第六章:動き出す正義
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「えっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で私がここに?」
「そうね、まず自分から来た人が言う台詞ではないわね」
凍り付く会議室。
ここ、『悪魔の正義』の中では今、重要な会議が開かれている。
最近になって名をあげた組織が加わり、あろう事か伝説で存在するかも分からない『八皇』を潰すときた。
提督大神を初め各内部組織のボスが集まり会議をするはめになったのはその為だ。
そしてこの組織を加えた『悪魔の槍』の大井 雲明はこの有様である。
「任意って書いて珍しくきたと思えば来た理由を・・・雲明、あなたは今何を考えているの?」
「今、でございますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・この会議では飲み物は出ないのかと・・・・」
雲明のあまりにも場違いな反応に一人の女が机を強く叩きながら勢いよく立ち上がる。
「大井!!テメェ!ここを何処だと思っていやがる!!」
『正義の槍』のボス、舞鶴 千依。
「えっと・・・・・・そうそう、千依さん・・・・ここは大会議室です」
雲明は千依を確認して、そう告げる。
その物言いに対して千依が机を飛び越えて雲明に掴みかかる。
「ふざけてんじゃねぇぞ!この女!!」
雲明を捕まえていないもう一方の千依の手に炎が収束する、色はオレンジ。
それをぶっ放そうとしていた千依に大井が告げる。
「やるんですか?いいですよ、あなたに勝ち目はありませんが」
大井の手を水が包み込み、その水が大爪の形に変わっていく。
「ヤメロ!!!!」
一喝、首座に座っていた愛が二人を見据える。
二人の動きは止まり、同時に愛の方に目をやる。
「やるなとは言わない、だが場所を考えろ、今はそれどころじゃないんだ、理解したか?理解したなら席に戻れ千依」
勢いよく雲明を突き飛ばして、千依は体ごと愛のほうに向ける。
「でもよ・・・・・・・!」
「二度も同じ事を言わせるな・・・・・・・・・・席に着けと言っている、聞こえないのか千依、最後だ、座れ!」
自分の体にヒシヒシと伝わるプレッシャー、千依はそれを歯を食いしばって耐え、席に戻る。
それを確認した愛は今度は雲明に視線を向ける。
「まぁさっきまでのことはいいわ、あなた、どういうつもり?」
「はぁ・・・・・どういうつもりかと言われましても、私にはさっぱり・・・・・」
ざわめく会議室、その中でたった二人だけ静かに、瞬きもせずに、一瞬たりとも視線を外さずにいる二人がいた。
その一方が溜息をつき、気を緩める。
「そうかい、なるほど分かった、それなら好きなようにやりな、雲明」
「ありがとう・・・・・・・・・・・・・えっと・・・・・ございます・・・・・・・・・・・」
雲明はひとつ愛に礼を送り、その会議室から出ていった。
またしてもざわめく室内、愛はメンドくさそうに頭をかいて、
「煩い!黙れ!黙るんだ、みんな!・・・いいか、私は『悪魔の槍』には独自的決定権を保有させている、それと同時に伴うものもある」
静まりかえる室内、誰一人として愛の話を聞いていない者はいない。
「それは、責任だ、いいか私は一つに思わなきゃダメだけど他の組織は『悪魔の槍』に対しては違う組織として考えて欲しい、いいな!」
愛はこの部屋にいる全ての人の顔を見渡す。
誰の目にも反対の意志は映ってはいなかった。
「よし!これにて緊急会議を終了する!」
「まったく、何が私に任せてください、全ての責任は私が負います・・・よ!」
愛は部屋の中にある執務机に乗りかかり、足を組み、そのまま天井を見上げる。
「ま、一人くらい監視を送っておくか・・・いざとなったら手を貸せばいいしね」
一人には静かすぎ、大きすぎる部屋の奥におかれている執務机の上で大きな声で愛は叫んでいた。
そして何もない虚空を見据えて、
「今日は誰が来たのかしら?」
シンと静まる部屋、どこからともなく声が聞こえる。
「どうして分かったんですか?気配を完全に絶っていたハズですが・・・」
部屋のど真ん中に一人の若い男が現れる。
「残念ねこの部屋で私から気配を隠すなんて無理よ、そうね、例えば黒の紙に落ちた白い丸を隠せるかしら」
「そうだな・・・それが紙ならば隠せますよ、俺なら包みます」
男は手で何かを丸める様な仕草をする。
「そんなことはいいんです、少し僕とお話しませんか?ちょっと外で散歩でもしながら」
「あら、デートのお誘いかしら、でも名も知らない人とは行けないわね」
「おっと、失礼しました愛提督、俺は大泰寺 皇子、『悪魔の槍』の新参の組織ですよ」
皇子は愛に握手を求める。
「あなたがそのボスなのかしら?」
「そうですよ、まだデートには足りませんか?なら『才気』も教えましょう」
「いや、結構よ、別に大した事じゃ無いしね、そんなこと・・・私が欲しいのは結果、それ以外は余計よ」
「そうですか、よかった」
皇子は安心したように胸を撫でおろす。
愛は差し出された手を丁寧にはね除けた。
皇子は驚き半歩後ずさり、愛を凝視する。
「何・・・するんですか?」
「いえいえ、仮にも目上の人に対してそれは無礼じゃないかな?」
「なんのことですか?」
愛はジリジリと皇子との間を詰める。
「わからないの?それとも気付いてるハズがないと思ってるのかしら?」
最後の10メートルくらいは一気に詰める。
皇子は反応出来ずに自分より少し低い愛を見下げる格好になる。
「さっきから漂ってるのよ、その内側からゾクゾクするような気配と存在感がね、ホントのボスはそっちでしょ?違う?」
「はぁ・・・」
皇子はなるべくさとられないように心を閉ざす。
が、愛には無理だったようだ。
「心を閉ざそうとしても無駄よ、あなたはもう私の中にいる」
心の奥から無理矢理中のものを引きずり出されていくような感覚。
皇子は愛を突き飛ばす。
「分かったよ、悪かった、今から出すよ、ボスを・・・」
皇子は一つ大きく息を吸い込み・・・・・そしてそれをゆっくりと吐く。
途端、辺りに氷のように冷たい殺気が充満、埋め尽くされる。
その中で皇子だったものと愛は悠然と立っている。
「アナタがボスね、初めまして・・・・でいいかしら?」
「フン、この中でそれだけ平気なヤツはそうはいない、さすがはMAXの一人だけのことはあるな」
それだけ言って、目の前の男はゆっくりと手を差し出す。
「初めまして、大神 愛提督、私が『天罰』のボス、大泰寺 皇だ、呼称は好きにしてくれ、気にしないたちなのでな」
「そう、じゃあ皇ちゃんでいいかな?」
「どうとでも、じゃあ行こうか、出来れば良い店でも紹介してくれ、なにぶん初めてのことばかりだからな」
愛に対して良くも悪くもない態度、これが素であり、誰に対してもこうなのだろう。
「そうね、じゃあ私の行きつけに行くけど、その前に皇ちゃんのラインを知りたいわ」
「俺か?俺はレッドラインのMAX、愛提督と同じだよ、ただ普段は奥にいて誰の目にもとまらなかっただけだ」
「私も愛ちゃんでいいわよ」
「・・・・・愛にする、早くしろ」
「はいはい、じゃあみんなで行きましょうか」
愛はそう言って皇の手をとり走る。
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