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まさかの端折りでした?

仕事の関係で帰宅後にまったりしながら書いております。

不定期投稿になることをお許しください。


文章等に不備や訂正も有るのも分かっておりますが、書き続けることを主として頑張りたいと思います。

一之瀬 創が転生し、16年の歳月がたったある日。


「おはようございます、お嬢様(・・・)。今日もお美しくあられますね」


侍女のマリアーナが起こしにきては毎朝のたまう事である。

そうなのだ今世では女性であり、アルヌークは性別を間違えたのではないかと16年考え続けていた。

ちなみに中身もやや女子よりになっているとは思うが、前世の記憶が男だったので今の所男性を好きになったことはない。

もしかして神にとって性別は関係ないのかもしれない。


「お嬢様、本日は能力査定の日です。此度は成人の儀とともに国に仕え方が決まる大切な日でございます」


「おはようマリアーナ、貴方もとても綺麗よ」

そう軽く意趣返ししておく。


「では支度いたしますのでこちらへどうぞ」


この侍女無視しやがるムキーーーーー!

と悔しさを滲ませながら支度に向かう。


簡素なドレスを着せてもらいながら思う。

無駄に整ったプロポーションだ。ああなんでこの娘にアタックできる性別じゃなかったんだー!と思いつつも、あ、私だったと思う。


「お嬢様、コンタクトは付けられますか?」


私の目は少々特殊にできている。魔力制御の利いたコンタクトレンズを付けないとそりゃもう目立つ。

おかげで小さい頃は高貴な一族の方々以外とは遊ばせてもらえなかった。グスン。


「もちろんよ。あれが無いとお外に遊びにいけないじゃない!」


「お嬢様、今日は遊びに行く日ではありません」


即答かよおい~~~!

まあ、冗談の効かないマリアーナではあるが仕事はできるからな。

これでも小さな頃から面倒を見てもらってる家族のような存在である。


「しかたないわね!今日は大人しくしておくわ!」


「お嬢様、いつも大人しくしていてくださりますと助かります」


まったくいつも一言多いんだよこの侍女!ムキーー!


「支度が整いました。お館さまと奥様がお待ちです」


「ありがとうマリアーナ!」


ドスドスッ!と音を立てて朝食に向かう。

あーもう、毎朝なんとかならないのこれ!


テーブルに着くとお父様とお母様が挨拶してくる。


「おはようエレイシア、今日も元気そうでなによりだ」

そう言って微笑むのはナイスガイのイケメンおじさまである私の父だ。

アッシュブロンドの整えてある髪と髭が相まって美男子ぶりが半端ない。

お父様一体いくつだったかしら・・・最近めっきり老け込まないからわからない!


「おはようエレイシア、今日は貴方の大切な日。母神様の加護がありますように」

そういって印を組むのは私の母。

こちらも私の姉といっても差し支えない年ごろに見えるが実際は・・・

「なあにエレイシア??(ニコニコ)」

怖い!怖いよこの人!というか年齢不詳父母って怖い!


「お父様、お母様、おはようございます」


まったく油断も隙もない家族だ。


「今日はお前の成人の儀だ、国に仕える為の儀式でもある。心して母神様のご信託をうけるがよい。お前も公爵令嬢としての責務を果たす年になれて私は嬉しく思う」


お父様は本当に真面目である。私が公爵令嬢だからといって甘やかすわけでもなく、厳しすぎるでもなく愛情をもって育ててくれた。


「まあ気負わずいってみなさい。あなたが例えどんな祝福を得られなくても私の娘には代わりないわ」


お母様は本当にのびのび育ててくれた。もし前世の記憶があったことが分かっても関係性が崩れることはないだろう。

二人とも私の大事な家族だ。


「大丈夫ですわ私なら!多少魔法も使えますし、剣だって使える。一般的な貴族子女として申し分ありません」


「「え?一般的・・・」」


お父様とお母様も酷いものである。娘が一般人としてやっていけないと思っているのだろうか。

食事をしつつそういったたわいのない会話が続く。

そしてまもなく食事が終わる。


「いってまいりますわ!お父様、お母様!」

食事が終わり短く挨拶すると優しげな二つの声が聞こえてくる。


「いっておいで、エレイシア、母神様の加護がありますように」

「胸をはっておいきなさい、エレイシア、母神様はいつも貴方をみているわ」


「ええ、今日は人生が決まる大切な日です。いままで育ててくれてありがとうございます。母神様もきっと祝福してくださいますわ」


そういって短く淑女の礼をとると私こと、エレイシア・フォン・グランヌークは成人の儀に発ったのである。


旅立つ余韻を残しつつ残された夫婦は語らう・・・

「いったか・・・あの子は本当に昔から変わらないな。我が家の祭壇に授けられてから時間も経ったのも忘れてしまうくらいに」


「ええ、実の娘だと思って育ててまいりましたが、まさか神姫(しんき)を授かったとはいえませんもの」


「できれば平穏に暮らしてほしいがそれも無理であろう。あの子は世界そのものだ」


「いいえ、あの子は私たちの娘です。どんなことになろうとも行く末を見守ってあげましょう」


「「どうか母神さまのご加護がありますように・・・」」


いつか見た空を探しに娘は旅発つことになるとは未だ誰も知らない・・・

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