ブレスト家緊急家族会議
『陛下と小さな風巫女』のその後な話です。
エリアテールの家族がメインですが、名前が出過ぎてるので登場人物紹介を。
【父:レオルド】【母:リティア】
【長女:フェリアテール】【長女の婚約者:ライナス】
【次女:イリアテール】【三女:シェリアテール】
以上のブレスト家面々でお送りします……。(^^;)
「はぁ~! やっと今日エリアが帰ってくるのね! 早く顔が見たいわ~」
「大丈夫かしら……。あの子、かなりポヤっとしてるから、王妃様にご迷惑お掛けしていないか心配だわ……」
「お母様ったら! イシリアーナ様は、エリアが来る事を心待ちにしてくださっていたのよ? 多少、ポヤっとしていても、そこは愛嬌で全てを許して下さるわ!」
「フェリア、あなた本当にコーリングスターで、伸び伸び過ごしていたのね……」
「ええ!」
サンライズ国の風巫女の一族の一つ、ブレスト家には自慢の四姉妹の娘がいる。
一番上がフェリアテール。
二か月前まで、大国である精霊の国コーリングスターで、専属の風巫女を務めていた。彼女は来月、15の若さで8つ年上のサンライズ内の伯爵家の三男ライナスと挙式予定だ。
二番目が、現在13歳のイリアテール。
彼女は、サンライズ南西の伯爵家にて派遣風巫女として実家と行き来している状態だが、今日は10日ぶりに末っ子のエリアテールに会う為、わざわざ派遣日をずらして、実家に滞在している。
三番目が、先月12歳になったばかりのシェリアテール。
彼女は農業の国ウッドフォレストの東部を治めている伯爵家の長男に早々に見初められ、派遣巫女兼婚約者として、通常は半月程そこに滞在している。しかし、今日は初の風巫女としての大役を務めた末っ子のエリアテールを出向かえたいが為、離れる事を悲しみ泣きついてきた婚約者を振り切って、帰省してきた。
そんな三人は、母親譲りの目鼻立ちがハッキリとした美人姉妹だ。
そしてブレスト家全員が溺愛してやまない存在が、年の離れた末娘の四女エリアテールだ。母譲りの美貌の姉達と違い、何故か一人だけ祖母譲りのエリアテールは、可も不可もない平凡で素朴な顔立ちだが……四姉妹の中では一番素直で人懐っこい性格の為、家族だけでなく使用人からも一番愛されている存在だ。
風巫女としてはデビューしたばかりだが……国内では一番その力が強い。
そんなエリアテールは、長女フェリアテールの後任として、大国コーリングスターの専属風巫女という大役を引き継ぐ事になり、今から10日前にコーリングスターへと旅立って行った。
そして本日、そのエリアテールが初の任務を終え、家に帰ってくるのだ。
現在は家長である父レオルドと、来月入り婿となる長女フェリアテールの婚約者ライナスが、コーリングスターにエリアテールを迎えに行っている。
そして本来ならば、そろそろこちらに到着してもいい頃なのだが……。
「三人とも、ずいぶんと遅いわねぇ……。何かあったのかしら?」
「もしかしたらイシリアーナ様が、エリアを引き留めていらっしゃるのかも!」
「そういえば……フェリアの時もそんな事があって、何回か滞在期間を延長した事があったわねぇ……」
「いいなぁ……。フェリア姉様もエリアも大国の王妃様に気に入られて……」
「あら? シェリアだってウッドフォレストの伯爵家で大歓迎されてるじゃない」
「でも……今日、帰省する事を説得するの大変だったのよ? リキウス様、しがみついてちっとも離れてくださらなかったんだから!」
「あら可愛いじゃない。そういえば……リキウス様って、今おいくつなの?」
「私の三つ上だから……今年で15歳になられるわね」
「「年上なのっ!?」」
さらりと言うまだ12歳の三女に、母と長女が驚きの声を上げる。
完全に女系であるサンライズの巫女の一族は、どの家庭も会話が華やかだ。
特に雨巫女の一族は、淑やかな女性が多いので穏やかな家庭環境が多い。
反対に風巫女の一族は、自由きままな女性が多く、全体的にマイペースだ。
その中でも田舎の辺境伯でもあるブレスト家の面々は、その特徴が色濃い。
一般的な貴族特有の傲慢さや、したたかさが特に無く、その飾らない性格と感じた事を素直に口に出してしまう裏表のない真っ直ぐさが、水面下の取引等が当たり前の貴族社会で人間関係に疲弊している面々にとっては、どうやら気心が許せる憩いの相手となるようで……。
身分の高い貴族ほど、ブレスト家の人柄に惹かれる人間が多い。
ましてや三姉妹に関しては、その特徴だけでなく器量までもが良い。
まだ幼い末娘以外は、すでに嫁ぎ先が決まっている上に例え婚約解消という話が出たとしても、引く手あまたな状態だ。
そんなマイペースなブレスト家の面々は、万全の態勢で末娘の帰りを待っていた。すると、窓の外から次女イリアテールの声が聞こえてきた。
「みんな~、エリアが帰って来たわよ~!」
三女のシェリアテールが、窓を覗くと次女のイリアテールに手を引かれた6歳のエリアテールが、小さな手を精一杯こちらに振っている。
それを合図に娘二人が、きゃあきゃあ言いながら一階のロビーへと駆け出した。
「二人ともはしたない! もう少し落ち着きなさい!」
そう窘めるブレスト夫人も足早にロビーへと向かった。
「エリア~! おかえり! コーリングスターはどうだった?」
「あのね、すっごく広くてすっごくキレイだったの! あとね、国王陛下も王妃様も凄く素敵な方で……お城の皆も優しい人ばかりだったの!」
二人に抱き付かれながら、頬を紅潮させて一生懸命話すエリアテールに長女と三女はメロメロだ。その様子に呆れながら、エリアテールを連れ帰った夫と未来の婿にも労いの言葉を掛けるブレスト夫人。
「お二人もご苦労様でござい……って、あら、あなた…そんな青い顔をなさって、何かあったのですか?」
妻のその声掛けに青い顔をしたまま、力なく笑う夫と未来の婿……。
「リティア……少し大事な話があるので、フェリアと一緒に私の書斎まで来てくれないか?」
「え、ええ。わかりました……。フェリア! ちょっと!」
「ええ~!? 今、エリアを堪能しているのにぃ……」
「お父様が大事な話があるそうよ。書斎までわたくしと一緒にいらっしゃい」
「わかりました……」
「あと二人はエリアの事、お願いね?」
「「はーい!」」
次女と三女に帰宅したばかりの四女を任せ、家長とその妻と来月夫婦となる二人は、書斎へと向かった。
「ライナス様? 何やらお顔の色があまりよろしくないようですが……」
「うん……。ちょっと……」
いつもは冷静で穏やかな優しい笑みを向けてくれる婚約者が、今は青い顔をして必至で笑みを作っている様子に、フェリアテールが怪訝そうな顔をする。
そして全員が書斎に入ると、父レオルドが皆に座る様に促した。
そしてかなり神妙な顔をして、口を開く……。
「二人とも、落ち着いて聞いてくれ……。実はエリアが大変な事になった……」
その言葉に妻と娘の顔色が一気に青くなる。
「大変って……まさか! コーリングスターで何か問題でも起こしたのですか!?」
「いや、エリアが何か粗相をしたという訳ではないんだ……」
「じゃあ、一体何があったの!? お父様! 勿体ぶらずに早く教えて!」
しかし、レオルドは眉間のシワを更に濃くし、青い顔のまま、なかなか口を開けない……。そんな未来の義父の状況を見かねたライナスが、重苦しく口を開く。
「国王陛下より、エリアを……ご子息であらせられる王太子イクレイオス様の婚約者にとの申入れがございました……」
その瞬間、妻と娘が硬直する。
「い、嫌だわ~。まさかエリアが大国の王妃様候補に? 婿殿は本当にご冗談がお上手よね~」
「ラ、ライナス様ったら……。そんな神妙な顔でおっしゃられても、わたくしは騙されませんよ?」
しかし、青い顔をしたまま押し黙っている夫と未来の婿の様子に、二人の顔色もどんどん青くなる……。
「あ、あなた……嘘よね……? だってあのエリアよ? 大国の王妃どころか、貴族の令嬢としても微妙なポヤっとしたあのエリアよ!?」
「い、いくらイシリアーナ様の大のお気に入りだからって……そんな事って……。ね、ねぇ? お母様」
「むしろイシリアーナ様は、エリアの性格をご考慮されてのお気遣いから、この婚約にはあまり前向きではなかったらしい……」
「「だったら何で!」」
思わず噛みつくように抗議する妻と娘。
大国の王太子の婚約者と言えば聞こえはいいが……。
それはすなわち、一生王族として窮屈な暮らしを強いられ、下手をしたら命を狙われるリスクさえある立場になるという事だ。
妻も長女も出来れば末娘には、中堅くらいの伯爵家に嫁いで、平凡ながらも幸せな結婚をと望んでいた。
それが……よりにもよって大陸で一番の大国である王太子の婚約者などに……。
「実は、今回の婚約を言い出したのは、国王陛下ではない……。王太子のイクレイオス様ご本人からなのだ……」
「イクレイオス様がっ!? でも……どう考えても、あのポヤっとしたエリアじゃ、イクレイオス様のお相手は……」
先月までコーリングスターに滞在していたフェリアテールは、小生意気なイクレイオスをからかって楽しんでいたので、その性格は良く知っている。
幼いながらも何でもソツなくこなしてしまうイクレイオスは、かなりの合理主義で無駄な事が嫌いな性格だ。
一方、ポヤポヤしているエリアテールは、何事でも無駄な回り道をよくしてしまうので、イクレイオスの地雷を踏む事が多いはず……。
そんなエリアテールが、何故イクレイオスに気に入られてしまったのか……。
「イクレイオス様のご意見としては、まだ6歳のエリアは最低でも成人するまでの12年間は、コーリングスターの専属風巫女として仕える事が出来る事になる。ならば、その期間中はご自身の婚約者として迎えた方が、エリアの派遣巫女としての費用が節約出来るとのお考えらしい……」
父のその言葉にフェリアテールが、怒りを露わにする。
「何よそれ! それではエリアは、婚期ギリギリまで仮の婚約者としていい様に使われて、成人したらさっさと婚約解消される事が前提って事っ!? 大国の王太子の婚約者じゃ、例えそれが仮だとしても、年頃になっても婚活なんか出来やしないから、エリアが行き遅れになっちゃうじゃない! あのこまっしゃくれた王太子様は、一体何を考えていらっしゃるの!?」
「お、落ち着きなさい! フェリア!」
「これが落ち着ける訳ないでしょ! ええ、そうよね! あの小生意気で合理的思考の王太子様なら、そういう事を平気でお考えになるわよね!」
そう言ったフェリアテールは、ジワリと瞳に涙を溜め出す。
王族からの婚約の申入れは、こちらには拒否権はない。
例え将来的にエリアテールが婚約解消をされる事が前提だったとしても……。
その事を思うと、悔しくて仕方がないフェリアテール。
その様子に隣に座っていたライナスが、慰める様にそっと頭を撫でる。
「あなた……エリアにこの事は……」
「帰りの馬車の中で話そうとした……。だが、あまりのショックで頭が真っ白になってしまって……正直、その時の記憶がほぼない……」
「全くあなたは……何をしているのですっ!?」
「し、仕方ないだろ! 父親としては、かなりの衝撃だったのだから! そ、その代わりライナスが……」
その瞬間、リティアとフェリアテールは物凄い勢いで、ライナスに目を向ける。
「えっと……その、いきなりは切り出せなかったので……。まずはエリアがイクレイオス様の事をどう思っているか確認してみたんですが……」
「「エリアは何てっ!?」」
二人同時に鬼気迫る様に言われ、一瞬怯んだライナスだが……そのすぐ後に何とも言えない表情で告げる。
「それが……どうやら今回滞在した10日間、イクレイオス様はずっとエリアの遊び相手をしてくださっていたようで……」
「あのイクレイオス様がっ!?」
その話に驚いたフェリアテールが、目を丸くする。
どうやらライナスの話によると……この10日間、イクレイオスはエリアテールに城内や庭園の案内をしたり、秘密基地の様な部屋に連れて行ってくれたり、開かずの間という不思議な扉を見せてくれたり、図書館で一緒に本を読んでくれたりと、かなりエリアテールの相手をしてくれたらしい……。
今まで社交関係のマナー作法や、一般教養の詰め込み教育で、友人と遊ぶ機会が少なかったエリアテールにとっては、イクレイオスと過ごしたこの10日間は、かなり楽しい期間だったそうだ。
「それでは……まるでイクレイオス様が普通の子供の様ではないですかっ!」
「フェリア、落ち着きなさい! イクレイオス様は世間一般的には、まだれっきとした8歳のお子様だ!」
「だけどお父様! あのこまっしゃくれたイクレイオス様よ!?」
「お前は……コーリングスター滞在中、よく不敬罪に問われなかったな……」
動揺しているとは言え、あまりの娘の言動に呆れる父レオルド……。
そんな勇敢な婚約者に若干苦笑しつつも、ライナスは更に話を続けた。
「その後に今回の婚約の件をエリアに話してみたのですが……」
その言葉に二人が同時にライナスに目を向け、固唾を飲む。
「イクレイオス様がその様にご希望なら、お受けしますと……」
その瞬間、またしてもフェリアテールが叫ぶ。
「ああ! エリア! あの子は初めて出来た遊び相手に舞い上がって、すっかり騙されてしまっているわ! それはイクレイオス様の罠なのに!」
「あの子はこの先、婚約が解消される事が前提だなんて夢にも思っていないでしょうね……」
母リティアも悲しそうにそう嘆く。
しかし、その二人の反応にライナスが何とも拍子抜けな事を言い出す。
「いえ……。そういう訳では無い様です……」
「婿殿! 何を楽観的な事を!」
「そうです! どうみてもエリアがいい様に扱われているではありませんか!」
「私も一応、その可能性がある事をエリアに伝えたのですが、そうしたら……」
そこでライナスは、再び何とも言えない微妙な表情をする。
「婚約を解消された後は、もうイクレイオス様のお友達ではいられないのかと聞かれまして……」
「お、お友達……?」
「どうやらエリアにとっては……イクレイオス様と友人関係が続けられるのであれば、婚約を解消されても問題ない様なのです……」
ライナスのその話に三人が同時に唖然とする。
「いやいや! ライナス。いくら何でも年頃になれば、あの能天気なエリアだってあれだけ容姿の整ったイクレイオス様に好意ぐらいは抱くだろう!」
「待って! お父様! あのポヤンとしたエリアよ!? このまま友情ごっこに突っ走る可能性も否定できないわ!」
「確かに……。あの子はちょっと、普通の女の子が夢見る様な状況に関しては、疎いというか鈍いというか……。そういう所があるのよね……」
「いや~……いくらなんでも、年頃になれば流石のエリアも恋の一つや二つ……」
「「いいえ! あのエリアだからこそ、友情に走る可能性が高いのです!」」
妻と娘から、同時にそう言い切られた父レオルド……。
そっと未来の義理の息子にも目を向けるが……静かに頷かれてしまった。
「私もエリアに関しては、その可能性は十分にあると思いますね……」
「ライナス……お前もか……」
自分以外の全員の意見がほぼ一致しているその悲しい現状に、レオルドがガックリと肩を落とす。
「あなた……それで国王陛下には、何とお返事をしたのですか?」
「私達の一存では決められないので、一度自国に戻り、サンライズ王家に相談させて頂くと保留にさせてもらった……」
「そ、そうね。確かにそれが一番正しい対応よね?」
「それにエリアの事ならば、アレク様が出てくれると思うから、もしかしたら上手く交渉して下さるかもしてないわ!」
「だが……イクレイオス様も、なかなかのやり手なのだろう?」
「それは……そうだけど……。でも黒さはアレク様の方が上だから!」
「フェリア……お前は本当に今までよく不敬罪に問われなかったな……」
そんなブレスト家一族の会話を、来月からその一員に加わる予定のライナスは苦笑しながら聞いていた。
ただ……ライナスにしてみれば、この先コーリングスターの王太子が、エリアテールとの婚約を解消する事はないと思ってる。その根拠としては、恐らく王太子イクレイオスは、自分と同じ領域に足を踏み入れてしまったのだと……。
ブレスト家の面々は、全く気づいていないようだが……。
その飾らぬありのままでいるこの一族は、社交界では多くの貴族達を惹きつけてやまない存在なのだ。そんな自分もこの一族である年の離れたフェリアテールの素直で真っ直ぐな人柄に、あっという間に心を奪われてしまった一人だ。
だから、イクレイオスが早々にエリアテールを自分の婚約者として囲おうとした気持ちが、よく分かる。
「私は……イクレイオス様にエリアをお任せしても良いかと思いますが……」
ライナスのその言葉に未来の義理の母と婚約者が、キッと目を向ける。
「婿殿は何を呑気な! そもそも仮とは言えエリアに王妃候補等務まりません!」
「ああ! かわいそうなエリア……。この先、イクレイオス様に苛められる姿が容易に目に浮かぶわ……」
「その場合……うちの爵位は上がるのか……? 嫌だ! 私は今の自由気ままな辺境伯でいたい!」
「あなたは……ご自分の心配ばかりなさって! 少しはエリアの気持ちも考えてあげてください!」
「やはりアレク様のお力をお借りするしかないわね! 是非、あの腹黒さを炸裂して頂かないと……」
「フェリア! いい加減にしないと、いつか本当に王家に対する不敬罪として問われるぞ!?」
地味で素朴な生活を好むこのブレスト家の面々は、通常ならば娘の大国王妃への婚約に野心を抱いてもいいはずなのだが……。
面白い事に何故か家族全員が皆、その事に後ろ向きだ。
そして、その様子にやはり苦笑してしまうライナス。
そんな大騒ぎしたエリアの婚約騒動だったが……。
最終的にはサンライズ国の王太子アレクシスが、かなり優遇される条件を取り付けてきてくれたので、エリアテールの婚約話は良い方向にまとまった。
中でもブレスト家面々を納得させた条件が、この二つだ。
一つ目は、婚約期間中はエリアテールを本来の婚約者と同様に丁重に扱う事。
二つ目は、エリアテールが望めば巫女保護法を適用し、何のお咎めもなく婚約解消が可能である事。
それ以外にも、アレクシスは自国の優位な条件までも先方の足元を見て、ちゃっかり何個か取り付けてきたらしい……。
そしてその条件を王太子のイクレイオスは、この11年間しっかり守ってくれた。
その証拠にコーリングスターへ向かう日のエリアテールは、今か今かと待ち遠しいくらい楽しみにしており、この11年間、嫌な顔をした事が一度もなかった。
しかし……それでも最後には婚約解消が待ち受けてる事を、心のどこかで懸念していたブレスト家の面々……。
しかし11年後。
イクレイオスの隣で幸せいっぱいの表情を浮かべて挙式する娘の姿を見て、それは要らぬ心配だったと、やっと安心する。
そんな中……入り婿のライナスだけは、この未来を早々に予測していたそうだ。
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