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    :地獄の使者2

『覇光』、主に『地獄の使者』内の監視・管理、武力で以て名を轟かせることを目的とした内部組織。


そこのボスは大空 水鏡、ブルーラインの9であり、『才気』『雷人』は自らの体に電気を纏わせる。


その水鏡は今、『覇光』の運営する集会所に来ていた。


目の前には可愛らしい女・・・・・少女が座ってジュースを飲んでいる。


「おかわり貰っていい?あんまり好きなジュースじゃないけど喉渇いちゃって」


「好きなだけどうぞ・・・はぁ、あなたは何しに来たんですか?まだ部隊のみんなが戦っているでしょう?」


可愛らしい少女、『改水』のボス、一ノ宮 京。


可愛らしい顔とは裏腹にレッドラインの3という、実力者だ。


『才気』『樹海』は大地に緑を与える。


「何って・・・話し合いに来たんだけど?だって『覇光』と『近衛』が動くんでしょ?ある程度動きを決めなくちゃ。どうせバラバラに行動するけどある程度決めとけば援護とかが楽になるでしょう?」


「今すぐって訳にはいかないのか?それによって俺は部下に命令を下すんだが・・・・・」


京はジュースをおいしそうに、本当の子供みたいだと思った事は秘密、飲んだ後、


「いいけど、二回同じ話はしたくないなぁ、だから猛一人が来るまで待って?もう少しのはずだから」


その時集会所のドアを開け、麗香が入ってきた。


京は麗香に手を振った、それに気付いて麗香は小走りのこちらに来た。


「少し遅れちゃったかな?平気?」


「大丈夫だよ、待ってたからね、誰かさんと違って心にユトリがあるから♪今から始めるね」


「っ!まぁ餓鬼は置いといて・・・何かあったのか?お前が時間に遅れるなん珍しい」


麗香は席に着き、遠慮なくジュースを頼み、


「『近衛を分けるのに戸惑っちゃって・・・話を初めて」


麗香が促すと、京は軽く頷き前の大きい机に地図を広げた。


ところどとろ、赤い×シールが貼られていた、見た感じその位置はほとんど重要拠点の近くにある。


「『正義の悪魔』で被害が出た場所です、大きいものだけですからまだまだあるかもしれませんが、そこら一帯の住民の避難は出来てます」


「えらく中まで入ってるな・・・・・守護兵はなにしてるんだか」


「そうですね、でも問題はソコではありません、ここです・・・・・此処だけはどうしても守り抜かなくちゃいけません」


京はある一点を指指した、そこは・・・、


「!!ここは祭りの場所じゃねぇか!?奴らまさかそんなことも知らないのか!?」


「ほんとだ、狙ってるとは思わないけど、どうせ下っ端の部隊なんでしょうね・・・ここは攻撃させるわけにはいかないね」


「そうです、だからここ辺りを『覇光』さんに任せるです、次に『近衛』ですが・・・・・こっちをお願いします」


京は今度は×があまりついてない箇所を指指した。


「ここは・・・・・みたところ何もないようだけど?」


「『悪魔の正義』偵察部隊の本拠地にしてるところです。正直な感想を言えば、あの大部隊で偵察するってのが少々腹立たしくあり呆れもしますけどね」


「『改水』は?」


京は今度は×が付いている箇所で『地獄の使者』の領域すれすれの場所を指した。


「私たちは境界付近にて増員と報告係を倒します、いいですね?」


水鏡と麗香は頷くと、席を立ち、麗香は出口に、水鏡は仲間と作戦を考える為奥に向かった。


騒がしかったその場所はシンと静まり、二人の足音だけが響き、それも聞こえなくなる。


「また、戦場で・・・」


残ったのは京は見送って、自らも戦場に向かっていった。







『地獄の使者』の中で軍事を担当する内部組織『法度』。


そのボス里島 翔汰は、ブルーラインのMAXで、『才気』『暴風』は風を操り、切れ味が付与する。


翔汰は『法度』の組織のアジトで必死に計算をしていた、決して話せるような雰囲気ではなくそれを許されるような雰囲気でもない。


もしものために何人を割いても支障はでないか、何人くらいでどのくらいのことが対処出来るか、などを。


「暗い部屋だね翔汰兄ちゃん、そんなとこで勉強してるとまた目が悪くなるよ?」


不意にかけられた後ろからの声で翔汰は一瞬硬直したが、聞き慣れた声と理解し、すぐに作業を再開した。


「戒か、いきなり声をかけるなって言ってるでしょう・・・・・ただでさえ結構真剣な考え中なんですからね、邪魔はいけません、殺しますよ〜?」


「ごめんごめん、その反応が面白いからついついやっちゃうんだよ」


後ろにいたのは、ここ『法度』のナンバー1(ボスはナンバー0)、里島 戒。


翔汰の弟、ブルーラインの8、『才気』『風圧』は風の圧力で敵を押しつぶす。


「兄貴をからかうなんていけませんね、今ホントに忙しいんですよ、用事があるなら後にしなさい」


「そうそう、用件ですが・・・・・『闇の影』の一条寺 昴さんが来てますよ、どうする?兄貴」


昴と言えばあまり気にはしていないが、今日のことがあるな・・・・・やはり思った事をそのまま口に出すのはダメだな・・・・・。


などと考えて、戒に昴を応接間に通して、それなりのおもてなしをするように命じた。


「後で行くって伝えてくれ、すぐ行きます」


戒が出ていったのを確認すると、翔汰は素早く片づけを始めた、少々心が舞い上がっているのは内緒である。



昴は戒に連れられて応接間まで来た、そこで戒に、


「兄貴の彼女ですか?・・・・・言っちゃ何ですが幼いというか・・・・・」


っ、聞かれたときは焦り、少し怒りも混じったが、顔一つ変えずに、違いますよ、と受け流した。


戒は疑いはしたものの、いや怖かったのかな?深い詮索はせず、翔汰が部屋に来たのと同時に部屋を出ていった。


「戒の馬鹿がなんか言ったか?幼いとか幼いとか、幼いとか?」


翔汰は昴の向かいにある椅子ではなく、同じ椅子に腰をかけた、もちろん本音は隠さない。


「ちょっと冷やってすることを言われたわ、誤魔化したけどね、フフフ・・・」


昴が翔汰に寄り添う、翔汰はソレを受け入れた。


「私今からちょっと危険な任務があるから・・・翔ちゃんの顔を見ときたくて・・・」


「そうか・・・『闇の影』も大変ですね〜」


『闇の影』、敵軍の偵察や、暗殺、影武者などを生業にしている、『地獄の使者』の一番危険な内部組織だ。


その組織員も全員特殊な訓練をたたき込まれたエリートばかりだった。


しかし昴は素質が高かったのと『才気』がこの部署にピッタリだったため、この訓練を受けていない。


訓練の内容はサバイバル演習、10日間時給自足で敵を殲滅するものだ。


実のところ、翔汰と昴の関係はこれ以前より続いていたため、翔汰が一閃に直に申し入れたのだ。


翔汰が肩に手を置くと、昴はその方向に倒れ込み、翔汰を押し倒した、


「だから・・・今日はアナタと一緒に・・・」


二人は唇を重ね・・・・・・唐突に翔汰は昴を突き放した。


「ハァハァ・・・危ないところだった、俺ともあろう者が・・・」


昴は起きあがり翔汰を見た、


「・・・翔ちゃん、アナタまだ・・・良いじゃない!もう終わったのよ!気にしちゃダメ!!」


「そういう訳にもいかないんだよ・・・俺は、約束したからな、約束は絶対だ」


昴は目に涙を溜めて、翔汰を睨んだ。


「翔ちゃん・・・・・私はそういうところが大好きよ!でもね、でも・・・・・!今日くらいいいじゃない・・・・・今回はとても危険なのだから一度くらい・・・・・!」


「ゴメン昴・・・・・俺は、破りたくないんだ・・・・・例えお前の頼みでもね」


「翔ちゃんのバカ!!」



スパァァアアア・・・・・ン!!



よく響いた音は、昴が翔汰をビンタしてでたものだ。


その後昴は涙を流しながら、部屋を出ていった。


翔汰はビンタされた頬をさすりながら、


「俺だって・・・俺だって思いっきり抱きしめたいよ・・でも、でも!!」


あの日一閃と交わした約束、言った言葉、



翔汰がもし、俺が認めるまで昴のことを思い続けろ、


思い続けるだけだ、それ以上は認めない・・・約束だ、いや、代償だ、


だがもし思い続けることが出来たのならば、その時は好きにするがいい



「思い続けるだけなんだ・・・それ以上は・・・ダメ、なんだ」


翔汰は床を力いっぱい叩いた、地が揺れる。


「・・・でも、早くあいつを抱きしめたい、力いっぱい・・・痛がるくらいに・・・」


翔汰は立ち上がり、その部屋を後にした。

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