まさかの聖女さまでした?
拙い文章で申し訳ありません。
少しでもお楽しみいただければと書いております。
少しでも評価してくださいますとそれが作者のエネルギーになります。
ラギスアーク王国の成人の儀はこうである。
・身分に関係なく適正を計る
・職業と身分は別であり、貴族といえど適正のある平民を取り下げることはできない
・職業選択の最終的自由権は本人にある
詳しく挙げると身分に関係なく適正は計られるが、職業と身分は分けてあると法にもある。
つまり爵位によって職業の専横はできないということだ。
職業選択の自由は残されているが適正の職業に就けば収入がよいので大半は適正の職業につく。
ただし農家の長男など土地や財産の相続があるものは家業を継ぐこともある。
農業は国の一次産業という事もあり、適性がなくても推奨されている職業の一つだ。
・・・今年は凄いな・・・・・・今の農民「剣聖」だってよ・・・・・さっきの侯爵令嬢なんて「大魔道士」だったぞ・・・・・・
「なんだかざわついてるわね」
「私はどんな適正になってもエレイシアについていきますわ~」
この子王女なのに大丈夫なのかなと思う。
別に嬉しい事いってるなんて思ってたりはしない。
王女としての教育や他国へ嫁いだりしなくていいのだろうか。
「次!メルナード・フォン・ラギスアーク!」
教皇様が声高にメルを呼んだ。
「メル呼んでるわよ!ほらこっちよ!」
のほほんとしているメルの手をそっと握り祭壇まで連れて行く。
「そんな積極的なエレイシアも素敵ですわ~~」
まったくなにをいってるんだろうかこんな時にと思いつつ、祭壇に着きつつも手を離さないあたり不安なのだろう。
「メルナード様に祈りを捧げ神託を待つが良い」
教皇様がメルに祈るように勧めて来る。
「天にまします慈悲深き母神様、我が祈りをお受けください」
メルが天に祈りを捧げる姿は宗教画のように様になっている。
天から光が注いでるように見え・・・あれ?本当に光が射してないない?
”我が血統に連なる者よ、汝に職を授ける。汝が職業は「聖女」とする。”
おぉぉぉおおおおおぉぉぉおおおおおお!!!!!!
国の開祖である女王様以来だぞ!!!!!!
今年はどうなってるんだ!!!
喧騒が止まない。メルの祈りが終わりこちらを向く。
「あらまあ。なんだか賑やかですわね~~。」
「ちょっとこっち!!!」
メルの手をちょっと強引にひっぱりつつ教皇様に言う。
「教皇様、このままでは大変なことになります!メルを一時的に礼拝堂の奥へ避難させてください!!」
「よかろう。こちらへ参られよ聖女様がた」
教皇様は国の開祖以来の聖女にいささか動揺して見せた物の、毅然とした態度をみせた。
しかし敬称がついてるあたり、国教である母神教への影響を考えているだろう。
「ありがとうございます。ほらこっちよメル!」
親友の手をひっぱりつつ言う。
「そんなにひっぱらなくてもついていきますわ~~~///」
なんだろうこの親友本当に挙動が不審である、こんな大変な時に。
ばたん!と礼拝堂の裏への扉を閉める。
「はあ、まさかメルが「聖女」様になるなんて思わなかったわ」
ため息をつきながらいう。
「私はどんなことがあってもエレイシアについていきますと祈っただけですわ~」
まったく何を考えているのだろう。これから起こることをまったく考えていないようである。
・・・・静まれい皆の者!成人の儀を再会する!!!
扉の向こうからはそのような声が聞こえてくる。
「あなたねぇ、少しは自分のことを考えたらどうなの?」
本当に心配である。思ってくれているのは嬉しいが、行き過ぎた好意よりもメル自身の幸せを考えて欲しかった。
「エレイシアも同じなんですのよ~~いつも私の事を心配してますけど、あなた自身のことも考えてくださいまし~~」
「私は剣も魔法もそこそこ自信があるわ!冒険者になって自由に世界を旅するのよ!」
そうなのである。私には小さな頃からの夢がある。世母神石を探すのと平行し、世界を旅したいのだ。
「はあ、これだから心配になるっていうものなのですわ~~~」
一段と長い間延びした声を垂れ流している。
「なによ!貴方もお父様やお母様と同じ事をいうつもりなのね!」
まったくみんな私を何だと思っているのだろう。
これでも前世の記憶があるのだから社会にでても多分やっていけると思っている。
そういったたわいの無い会話をしていると私を呼ぶ声がする・・・
「次!エレイシア・フォン・グランヌーク!」
私を呼ぶ声がする。すっかりわすれていたけど、まだ自分の分があるのだった。
聖女さまなんて称号まででたのだから私の分は胴だっていいとさえ考えている。
だって私にはアルヌークから与えられた使命があるのだから。
「じゃあ行ってくるわね、メル。終わったらいつもの店でゆっくりしましょう」
親友に向かって手を軽く振る。
「いってらっしゃいエレイシア」
そう親友が手を振ってくる。
それを横目に礼拝堂に向かう。
「世界がこれで動くわ。”私”の時よりも楽しませてくれるかしら」
そうつぶやく「聖女」は妖しくも美しく微笑んでいた。




