:戸惑う海鮫と地震
ちょっと余裕があったのでもう一話あげときますねええw
どうかお許しを(爆)
「そろそろ」「攻め始める時間よね?」
臼と木根は顔を見合わせて、なかなかあがらない合図を待っていた。
「何かあったのかな?」
「何かあったのでしょうね、『道敷大神』と鋭美だからやられてはいないと思うけど・・・・・」
「そうだな、でも助ける為に予定よりは少し早いが攻め始めるか?」
「そうね、とりあえず目標を倒して加勢しましょうか」
臼は頷くと地面から球の形をした大きな岩を引きずり上げて、上に掲げる。
掲げられた岩の後ろに水が圧縮されていき、大きく膨れあがっていく。
「この距離ならこのくらいね、カウントダウンするわよ、踏ん張ってね」
「任せろ、俺はこの程度なら反動すらないよ」
「そう、じゃあいくわよ、一・・・・・・」
「ちょ!おま!!」
「零!!」
何かによって圧縮されていた水が、留め具を失ったように暴走して、大きな岩を『地獄の使者』の方に放つ。
「一から始めんなよ、ビビるだろうが・・・・・一から始めるくらいなら何もない方がまだマシだ」
「今度からそうするわ」
「・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・うっ・・・・・・」
頭痛があったのか臼は頭を抑え、それを心配したのか木根が臼の頭をナデナデする。
「ああ、ありがとう・・・・・・・って原因お前だ~!!」
「ばれちゃった、テヘッ」
カワイコぶって自分の拳骨で軽く自分の頭をポカッと叩く木根。
「はぁ~・・・・まったくお前ってやつは、その体格で良くやるぜ」
「あら?私が可愛くないと?それとも年増のやったこれじゃ満足できないと?」
いつの間にか臼を締め上げている木根。
その時、臼は何を見たのかとんでもない形相で木根を遠くに突き飛ばした。
「きゃ!何するのよ!」
顔を上げると同時に大きな岩が目の前に落ちた、さきほど二人で放ったはずのモノだ。
何か有り得ないモノを見るように固まる二人は目標のほうに目を向ける。
ソコにあったのは砂、その方面から見た時に視界に収まるそれをすべて覆い隠していた。
「まさか砂が俺達の攻撃を返したとは言わないよな?」
「考えたくないわねこんなこと、それよりも遠距離が駄目なら近距離に行けば良いだけよ!」
「よし、援護したのちすぐに俺も行く、お前は構わずに突っ込め!!」
言われて駆け出す木根。
臼は大きく拳を振り上げて、それを地面に叩きつける。
叩きつけられた場所から地面が揺れ初め、まるで操られているかのように木根の横を通って目的地に向かう。
尚も走り続けている木根は、走るという行為からドンドン滑るという行為に移行している。
手をかざすと『海』が収集され、凝縮してハンマーを模す。
木根はそのままの推進力を残したまま、回転を始める、下の摩擦力を無くしている為回転してもまっすぐに前に進んでいく。
だが、今までどんなモノに対しても絶対優位に立ってきた連体攻撃は、単純な力によってねじ伏せられる。
ひび割れしながら迫り来る地震は、目的地から一キロほど離れた所で金属の音の様な衝突音とともに止まった。
そして木根が使っていた『海路』も同じ場所でとぎれていた、もちろん突然の摩擦力の発生で木根は盛大に転ぶ。
手に持っていたハンマーは、空中でドンドン体積を失い、地面につくことなく消え去った。
そして二人の目の前に現れるのは巨大な砂の兵士に、それに負けず劣らずの大きさを誇る砂の大蛇だった。
後ろから走ってきた臼が木根を持ち上げる。
「近距離は無理そうね?」「近距離は無理そうだな」
「どうする?どうみても厄介そうな敵だけどやる?」
「やるしかないだろう、そして早く終わらせてゆっくり休憩しようぜ」
「それ死亡フラグ」「それは死亡フラグクラッシャーだな」
二人は向かい合って笑い、一瞬で気を引き締めて目の前の大物に向かっていく。