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   :才気の姿、真っ白な姿の邂逅

どうも^^

ちょっと遅れてしまいました;

ごめんなさい・・・



さて、おそらく何じゃこりゃ?ってなりそうな気もするのですが・・・・!

そこは気にしないで行きましょうw

後、水鏡の才気は少しだけ特別なものと思ってください。

ほかの才気ではハッキリとした姿は現れません。




また来てくださった方ありがとうございます!

はじめての方はこれからもよろしく!

みんな、楽しんでくれれば幸いです^^

『近衛』本部に、一人の影が闇に紛れて動いていた。

「どうなってるのよ!?この部屋は!?なんでドアが開かなくて開ける事が出来ないのよ!?」

紅葉は、元ボス、一閃の部屋を探る為、部屋の前にまで来ていたが、扉には鍵がかかっていて開ける事が出来ないでいた。

もちろん、針金などを使って、開けようともしたのだが、鍵穴に特殊な細工がされている為、針金を入れる事ができない。

周りの壁も、壊せるかどうか調べたが、壊れそうな場所は一つとしてなかった。

「早く、用事を終わらせて寝たいのに・・・なんでこうめんどくさくするのかな~、一閃は!?」

それからしばらく、開けようと粘り続けたが、程なく諦めて、与えられた部屋に戻っていった。


雷脚風陣―――そのスピードで築き上げた、風の防御壁。

幾重にも巻き狂う風の刃が水鏡を包み、護ろうとする。

だが、大涯はそんなものを無視して近づいてくる、まるでどこにくるかわかっているかのように。

「こんなことでいちいち驚くなよ、こんな事、出来て当然だ・・・お前は俺を馬鹿にしているのか?」

「馬鹿になんかしていません!故にもう手は打ってある!!」

死角からの最後の一撃。

それすらも、大涯は軽く身を捻るだけでかわしてみせた。

「『知識』、あらゆる『才気』を肌で以て感じ、攻撃を予測、計算し、相手の標準を少しずらせる力」

ニヤッと笑う大涯。

「まず攻撃があたらない、当たらなければ焦る、焦れば精神が揺らぐ、揺らげば当たらない、あたらなければ・・・その繰り返しだ」

プレッシャー、闇の力が水鏡の心を圧迫する。

「デスループ、そのままの意味を込めてつけた、そして、そのほうがよくわかるだろう?」

「大介さん」

「なんだ水鏡?戻る気にでもなったのか?もう遅いがな」

「戦ってる最中におしゃべりはしないほうがいいです、しんでしまうよ?」

避けたはずの風がもどってきた。

大涯は瞬時に反応して避けるが、避けきれずに頬に一線の傷を負う。

「・・・躱したはずだが・・・なんで戻ってくる?お前にそんな動作はなかったはずだが?」

「大介さん、あなたは忘れている・・・俺は風の『才気』を使うんじゃない、雷を使って風を起こしていただけ・・・」

重たい衝撃、いつの間にか間合いを詰めた水鏡の蹴りが、大涯の腹に深くめり込んだ。

飛ばない、衝撃がきたことさえ気付くことに時間を要する。

「もう一つ、これは正しいかどうかは判らない、でも、俺が絶対にこうしなければならないと思えば思うほど、俺の『雷人』は進化してる」

絶対に大涯を倒して、『地獄の使者』としての在るべき場所に帰る、それは目的などではない。

水鏡、『覇光』のボスとしての『果たさなければならない義務だ』。

「ほお・・・見つけたか、自分だけの『情』を・・・!コレで対等に近くなった、まだまだ、俺には勝てないぜ?」

「そんなもの!やってみなくちゃわからない!!」

『才気』の気配さえ感じさせずに雷の如く速度で動き回る水鏡。

大涯はそれを見極めるかのように凝視する。

躱し・・・見る、離れて・・・見る、詰めて・・・見る。

飛んで、計って、狙って、偶然、その全ての場合を見て、考える。

「持続型、それに雷だから速さがあるな、しかし、一直線のみ、曲がる場合、一旦停止が必要、それにちょっと力を加えれば・・・」

突っ込んできた水鏡を躱して、急停止する瞬間、背中を軽く、判らない程度に押す。

また大涯に突進しようとした水鏡は、曲がるときにバランスを崩して転ぶ。

「よし、計算通りだ、ドンドンいくぞ!!」

なかなか起きあがれない水鏡はとりあえず座って、大涯を睨む。

【強い、強すぎる・・・コレが『紡ぎの糸』総指揮大涯 大介!その実力か!勝てる気がしないな・・・】

足は、もう痙攣を起こしてガクガクになっている。

【無理をすればまだ動くな】

足に光が灯る、雷を注入、同化させたのだ。

「止めとけ、水鏡、もとがもう死んでる、その足は動かない」

立ち上がった瞬間すぐに尻餅をつく、足があるのかないのかわからない。

【はは・・・俺より俺の『才気』のことをわかっているのか・・・なんか悔しいな、俺は使う事しか出来ないから】

奥歯を噛み締める、ギリギリと嫌な音が口の中から聞こえて、最後に小さくパキッとなる。

【死にたくない、俺はまだ出来る事があるはずなんだ、それを見つけるまで俺は諦めることを・・・!】

目の前が真っ白になった。


【真っ白って・・・真っ暗じゃないのかよ・・・】

辺りには何もない、ただただどこまでも真っ白な世界が続いていた。

いや、いた。

ポツンと一匹、豹が此方をみていた。

「大空 水鏡、この姿で会うのは初めてだが、そこまで驚いたような顔をされると傷付くな」

豹が喋った、そのこと自体が驚くべきことだった。

「どうでもいいが、早くその口を閉じなさい、みっともない、それでも私の持ち主なのかしら・・・嫌んなるわ、どうして私がこんなのに」

豹は心底嫌そうな顔をして、溜息をつく。

水鏡はとりあえず言われたとおりに口を閉じる。

「それで・・・何しに来たのかしら、こんな所へ、こんな、何もない場所に・・・まぁ一応言っておくわ、ようこそ」

よく見ると豹は所々汚れて、まるで最近まで遊んでいたような雰囲気を醸し出していた。

「お前は・・・なんなんだ?」

「失礼ね、私はあなたの『才気』よ、そんなことも気づけないのかしら?また、嫌んなる」

「だが、俺のモノは『雷人』だ、なのに何故豹が出てくる?」

豹は前足を使って器用に頭を掻く。

「ねぇ水鏡、人は、人になりたいかしら?」

唐突に訳の分からない質問をされた。

「人は人にはなりたいとは思わないだろ、すでに人なのだから・・・」

「そうね、正解よ、人は人にはなりたいとは思わない、これが私が人以外である答え・・・さすがに判ったでしょ?」

納得がいく説明だったかはわからない、しかしこれ以上聞いても馬鹿にされるだけなので聞かない。

水鏡はまたあたりを見渡すが、やはり何もなく真っ白な世界がどこまでも続いていた。

「それで、わたしの質問の答えは聞けないのかしら?それとも、一方的に質問だけ?それは男として最悪ね」

いちいちかんにさわるが、豹相手に怒っても仕方がない、だからそれを必死に抑える。

「どうしてここに来たか、だったな・・・俺にもわからない」

「答えになってないわよ、もっとまともな答えはないのかしら?」

「ゴメン、本当にわからないんだ、俺にも」

「何故謝るの?形だけとはあなたは私の主人、マスターといってもいいわ、主人が従者に謝るなんて滑稽よ」

「俺にはお前の問いに対する答えは見つからなかった、だから謝ったんだ、それだけだ」

豹が近寄ってくる。

お互いの距離の半分まで迫ってきていた。

「あなたは何も悪くないのに?主人はただ従者を使い捨てればいいだけなのに」

その言葉は酷く頭に響いた、そして熱が体を奔る。

「従者は捨てられるためだけに存在し、主人を護るためには命をもかけることをいとわない、それが良き従者だと思う」

従者、仲間は捨てられるもの、そんなこと、考えた事もなかった。

「あなたはそんな事考えなかったでしょう、でもね、下のものは上のものを尊敬したり、ねたんだりする」

だが、考えたくない、俺がミスをすれば仲間が死ぬ、それはいやだった。

「あなたが完成させた組織は格差がなかった、ある意味とても不完全で、とても壊れやすいモノだった」

この感じはどこかであった、最近とても身近な所に。

「なのに壊れなかった、とてもすごい事だね、なんでかしら・・・あなたは妬みを感じた事はある?」

一閃が組織を去り、少なからずとはいえ自分にもその負担がのしかかろうとした。

「あなたは十分妬まれていた・・・・」

俺は、立ち向かう事さえせず、自分には出来ないと諦め、そして逃げた。

「だけど、それと比べるには余りにも膨大な信頼や尊敬を保っていた、同じ時に」

俺の仲間は俺の決定に従い、ついてきてくれた。

今の俺はその信頼に何か答える事が出来たのだろうか。

「あなたは悪い人だ、そんなにもいろんなものを貰って、あなたは何かしましたか?・・・していないでしょ、私が知る限りですがね」

「俺は戻る」

「そう、それで・・・それだけですか?」

1メートル先で豹は止まった、そして品定めするような眼で水鏡をみる。

口の先にまで出た言葉を出すのを止めた、それでは前までと一緒だとわかったから。

だから豹に背を向ける。

「また逃げるのかな?」

「従者なら・・・」

「・・・・・・!」

「何も言わずについてこい」

「・・・・・・いいですね、あなたについていきましょう、多分コレが最後の面会で、いつまでも続く意思疎通の始まりです」

最後、真っ白だった世界は、豹であふれかえっている世界に変わった気がした。


立ち上がる、今度は転ばない、足はガクガクとしているが芯は折れていない。

大涯が少し離れた所で此方を凝視している。

「もう、遊びは終わったのか?」

「なんの事ですか?」

「さっきまで四足歩行だっただろう、だが、早すぎて攻撃もあたらんし、逃げ回るだけだった」

また、心がズンと重くなる。

「また、心へのプレッシャーですか・・・」

「念には念を、勝負事の基本だ」

「そうですか・・・・でも、その遊びにもう少しつきあって貰う事になるかもしれません」

足に雷を同化させる、そして、それとおなじ事を両腕にも施す。

「それは・・・?」

「言ったはずだ、もう少し遊びにつきあってもらうとな」

最後には四足歩行をする状態で大涯を睨む。

「なるほど、それで俺を突破するきだな・・・無駄なことをお!」

大涯と水鏡はまた、戦いを始めた。

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