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   :観察者

「ふん・・!あんな女とイチャイチャしやがって!そこは突き放さなきゃダメだよ・・・一閃・・・」


遠く離れてその宿屋が点に見えるくらいの位置の丘に一人の女がイライラした雰囲気を出しながら立っていた。


女が手に持ってるのは望遠鏡、それも星を見るような馬鹿デカいものだった。


「ストーカーだな、そんなことをしてなんになる、彼奴はもう俺達にとって無害だ、反抗しても今のヤツでは俺達を止めることは出来ない」


「うるさいな、僕の勝手だろ!・・・君から来るなんて珍しいな『道敷大神』、何か重要な用か?」


「『絶対先攻』、『セクメト』が呼んでる、すぐに来い」


『八皇』の中で唯一こいつだけはメンバーを敬称で呼ぶ。


「どうでもいいけど、『絶対先攻』って辞めてくれない?僕には鋭美ってすばらしい名前があるんだ」


「本当にどうでも良いな・・・」


そう言って『道敷大神』は踵を返して、『八皇』本部がある方向に寸分違わずに向く、そう多分一ミリも違わずに。


鋭美は納得いかなかったものの、『道敷大神』が絶対に嘘をつかないと知っているから、仕方なく望遠鏡を片づけ始める。


「本部?それとも違う場所?」


「本部だ」


すぐに返答、それ以上は必要ないし意味もないのだが・・・、


「もうすこし続けてくれても良いんじゃない、何か他に用は無いの?」


「無い、早くしろ」


鋭美はわざと片づける音を出しながら、大きい望遠鏡を片づけ続ける。


その間『道敷大神』はピクリとも動かずに、その場で直立不動の姿勢をとっている。


「手伝ったりしないわけ?」


「手伝って欲しいのなら、そのことをはっきりと言うべきだ」


それでも手伝おうとしない『道敷大神』をほっておいて片づけを終わらせる鋭美。


それを確認した『道敷大神』は鋭美にかまわずにとっとと歩き始める。


「おーーい、待ってくれても良いんじゃないかなぁ~、って言っても無駄か」


鋭美は溜息を一つ漏らしてから『道敷大神』の後を追う。


「助言だ、その甘い思いは捨てておけ、戦場ではそれが死を招くぞ」


「おや?嬉しいな、君が僕の心配をしてくれるのかい?」


「助言だ、『絶対先攻』が死ぬと『セクメト』の作戦に支障が出るおそれがある、それをなくす為だ」


『道敷大神』は何の感情も無い声でそう言って、少し歩調を早くしていく。


鋭美は何かオモシロいものを見たかのように目を輝かせる。


「照れてるの?もしかして照れてるの?」


ニヤニヤと『道敷大神』に詰め寄る。


「そんなわけないだろ、俺にそんな感情は存在しない」


無表情で鋭美を離そうとするが、上手く腕を絡められているため解ける気配がない。


なおもニヤニヤと顔を寄せる鋭美。


「ほんとに~~~?ねぇねぇ、照れてるんでしょ~、照れ屋さんだね君は」


『道敷大神』はもう何言っても無駄と判断したのか、何も返事をせずに歩き続ける。


「返事なしって事は図星なのかなぁ~?」


「そんなわけないだろ、メンドくさくなっただけだ」


鋭美は顔のゆるみを戻して、まじめな顔になる。


「つまらないね、まるで機械みたいだ、そんな君に少しでも人間味を求めた僕が馬鹿だったのかな?」


「・・・・・・・・・・・・・あぁ、そうだ、俺に人間を元にする感情はいらない」


二人は今度は何も言葉を交わすことなく歩き続ける。


そして荒野のど真ん中にある・・・・不自然にドアだけ立っている場所にまで来た。


「『グングニル』『絶対先攻』大野 鋭美、帰還した」


「『道敷大神』帰還」


そう言うと、そのドアは開き初め、二人分の広さに開いた。


中には真っ白と形容出来る女が長机の一番奥に座っていた。


「おかえりなさい、鋭美、それからご苦労様、『道敷大神』、さぁ座ってちょうだい、会議を始めますから」


開け放たれていたドアは大きな音と共に閉まり、ドアは溶けるように消えた。

更新が結構不定期なものですいません;


これから出来うる限りの努力をしますので大目にみてやってください;




さて・・・ちょっとしたいい雰囲気を作ってみましたw

多分これが最後のほうで関係するかも・・・・・。

まぁ期待してください^^

でゎまた次回でお会いしましょう!!



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