まさかの旅人でした?
すこしずつですがブックマークが増えて嬉しいかぎりです!
目指せランキングいり~~!ってことでがんばります
王城ラギスアークは修繕を繰り返しており、外からの見た目は悪くない。
ただし千年王国としての偉容があり、城自体がアーティファクトだという者すらいる。
ラギスアーク城の地下には色々な施設がある。
地下牢や宝物庫、食糧の備蓄庫に建国の女王の書斎がある。
それぞれに国家の機密があり一般人は地下にすら入れない。
その奥に「開眼の託宣の間」がある。
建国の女王が作ったとされるその施設は、まさに1000年間開かれてはいない。
理由は様々だが使うほどの人材は1000年前に出尽くした為といわれている。
むしろ戦力が必要だった当時だからこそ必要だったわけだ。
「開眼の託宣の間」の前に人影がみえる。
教皇メリディオ3世とその他幹部クラスの聖職者たちである。
「国王との謁見が終わったか、待ち焦がれたぞエレイシア嬢」
やや疲れたような声音のメリディオである。
案内の侍女長は軽く会釈をして去っていく。
「他の3名はどうした?」
「メルナード王女は王と話すことがあるでしょうし、マクガイアは剣を振りに家に帰ったわ。アイギスはうとうとしてたから貴賓室で仮眠をとらせてきましたわ」
「むうなんと自由な・・・いや失礼」
メリディオが言うのはまったくその通りであるが、実質自由なのはマクガイアだけだろう。
「ここに用があるのは私だけなんだから、さっさと済ませて旅の準備をしなくてはなりませんわ!」
「さっさとって・・・いやなんでもない」
自分の事に興味がないのかとおもうメリディオである。
「一応説明だけしておく。ここは「開眼の託宣の間」である。1000年前の戦記ではよく使われていた施設だ。これで当時使われていた「ステータス」という被験者の能力を調べることができる。これはギルドにある簡易版ではなく、施設を使用した他者にも分かる機械だ。つまりここで調べた能力は王にも報告する事になっているので了承願いたい」
「へぇ凄いアーティファクトもあったものですわね」
エレイシアが感心したようにつぶやいていると。
「もう夜分遅いので準備が出来たのなら「開眼の託宣の間」に入ってもらおう」
たしかにもう良い子は寝る時間だと、アイギスの寝顔を堪能してきたエレイシアは思った。
エレイシアやメリディオ、その他神官が一緒にぞろぞろと「開眼の託宣の間」に入っていく。
そこでまず目を引くのが大掛かりな文字や文様を備えた魔法陣である。
魔法陣といえば一般人が目にするのは調理器具であろう。
その調理器具の魔法陣は高々5~10cmくらいの大きさなので、この魔法陣は規格外といえる。
その奥に祭壇があり、羊皮紙が乗せられている。
魔法陣に圧倒されているとメリディオが言う。
「魔法陣の中央に立っているだけでいい。後は我々の祈りが天に通じればそこの羊皮紙にお主の「ステータス」が表記されるようになっている」
言われるがまま魔法陣の中央に立つ。
メリディオ自身は祭壇の上に立ち、他の神官達は等間隔に魔法陣の周りを囲む。
神官達は一心不乱に祈っている。神官の体から放たれた神力が魔法陣に行き渡った所でメリディオが声をあげる。
「天にまします母神アルヌークよ!この者に祝福たる「ステータス」を与え給え!!!」
”その願い聞き届けよう。勇者に「ステータス」を与える”
おいおい、アルヌークさんいいかげん勇者って呼ぶの止めてくんないかな~~
と思っていると
ゴゴゴゴッゴオゴゴゴゴォォオオオオオオオオオオ!!!
音と共に魔法陣から青い光が上る・・・・・
光は分裂しエレイシアと祭壇の羊皮紙に吸い込まれていった。
・・・・・・・パリンッッッ!!!!!!
エレイシアの目から何か放出され、それが割れる。
そこに顕れたのは黒い瞳にまるで立ち込める炎のように白き靄だった・・・・
見ていた神官は戦慄くように呟く・・・・
「竜眼だと・・・・・!?」
それはメリディオも伝わっているだろうが羊皮紙に書き込まれていく「ステータス」に汗を掻いて固唾をのんでいる。
同時にエレイシアの目の前に透明なウィンドウが表れる。
エレイシア・フォン・グランヌーク
年 :不老不死←NEW
種 族:竜眼の神姫
職 業:旅人
レベル:999+32 限界突破済←NEW
H P:999999/999999 限界突破済←NEW
M P:999999/999999 限界突破済←NEW
STR:999999 限界突破済←NEW
VIT:999999 限界突破済←NEW
AGL:999999 限界突破済←NEW
INT:999999 限界突破済←NEW
MND:999999 限界突破済←NEW
称 号:勇者 次代の神 永遠を旅する者 魂の勝者
スキル:亜空間収納 流星号(馬車) オートマッピング 世母神石レーダー
竜眼
残スキルポイント 999999
母神からのお知らせ←NEW
”これでゆっくりと旅を満喫するといい。十分なステータスを与えておいた”
なんだこりゃ~~~~~って思っていると
竜眼の瞳をもつだと・・・・・!!!レベルが終息しているなんて・・・!!
神姫とは神話じゃないのか・・・!!!勇者が称号にあるぞ・・・・・!!!!
周りは色々騒がしい様子である。
「静まれ皆のもの!今宵ここであったことは秘匿事項とする!もし破られれば相応の覚悟をするように!!」
そうやって釘をさしているメリディオも目の前の少女に畏怖を隠せないでいた。
「神姫様も今宵は遅い。もう戻られて就寝されるがよかろう」
声が若干上ずっている。
その声に誘導されるように「開眼の託宣の間」からでると侍女長が待っていた。
「お疲れ様でした。お風呂の準備とベッドの支度が整っております」
コンタクトレンズが割れ竜眼が露になっているのに接する態度が変わらない。
「ありがとう。今日は色々あったからゆっくり休むわ」
そうして少女は部屋に戻るのであった。
「まさか彼女自身が世界だったといでもいうのか」
そう呟くメリディオの夜はまだ終わらない。