを確保するのは対応班の役目だ。
今回、大々的に地域封鎖などして作戦を始めてマスコミなどに中継されたくないからごく秘密裏にあまり目立たないように外周にショッカー対策班と機動隊が待機、奴らの場所を特定して突入する寸前に区域を封鎖する。
居場所を探り出したら、該当するエリアの緊急対応班が急行するよ。
その時も奴らの隠れ場所が一か所とは限らないから全対応班が現場に集中しない様に私が統制をとる。
くれぐれも奴らを取り逃がさない様に、なんとか生きたまま確保してくれ。
タランテラは待機していて、個々の班がとても手に負えなくなった時に、全力出動して区域に突入する。
まぁ、タランテラが全力出動するような大騒ぎになったら事態は最早作戦失敗の可能性が高くなると理解して、と言う感じだな。
それぞれの班に警察から装甲バンが2台づつ配備されるから打ち合わせが終わったら必要な装備を積み込んでおいてくれ。
その後、割り当てた各部署で位置について欲しい。
それと…。」
そう言うとノリッピーが手錠を、なにかごつい装置が付いた堅牢に作られている手錠を出してゴトリとテーブルに置いた。
「なんとか完成させることが出来たよ。
警察が使うものよりも数倍頑丈に作られているから、まず、引き千切られる事は無いと思う。
この装置も非常に頑丈に作られている何か固い物に非常に強い力で叩きつけようが
そしてこれを一度奴らの手に掛ければ微弱な電流が流れ続けて奴らが変化する事を防止するんだ。
今回はとにかく生け捕りが最優先だよ。
これを取り押さえた奴らの後ろ手に掛ければまず確保成功と言う所かな。
今回はこれを全員が携行する事。
ホルスターとセットになっているからベルトにつけておいてくれ。
普段の討伐と違ってデリケートさが要求されるからね、でも、注意しすぎてこちらがやられてもしょうがないから気を入れて行動して欲しい。
それと注意点が2つ、第1点、私たちに入った情報によると奴らは体に自爆する装置を埋め込んでいる者がいると言う事だ。
確保する際に自爆させない様に、そして爆発に巻き込まれないように気を付けて欲しい。
そして、第2点、奴らは他の人間に巧妙に変化できる者が混ざっていると言う事だ。
悪鬼でもちょっと見には見破れない程巧妙に変化する。
特に読心能力が無いヒューマンメンバーは騙されない様に、そして混乱して同士討ちにならないように気を付けるように。
そう言う訳でヒューマンメンバーで構成されているショッカー対策班は周囲を警戒と言う事になったよ。
彼らは不満たらたらだけどね、しかし、彼ら彼女らのその…血に飢えたような態度を見ると、とても生け捕りなんてデリケートな行動は無理だと思う。
富士の樹海での外周警備のような惨劇は起こる可能性はかなり低くなったと思うが、なんとか私たちで奴らを捕まえないといけないせっかくの情報源を失う恐れがあるから奴らを取り逃がすことなく外周を守るショッカー対策班のラインに逃げさせない様に行動してくれ。
私からは以上だけど、何か質問はあるかな?」
明石が手を上げた。
「ノリッピー、了解だ。
ひとつだけ、あの白人の男の子、人間を悪鬼にする事を繰り返す男の子がリーダーだと
思うかい?」
ノリッピーは難しい顔をした。
「う~ん、景行、今の所は何とも言えない。
いかんせん情報が少なすぎるからね。
しかし、あの男の子は奴らの中枢メンバーかそれに近い存在だとは思うよ。
ともかく、雑魚は勿論だけどあの男の子は事件解明、奴らの組織解明に非常な重要な存在だと思う。
最優先目標はあの白人の男の子と言う所だね。」
「成る程了解したよ。」
そして俺達は配備された2台の装甲バンに必要な武器機材を積み込んだ。
運転席、助手席の他に後部に武器機材を積み込んでも8人ほどが乗れるようになっている。
運転は派遣された警察官が行う事になっている。
「あ~これも中々良いけど、私たちの車にサイレンと回転灯を付けるとかできないのかな~!
そしたら覆面パトカーみたいでかっこ良いのにね~!」
真鈴は些かミーハーな事をぼやいた。
ジンコがくすくすと笑った後で真剣な顔をした。
「まあ、確かにそうね~!
そしたら緊急の場合、この前みたいにパトカーの先導なんか無くても現場に急行できるしね。」
先ほどの倉庫の待機場所から持ってきたテーブルの上のお菓子と飲み物をバンに積み込みながら凛が笑った。
「確かにそうなれば便利ですよね~!
彩斗リーダーからノリッピーやテレサさんに言ってみてくださいよ~!」
やれやれ本当にこいつらってミーハーだよな~とか思いつつも、俺も覆面パトカーかっこ良いなと思った。
実は子供の頃に見た刑事ドラマで車の屋根にマグネット式の回転等を付けてサイレンを鳴らしながら猛スピードで走り出す場面が大好きだった。
例えばユキとデートの最中に緊急事態が起きて、俺がユキに「緊急事態だ!」とか叫ぶとユキが助手席の床に置いてある回転灯を屋根の上に張り付けてサイレンを鳴らして走り出す…そして俺はユキにSIGの使い方を教えたよな!と叫ぶとユキがダッシュバードからSIGが入ったホルスターを予備マガジンのポウチを取り出してベルトにつけながら、彩斗!まかせて!とか言って…くぅううう!かっこよいぜ!俺達まるでスタスキー&ハッチか大門軍団みたいじゃないか!ユキ!俺の事を団長と呼べよ!あ!あの渋いサングラスも買わなきゃ!それと、今じゃスゲエ趣味悪いスーツも買っておくべきかも!団長の角刈りっぽい髪型は嫌だけど!やっぱり俺はスタスキー&ハッチの方がぁ!深海オートに頼んであのイケてるフォードの赤いグラントリノを手に入れるかな!いけるぜ!質の悪いアナザーを討伐だぁ!俺達をサイト&ユキと呼んでくれぇ!うひひひひ!
「彩斗、久々に思考暴走しているが…確かにそれは非常にかっこよい…ゴホン!何かの時に便利だな。
われも覆面パトカーのアイディア、良いと思うぞ。」
俺の思考を読み取った四郎が苦笑を浮かべながら言った。
あ、四郎も実はかっこよいと思ってる!
助手席にリリーを乗せて屋根に回転灯を付けたスカイラインGT-Rで疾走する光景を思い浮かべていやがる!
四郎は派手にGT-Rを振り回してリリーが助手席から箱乗りしてエレファントガンを撃ってる!くぅううう!それもカッコ良いな!
「うん、落ち着いたらあとで言ってみるよ。」
武器機材を積み込んだところでノリッピーとリリーがやって来た。
「彩斗、ファンタースマを借りるよ。
それと、はなちゃん、常に回線を開けておくから何かを感じたらすぐに私に連絡をしてくれ。」
「まかせとけじゃの!」
加奈が連れて来たスケベヲタク死霊を集め、色々と注意をする事を述べた後でそれぞれ調査部に同行するために散って行った。
「加奈は立派なリーダーになりつつあるな。」
「うん、そうだな。
今まで知らなかった才能だ。」
明石と喜朗おじが加奈のリーダーぶりに感心していた。
なるほど、加奈のリーダーシップは素晴らしいし、元々加奈の大ファンだった死霊達も忠誠心が厚く統制が取れていた。
ワイバーンのファンタースマ達はこれから有力な戦力になるだろう。
加奈が俺達に同行する事になり、装甲バンに乗り込んだ。
こうして俺達も1台目のバンには明石、喜朗おじ、加奈、クラと凛が、2台目のバンには俺と四郎と真鈴とジンコ、そしてはなちゃんが乗り込んで待機場所に出発した。
続く




