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   :二人のメイ

作り置きしているので、連続投稿出来るようになったw

追い付く前に先に進めないと!!




また来てくださった方ありがとうございます!

はじめての方はこれからもよろしく!

みんな、楽しんでくれれば幸いです^^

『悪魔の正義』の本部がある一体の街に、最も屈強な猛者が集まる酒場『インデペンデンス』がある。


今日もここは馬鹿騒ぎ、乱闘などが多発していた、だが、誰もそれを止めようとはしない。


ここは『悪魔の正義』が唯一認めた騒ぎ場でもあるに加えて、ここの収入のおかげで領民には税がないくらいだ、領民にも不満は無い。


そこにある一人の青年が入ってきた。


猛者達の目が一気にその青年に向けられる、が、すぐに皆元の騒ぎ用に戻る。


それはこの青年が自分たちにとってあまりにもとるに足らない存在だと認識した・・・・というわけではない。


むしろ反対、この青年がこの歳にしてあまりにも並々ならぬ存在感を突きつけたからである。


「良い所だ、相手の力を見極めている故の放っておくか、やはり来て良かった、そう思わないか、瞑?」


青年は自分の後ろにいるであろう女性に振り向かずに声をかける。


「はい、そう思います」


いつものように冷静な声、だが感情が籠もっていないのとは違う、肯定の意だけが込められた言葉。


青年にはそれが当たり前のようになっているので、気にしない。


「っで?俺を呼んでいるのは誰だっけか?」


「『悪魔の正義』『悪魔の槍』のボス、大井 雲明様でございます、この酒場の三階のゲストルームにいるはずです」


たんたんと説明した後、瞑はどこかに行くように酒場の奥に向かった。


不思議に思った青年は、


「瞑、どうしたんだ?階段はあっちだぞ?」


「いえ、このようにデカい酒場であればひとつやふたつの通信機器があると思いまして、なので妹に久しぶりに電話しようとかなと・・」


いけませんか、そう普段から感情を出さないように努力しているヤツが目で語りかけてくる、よほど大切な妹なのだろう。


「止める分けないだろ!行って来いよ、妹によろしくな!」


青年が許可をだすと瞑は嬉しそうにとっとと酒場の喧騒に紛れていった。


一息つき、青年は階段に向かう。


「確か三階だったよな・・・」


さっき瞑に言われたことを復唱、そして一気に三階まで駆け上がる。


三階に入り一番はじめに見える廊下に、一人、下のやつらとは違う覇気のある男が立っていた。


男が聞く、


「あなたが大泰寺 皇、様で間違いないな?」


青年はニヤリと笑い、それについて驚愕の返答をする。


「あぁ、といっても半分の正解だがな」


「!!・・・・半分、とはどういう意味だ?」


男は驚愕というより殺意に近いものをその青年に向ける。


青年は怯むことなく、


「今の俺は大泰寺 皇子だ、そして・・・・・・・・・・・・・・」


王子の取り巻く覇気が今までも強力だったものが、明らかに変わり、その男を覇気だけで圧倒した。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・こっちが大泰寺 皇だ」


皇は普通に歩いて、目の前の男に近づく。


男はガクガクと肩を震わせて、ガチガチと歯を鳴らす。


その男の肩に手をつき、耳元で囁くように言う。


「楽になってろ、殺すわけじゃない」


プツンと歯が鳴り止まり、男はそのまま地べたに倒れ込む。


っと、一つの部屋から比較的小さな体格の女性が出てくる。


「あら、あなたが大泰寺 皇ね、私は大井 雲明です、さぁお入りください」


そう言って先に部屋に入って行く雲明。


ボソッと小さな声で皇は感想を漏らす。


「雲明って女だったのか・・・・・・・・・・」







気が付けばもう朝日が差していた、寝ずの番など久しぶりで少々意識が飛んでいたようだが、人は来ていないみたいだ。


大きく背伸びをする、全身が伸び解放感を味わう。


「後どのくらい待てば良いんだろ・・・一閃様はすぐに戻ると仰ったのに・・・」


冥は軽く愚痴る。


組織において不可視の内部組織『忠誠』のメンバーでもあり、『近衛』の三番手である冥は今、一閃の部屋の警護をしている。


実のところ表しか見ていないが、一閃はそれで良いと言った。


その理由もすぐに分かったのだが・・・、


「冥、こっちには誰もきてねぇよな」


「はい、来てませんね瞬夜さん」


『忠誠』のメンバーでもあり、『秩序』の二番手である瞬夜も何故か一閃の不在を知っており、監視を手伝ってくれている。


しかし、冥はこの瞬夜の事をよくは知らない。


「瞬夜さん、聞いてもいい?」


「ん?なんだ?後別に呼び捨ててもいいぜ、そんな細かいことは気にしないから」


そうですか、そう言って改めて瞬夜を直視する、言葉遣いは男ものだが、女であることは隠しきれていない。


まず自慢するように出ているム・・・・・。


「っで、なんなんだ?」


「えっと、瞬夜の『才気』ってなんなの?私大抵の上役の『才気』は知ってるんだけど、今思えば瞬夜だけ知らないの」


瞬夜はそれを聞いてしばらく固まる。


そして思いもよらぬ返答が、


「秘密なのだ!そんなの教えられる分けないのだ!それじゃあ~、どっか行っちゃうのだ!」


可笑しな台詞と共に瞬夜は最上階、といっても10階程度なのだが、の窓から飛び出て行った。


「そんなに・・・教えたくないのかな・・・」


冥は最後の瞬夜の可笑しなものいいを少し思い出して笑い、また静かに辺りに注意を巡らせる。


と、ポケットから小刻みな振動が伝わってくる。


《もしもし、こちら冥ですが・・・》


出る、向こうから山びこのように返ってくる。


《もしもし、こちらもメイですが・・・・》


軽い冗談を含んだ声、楽しそうな声だ。


聞いたことある懐かしい彼女の声。


《なんだ瞑姉ちゃんか、どうしたの?》


《あはは!たまたま通信機器がある酒場に来たから、久しぶりに我が妹に電話でもしようかなと思ってね、どうだ、嬉しいだろ!》


《まぁね、でも今、寝ずの番で忙しいんだけど・・・》


妹の普通の反応にどう思ったのか姉は、


《悲しいこといわないでよ冥ちゃん、姉ちゃんも結構忙しい中電話してるんだよ》


《ゴメンゴメン、忙しいって例の仕事?》


《そうよ、しかも今は結構重要な取引の最中なんだけど・・・・彼に限って間違いなんか起こらないわ!》


彼、というと、瞑の所属している組織のボスであり、彼氏でもあったはずだ。


《えっと・・・皇さんだっけ?》


《そうよ、でねでね聞いてよ!この前とうとう彼が『蟻の巣』から異名を授かったのよ!》


普段から冥意外には感情をあまり出さない瞑がここまで感情を出すということはそうとうの異名なのだと思った冥は、


《へぇー!どんな異名なの?》


《フフフ!聞いて驚かないでよ!その名も『オーディン』って言うの!これは良いと思ったわ!》


《良かったねお姉ちゃん》


素直な感想を述べると、姉は何を思ったのか突拍子も無いことを聞いてくる。


《ところで冥ちゃん、好きな人とか出来た?》


《!!・・・・・・・・どうしてそんなこと聞くの?》


内心かなり焦りながら冥は姉に聞く。


《ほら、冥ちゃんって今一人でしょ、悪い虫とかついてないか心配なのよ、お姉ちゃんとして・・・・ね》


《う・・・・そ、そうだね、ていうか最近出来たよ好きな人》


《本当!?どこの人なの?そこら辺の人だったらお姉ちゃん許さないんだから!》


《エヘヘ、同じ組織の中の違う内部組織なんだけど、副隊長を務めている人なの、一目惚れしちゃった》


正直に言うと、なにが悪かったのか、姉として怒っているようだった。


《副隊長ですって!?なんで隊長じゃないのよ!?》


性格的になのかな。


《しかも一目惚れって!!》


それは仕方がないと思う。


《同じ組織なの!!なんで!?》


いや、聞かないで欲しい。


《お姉ちゃん、私の入っている組織ね、強さで区別されてないの、どれだけ有能かで決まってるから、彼は強いのよ!》


最後だけ声を大きくして、自慢するように言う。


それでも姉として何か心配なようだ。


《でもね冥ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・って、何聞いてるんですか!向こう行っててください!》


突然電話の向こうで姉が何者かに襲われているようだった。


《瞑姉ちゃん!どうしたの!何があったの!》


慌てて問いただすが返事は男声で返ってきた。


《あ~、あ~、あなたが瞑の妹さんですか?私は大泰寺 皇子です、ですが用が済んだので切らせていただきます、それではまた》


ツー・・・ツー・・・と電話の切れた音が虚しく鳴っている。


「・・・・・・・・・・・ま、元気そうだからいっか」


一閃の帰ってくる気配がない、まだまだ寝ずの番が続きそうだ。







酒場『インデペンデンス』から二人の影がでてくる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「えっと・・・・怒ってるのか?」


返事は無い。


「ゴメンって言ってるじゃないか!」


返事無し。


「何でもするからさーーーー・・・」


ノーコメント。


「俺もあんなことしようとおもってたわけじゃないんだよ・・・」


ピクッと瞑の耳が動き、短く端的に聞く。


「・・・・・・・・・・・・理由」


振り向いた顔は微かに涙が流れていた、妹との電話をあんな形で終わらせてしまったことが、相当なショックだったようだ。


これで任務放棄していないだけ、相当な我慢が伺えるわけだが。


冗談を言って和ませようと考えていた皇子だが、それをすると自分の命が危ないと思い、止める。


「その・・・なんだ・・・・お前が悪いんだよ」


「どういう意味ですか!!」


「あ、ゴメン!そういう意味じゃないんだ!・・・・・・・そのな、お前俺にあんな話し方したことあるか?」


無言、今にも襲いかかろうとしていた雰囲気が消える。


「だからちょっと妬いてたんだ、分かってくれたか?」


瞑はプイっとそっぽむき、歩き始める。


皇子は小さくなりながらその後ろに付いていく。


と、


「皇子、何をやってるの?あなたは私の前を歩かなくちゃダメでしょ、私達のボスで・・・・私の・・・・なんだから」


ある程度の感情は落とされてはいるが、そこには確かに嬉しさが混ざっている感じがした。


「あぁ、そうだな、その通りだ」


皇子は瞑の前にでる。


「行くぞ!瞑!」


「はい、皇子」


二人から伸びた影の手はしっかりと重ねられていた。


瞑の反対側の手が耳に持っていかれる。


そして短く告げる。


《完了、『悪魔の正義』は私達を黙認、これより『八皇』を殲滅する》


《了解、こちら『紡ぎの糸』は関係がなければなんなりと、だとよ、たくっ、腐ってやがるぜ!》


これは影で蠢く戦争の始まり。

どんどんがんばるぞおw



感想などもお願いしたいです・・・・・=x=;

でゎでゎw次回であいましょう!!

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