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俺達はユキとママの救出に向かう…真鈴が乾からランドローバーを借りたのはナイスタイミングだった。

俺は2階の自室に走り、戦闘服に着替えて武器装備を掴んで玄関ホールに急いだ。

真鈴とジンコと四郎、そしてクラと凛の夫婦も戦闘服姿でやって来た。


「彩斗、人間と悪鬼を見分ける目が必要だ!

 凛も連れて行くぞ!

 クラも一緒だ!

 それと、これも持って行くぞ!」


そう言いながら四郎が手槍の練習用の頑丈な木の棒を俺達に渡した。


「ネットで踊らされているごく普通の人間もいるからな。

 暴徒化したとしても無条件に撃ち倒す訳には行かんだろう。

 人間と悪鬼の見極めはわれと凛で行うぞ!

 さぁ、皆、乗れ!」


俺達はガレージに走り、ランドクルーザーに俺と助手席にノートパソコンを抱えたジンコが後席に四郎が乗り、ランドローバーには真鈴と凛とクラが乗り、明石達が見送る中出発した。


「彩斗、岩井テレサとショッカー対策班にも連絡をしておいたわよ!」

「ジンコ、『みーちゃん』は?」

「さっき電話した時はかなり盛り上がっていてとても閉められないと言ってたわ。

 でも、ユキとママは充分注意して非常持ち出し用の重要書類なんかをバッグに入れてカウンターに置いて置くってさ。

 まだ騒ぎになっていないそうよ。

 岩井テレサの方で暴動予定地点のかなり大規模になりそうな所にカスカベルとタランテラを送ると言っていたわ。

 『みーちゃん』がある商店街にも何人か送るそうよ!」

「俺達より先に着くかな?」

「判らないわね。

 私達の車にはサイレンも赤色灯も付いていないからそうそう飛ばせないしね。」


ジンコの言う通り、赤信号で止まった俺は早く青に代われとハンドルを叩いた。

その時ランドローバーの真鈴の声がインターコム越しに聞こえて来た。


「彩斗!このまま行く?

 いちいち信号で止まってられないよ!」

「真鈴、それは出来ないだろう。

 変にパトカーに停められて時間を潰すのも嫌だし、事故でも起こせば終りだ。」


ジンコが真鈴に答えた。


「真鈴、我慢して。

 今パソコンを見ているけど、他の暴動に出くわさないルートを探して彩斗を誘導するから付いて来てね。」

「畜生、真鈴、コピー!」


信号が青に変わり俺は急発進して『みーちゃん』に向かった。

ジンコがパソコンを見ながらルートを指定した。

多少遠回りになるが別の暴動に突っ込んで時間を取られるよりはずっとましだろうが俺ははやる心を押さえるのに苦労した。


その時警視庁のパトカーが2台、赤色灯を回してサイレンを鳴らしながら後ろから急接近してきた。


「なんだ、クソ!

 20キロオーバーくらいは見逃せよ!」


俺は何とか自制してランドクルーザーのスピードを落としたが、パトカーは速度をランドクルーザーに合わせて横を並走した。


「ワイバーンの吉岡彩斗警視正殿ですか?」


助手席の窓が開き、警官が顔を出して怒鳴った。


「ああ!そうだ!

 今緊急事態で急いでいる!」

「本庁から支持を拝命しました!

 ○○町商店街まで先導します!

 後ろに付いて来てください!」


そう言って助手席の警官が敬礼をし、パトカーがランドクルーザーの前に回り、スピードを上げた。


助かった!

恐らく岩井テレサかショッカー対策班が手を回してくれたのか、俺達は2台のパトカーに前後を挟まれ先導されて『みーちゃん』に急行した。


「パトカーの先導だよ!ご機嫌だね!」


インターコムから真鈴の嬉しそうな声が聞こえた。

ああ、ご機嫌だ。

これならかなり速く『みーちゃん』に辿り着けるだろう。

俺達は順調に走り、かなり『みーちゃん』がある商店街まで近づいて来た。

後5分も走れば着くだろうと言う時に、先導するパトカーが急停車した。


何だろうと前を見ると何人もの人間達が道路を塞ぎ、パトカーに向けて拳を振り上げて何か怒鳴っている。

移動する暴徒の群れに出くわしてしまったようだ。

暴徒は道いっぱいに広がりパトカーを威嚇していた。

何人かは鉄パイプや角材を持って振り上げている。


「くそ!ここまで来て!」


俺はハンドルを叩いた。


先導するパトカーからスピーカーで『ただちに解散しなさい!道を開けなさい!』と暴徒達に言っているが、効果は無かった。

暴徒はパトカーを見て興奮していた。

後席から身を乗り出した四郎が暴徒達を見て言った。

「あの中に何人か悪鬼が混じっておるぞ!

 恐らく奴らが集まってきた人達を扇動しているな。

 パトカーを見て興奮しているな!」 

「パトカーに先導を頼んで裏目に出たかしら?」


ジンコがため息をついた途端に暴徒達の中から2本の火炎瓶が飛んで来てパトカーのフロントウィンドウに当たって割れ、火を噴いた。

パトカーから2名の警官が慌てて転がり出た。

幸い警官達に火は付いていないようだ。

2名の警官は後ろのパトカーに走って行き、慌てて乗り込んで暴徒達は気勢を上げた。

燃え盛るパトカーが道を塞いでいた。


「うわっ!マジか!」

「彩斗!火炎瓶を投げたのは悪鬼だ!

 どうする?

 悪鬼だけ打ち倒すか?」


四郎がUMPマシンガンを手に取りながら言った途端にインターコムから真鈴の声が聞こえた。


「彩斗!ランドクルーザーを少し脇によけて!」


俺はランドクルーザーを脇に寄せると後ろに停まっているランドローバーシリーズⅡがエンジンを激しく唸らせた。

ジンコが慌てた様子で叫んだ。


「ちょっと真鈴!

 何するつもり?」

「急ぐんでしょ!

 ランドローバーでパトカーを弾き飛ばすわ!

 凛!クラ!しっかり捕まって!

 彩斗は直ぐ後を付いて来て!」


ランドローバーシリーズⅡがやや間が抜けたクラクションを鳴らせながら、道を塞いでいるパトカーに突進した。

ランドローバーシリーズⅡが激しい激突音を響かせながらパトカーの左後ろの角に見事にぶつけ、パトカーは道路から弾き飛ばされた。

ランドローバーシリーズⅡはクラクションを鳴らしながらそのまま暴徒に突っ込んでいった。

暴徒達は蜘蛛の子を散らすように逃げ散ったが、3人がランドローバーの前に立ち塞がった。

ランドローバーはスピードを落とさずにそのまま3人を派手に撥ね飛ばした。


「うわ!撥ねたぞ!」

「安心しろ彩斗!

 あいつらは皆悪鬼だ!

 凛がそのまま行けと言ったのだろう!

 真鈴のすぐ後ろを行け!」


四郎に言われて俺もクラクションを鳴らしながらアクセルを踏み込んで真鈴のランドローバーの後に付いていった。


跳ね飛ばされた3人に暴徒達が集まったが、その内の2人が悪鬼の本性の顔を見せながら立ち上がり、それを見た暴徒達は悲鳴を上げて又逃げ散った。

2体の悪鬼が叫びながらランドクルーザーを追いかけて来た。

ジンコがスライディングルーフを開けて上体を出すとオリジン12ショットガンを悪鬼に向け射撃した。

数発のスラグ弾を胸や頭に受けた2体の悪鬼は道路に倒れた。


「真鈴!大丈夫か!

 まだ走れるか!」


俺がインターコムに問いかけると真鈴の声が聞こえた。


「彩斗!全然まだまだ走れるよ!

 ひゃー!ご機嫌だねこの車は!

 私のボルボでもこんな芸当は無理かも!」


俺達は暴徒の群れを抜けて○○町商店街の入り口に辿り着いた。

すでにあちこちを暴徒が走り回り、店のウィンドウを割ったり略奪をしている。

所轄の警察署から何台かのパトカーが到着していて制服警官達が何とかまだ暴徒を押さえようとしているがいかんせん少人数なので手が付けられない状態だ。

機動隊でも呼ばないと暴徒の制圧は難しいだろう。


「真鈴、入り口のチェーンをぶちきって『みーちゃん』まで走れるか?」

「任せとけ!彩斗!突入するよ!」


真鈴のランドローバーが車の侵入を制限するために夜間に張られたチェーンをランドローバーでぶち切りながら商店街に突入した。

俺達はクラクションを鳴らしながらスピードを落とさずに商店街を走った。

暴徒達は車の勢いを恐れて道の端に逃げた。

商店街の所々で火が上がっていて、俺は『みーちゃん』は無事かどうか心配になった。


『みーちゃん』の看板は消えていたが店の中は電気が点いていた。

俺はホッとしながら車を飛び降りて『みーちゃん』の入り口に走った。


「皆!奴らをこの店に近づけるな!」


四郎が木の棒を構えて指示を出し、真鈴達がやはり木の棒を構えて『みーちゃん』の入り口を中心に展開して円陣を組み、近寄ってくる暴徒を片端から叩き倒した。

俺がドアを開けようとしたがカギがかかっていた。


「ユキ!

 助けに来たぞ!

 俺だ!」


俺がドアを叩いて声を掛けると、中からドアに椅子を積んでバリケードを作っていたのだろう。

慌ただしくドアに積まれたイスをどかす音が聞こえ、ドアが開いた。


「ああ!彩斗!

 怖かったよ!」


暴徒が入ってきたら戦うつもりだったのだろうか、すりこぎを片手に持ったユキが飛び出して来て俺に抱きついた。

店の中では数人の客達がそれぞれ傘やフライパンなど、武器になりそうなものを持って籠城していた。

皆はUMPサブマシンガンを肩に吊り戦闘服姿の俺を見て一瞬ぎょっとしたが、俺の顔を見て、ホッとした表情になった。


「皆!ママ!誰も怪我していない?」


客もママもうんうんと頷いた。

俺がユキを抱きしめてほっとしていると表からジンコの切迫した声が聞こえた。


「彩斗!裏手に火が上がってるよ!

 ここも燃えちゃうよ!」


ジンコの声の少し後に焦げ臭い臭いが漂って来た。







続く

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