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第三章:麗香とデート

旧立帝國高校の校門の前に一人の女がオシャレな格好をして待っていた。よくみると額に青筋が微かに浮かんでいるのだが誰も気付いていない。


そこに一人の男が走ってきた、このあたりで知らない人はいない、『地獄の使者』のボス、一閃だ。


「おまたせレイ、待ったか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・待ったか、って言いました?」


麗香は今にもつかみかかりそうな勢いで一閃を睨み付ける。


一閃は怯む、なぜならば自分が約束の時間を二時間以上過ぎた時間にきたからだ。


「ヤクザ30前後5グループ・・・・・スカウト三回・・・・・通り魔6回」


麗香は淡々と何かの数字を出しながら、言いたくもないというような顔をしている。


「さて問題です、これはなんの数字でしょうか?」


「えっと・・・・・待ってる間に来たひとの数でしょうか?」


麗香は怖いほどの笑顔を一閃に向け、軽く敬語を使ってしまう。


「おしい、正解はね・・・・・!」


麗香は一閃の頬を思いっきりビンタする、我慢の限界がきていたようだ。


倒れた一閃に馬乗りになり、なおもビンタを続ける。


「私が待ってる間に冷やかしてきた人の数でした!!笑いながら、今日も一閃様は遅刻ですか、ってね!!」


「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!悪かった、最善を尽くしたんだよ!!」


麗香はビンタを止め大きく溜息をついた後、一閃の上から離れた。そして一閃に手を差し出す。


「ホラ!・・・・・何があったか説明してよね」


「ちょっと瞬夜に忠告しに行ってただけだ、別に何かあったわけじゃない」


瞬夜の名を聞いた瞬間わずかに顔をゆがませた麗香だったが、隠していたつもりだったが一閃にはばれてしまう。


「ありがとうレイ、でも別に瞬夜と何かあったとかじゃない・・・・・だから安心しろ」


「別にそんなこと気にしてないわよ・・・・・そんなことよりも映画を早くみたいの!」


照れ隠しに大声で言って麗香はこの辺り一番の商店街に続く道を走る、一閃はその後を遅れないようについていく。


商店街と言ってもここはほとんどなんでもあるような場所だ、ちなみに『改水』の本部がおいてある場所でもある。


その中で一番大きな映画館に向かう。


「ところでどんな映画が見たいんだ?」


「ラブ・・・・・ラブよ!今の私はラブを求めているの!」


大きな声で言うが別に誰一人として振り向いたりしない。


それもそのはず、麗香は大抵の場合、映画を見るためだけにこの場所を使い、このような無駄な大声をだすからである。


一番大きな映画館に到着する、受付には見慣れた女が座っていた。


「一閃様、ようこそ・・・・・デートですな」


「うるさい、京!券を早く出せ、金は払って置いたハズだ!」


京はニヤニヤしながら二人を見比べた後、二枚チケットを一閃に渡した。


一閃はそれを受け取ると麗香に先に行くように言う。


どういう訳か分からなかった麗香だが、言われたとおりに先にいく。


一閃はそれを見送ってから、何か言いたそうにこちらを見ている京に向き直る。


「なんだ?」


「いえ、ひとつお願いがありまして・・・・・我が『改水』の構成員が少し足りません、補充をお願いします」


「・・・・・・・・・何人分だ?」


「その件は後でお話ししましょう、今晩、いつもの場所でお願いします、日のあるうちは楽しんでくださいね」


一閃はまだまだ続きそうなハードなそして増えたスケジュールに頭を抱えながら麗香の待つ場所に向かった。


その姿を京は楽しそうに手を振りながら見送る。




映画は最高のモノでとてもよかった・・・・・らしい。


横では麗香が感動したように涙を流している。


「大丈夫か?」


麗香は声も出せないのか頷くだけだった。


一閃はとりあえず近くにあった店に入って、軽い食べ物を注文した。


「よかったなあんな映画が見れて、俺にはさっぱり分からんが」


「一閃があれっくらいなら私嬉しいな・・・・・」


一閃は今の自分と映画の主人公を重ねて一つの結果にたどり着く。


「ゴメン、無理!俺にあんなの似合わない!」


一閃は頭痛をこらえながら、頼んでいた紅茶を啜った。


「さて、どっかいこっか?」


「そうだね、ショッピングにでもいく?せっかくここまできてるんだし」


「いいぞ、じゃ、さっさと食べて行こうか」


一閃は残った紅茶を飲みきり、麗香は置いてあったケーキの残りを一口(マルノミ)で食べきった。




それから二人は商店街を歩いていた。


これといって何かをするわけではなく、ただ店に入っては冷やかしたりなどして楽しんで時間を潰した。


時刻は夕焼け、そろそろ京との約束がある一閃は、麗香に提案して麗香を送り届ける事にした。


二人は手をつないでゆっくりと歩いていて、麗香の顔はほんのりと紅に染まっていた。


「また・・・・・デートしようね、センちゃん」


「いつでも言ってこいよ、いつでもしてやるからな」


麗香の家の前に着いて、一閃は麗香に軽くキスをして頭を撫でた。


麗香は嬉しそうにうなってから、家の中に入っていった。


麗香とのデートを終了して、ホッとする暇もなくすぐさま商店街へと逆送する一閃、目指す所は京の待つ『改水』の本部だ。

そろそろテストが始めるので更新出来なくなるかもしれません;


終わりしだい行いますから気長に待っていてねw




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