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まさかの勇者でした?

お約束のターンといったところでしょうか。

気が付くとそこは豪奢な庭園であった。


”良くぞ参られた。勇者よ”


はて、声が聞こえる。それにしても勇者とかゲームじゃあるまいし、うぷぷぷ。

そう思っていると再度声が聞こえた。


”勇者とは君の事だ一之瀬 創くん、まずはこちらを向きたまえ”


勇者が俺ってと吹き出しそうになりながら振り返るとそこにはとんでもない美女がいた。


”初めまして、私は世界の神である母神アルヌークだ”


完成された美を前に動けなかった。

豪奢なプラチナブロンドを惜しげもなく腰まで伸ばし、まるで戦乙女ヴァルキリーのごとく華やかな戦装束。

均整の取れた身体からは淡く光が放たれている。


まるで女神さまのようだと惚けていると再度声が掛けられた。


”だからいってるではないか世界の神であると”


あれ?なんでしゃべってないのに俺の考えてることがわかるんだ?


”神なのだから分かるとしかいいようがない、なれてくれ”


げっ!危うく不埒なことを考える寸前だった、あぶないあぶない。

「では神様、いくつか聞きたいことがあります。」


”アルヌークでよい。それに敬語をつかわなくともよい”


「ではアルヌーク、ここはどこだ?俺はどうしてここにいる?」


”ここは神の庭園だ。人は死ぬと神の国に入る前に人生を審判されるのだが、君は勇者としての事をなした。つまり客人としてここに呼んでいる。”


「ところでその勇者ってなんだよ。すごく恥ずかしいんだけど」


”勇者とは勇気有る者。世界を救う者のことだ。君は世界の終わりに現れる狼を退けた。これは勇者の仕事に他ならない。”


たしかに一之瀬に伝わる業を使ったがそこまでは覚えていない。一之瀬の業は命を燃料に燃やす、だからこそ得られる力もあるわけだが、世界の終わりまで倒せるとは思っていなかった。


”君の成したことは称えられるべきことではあるが世界の摂理にも反している。終わるべき世界は終わらなかった。ゆえに世界のエネルギーは緩やかになくなり滅びるだろう”


えーーーーー!救っても滅びるのかよ、ごめん父ちゃん母ちゃん、妹よ。俺はなにもできなかっ・・・。


”そこでだ、別の世界にいってこの世界のエネルギーである世母神石アルヌークルーンを探してほしい”


・・・っえ?あるの何とかなる方法・・・・

出来ればやりたくないが、大人の責任の取り方であるといえるかもしれんな。


「出来ればやりたくないけど俺のしたことで世界が滅びるってのも目覚めが悪い。異世界いっても生きていけるだけの能力を適当に付けといてくれたらそれでいい。」


”それではやってくれるのだな”


「しょうがないだろ、父ちゃん母ちゃんもまだまだ長生きするし、可愛い妹も俺以上に長生きしてもらわんと俺が困る」


”いまなら能力は選び放題だぞ?手柄と使命があるのだからな”


「変な能力があるだけの一族だったが、それのために死んだからな。もうそういうのはごめんなんだ。まさか生まれ変わっても一之瀬の業がついてくるってないよな?」


”無論だ、アレは一族に生まれた者にしか使えぬ。君はチカラから解放されたのだ”


そうか・・・できれば使いたくなかったけど次の人生では使えないってことだ。つまり誰かを守るには別の方法が必要なんだな・・・強くなりたい。


”ではそろそろ刻限だ。この世界は滅びていくが次の世界と時間は繋がっていないのであせらずともよい。ゆっくりと使命を果たすがよかろう”


体が光に包まれていく・・・

「おう、また使命を果たしたらここにくるかもしれんからその時はまた頼む」


はにかみながら一之瀬 創は転生していった。


誰もいなくなった庭園に戦乙女が一人・・・

”また会おう、我が子孫(子)よ”

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