まさかのお風呂会でした?
やっぱりお風呂会は必要ですよね!
早く旅発ちたいのにまったりしすぎていてすいません~~
侍女長と共に部屋に戻ってくる。
奥の部屋を挿していう。
「こちらがお風呂がございます。そちらに寝間着も用意いたしましたのでごゆるりとなさってください」
「ありがとう、ゆっくりさせてもらうわ」
エレイシアは今日あったことをゆっくりと咀嚼する意味でも長風呂したいと思っていた。
「いえ、では後ほど失礼いたします」
といって出て行く侍女長であった。
「これでゆっくりできるわね」
そう服を脱ぎながらつぶやくエレイシア。
下着に手をかけたところで・・・
「失礼いたします。エレイシア様」
侍女長やレティシャ、その他数名が入ってくる。
「なな・・・・なななななんなのぉぉぉぉおおお!!」
エレイシアは叫びつつ危うく脱ぎかけた下着を押さえ、バスタオルを羽織る。
「湯浴みのお手伝いに上がらせてもらいました」
当たり前のように述べる侍女長である。
「た・・・たのんでないわよ!そんなこと!!!」
顔を赤らめていうエレイシア。
「高貴な貴族の子女の方々は普段から侍女に湯浴みのお手伝いをされているはずですが・・・?」
これまた当然のように述べる侍女長である。
私は記憶がはっきりしている幼少期から一人で入っていたので、そんなことはマリアーナからされた覚えはない。
「そ・・・そうなんですけど・・・でも、旅先でそういうわけにもいかないでしょう?ですから練習のために一人で入るのですわ!!」
なんとなくそれらしいことをいってみるエレイシアである。
「たしかにそうですね。余計なことをして失礼しました」
そういって謝ってくる侍女長一同に対してなんだか悪い気がした。
「え、ええそういうことですの。ごめんなさいね」
目をそらしながらいうエレイシアであった。
「では失礼いたします。ごゆっくりなさってください」
揃った礼をしつつ立ち去る侍女長一同。
それを横目に呟くエレイシア。
「ふ・・・・ふふふふマリアーナ!!何で教えてくれないのかしら!!」
怒り心頭のエレイシア。侍女のマリアーナは礼儀作法や慣例を授業として教えてくれたし、人名なども違えず耳打ちしてくれる有能侍女なはずだ。しかしたまにこういった恥ずかしい場面に出くわすのはなにか意図があってやってるのではないかとすら思う。
「まあいいわ。コレでゆっくり出来ると思えば安いものよ」
そういって体を洗うエレイシアであった。
嫌なことをすぐに切り替えられるのがエレイシアの美点なのかもしれない。
まったりと頭を洗っていると・・・・
バタンッッ!
浴場の戸が開く音がする。
「あらあら~エレイシアもはいってたんですの~~~?」
と、親友であるメルのわざとらしい声が聞こえた。
「なっ・・!」
と思っているともう一つ鈴のなるような可愛らしい声も聞こえる。
「まあ!私このような立派なお風呂にはいるのは初めてです!」
はしゃぐような喜んでいるアイギスの声も聞こえる。
「ちょっと・・・」
しかし頭を洗っていて動けないエレイシア。
メルとアイギスは体を流して湯船につかる。
「エレイシアも体を洗ったらゆっくりつかりましょう~~~?」
メルが当たり前のように言ってくる。
「お姉さま!素晴らしい露天風呂です!一緒に入りましょう!」
アイギスがはしゃいだまま可愛らしい声をあげる。
いつの間にアイギスのお姉さまになったのか知らない。
アイギスの寝言に「お姉さま・・」と呟いていたのは覚えている。
髪が洗い終わり抑え目に怒気をこめていう。
「なんで貴女達が入ってるの!?ここは客室よね!」
「ええ、ですから仲間となる私たちの部屋ですわ~~」
さも当たり前のようにいうメル。
「お姉さまと同じ部屋に泊まれて私は幸せです!」
元気よく答えるアイギス。
「だからって一緒にお風呂にはいるな・・・」
言いかけた所で止まる・・・。
「お姉さま。私たちがそんなに嫌ですか?」
潤んだ瞳で言うアイギスに何もいえなくなる。
「そ・そんなことないわ!一緒にはいりましょう」
泣く子には勝てないエレイシアである。
それをみてほくそ笑むメルであった。
「メル・・・謀ったわね・・・」
訝しげに親友を見るエレイシア。
「なんのことですの~?偶然ですわ~」
と嘯く親友は知らぬ存ぜぬを通す。これ以上追求しても無駄だろう。
そして3人でお湯につかるのだった・・・・。
機をみておそるおそる尋ねるアイギス。
「お姉さま。ところでその瞳は神話に伝わる「竜眼」ですよね・・・。ご・・・ごめんなさい!失礼なことをいってしまいました!」
「いいのよアイギス、一緒に旅発つのだからいつか分かる事だったわ。何のためにあるか分からない竜眼だけど、これのおかげでメルとずっと一緒にいられたのかもしれないわ」
真顔で述べるエレイシア。
「そのようにストレートにいうのはずるいですわ~////」
なぜか頬を赤くするメル。
「お二人はとても仲良しなんですね!私も少しずつ仲良くなっていきたいです!」
そうキラキラ目を輝かせていうアイギスについ微笑んでしまう。
「大丈夫よこれから時間はいくらでもあるもの。こちらこそよろしくねアイギス」
と微笑みかけると、アイギスは「はい」と頬を赤らめながら短く呟いた。
「これだからエレイシアは無自覚だというんですのよ~」
と小さく呟くメルにエレイシアは気が付いていない。
「それにお二方とてもお美しいです!お姉さま凄く綺麗です!メルナード王女殿下も女神さまみたいです!」
と元気にこちらをみて感想を述べるアイギス。
「アイギスもとても可愛いわよ」
これは嘘ではない。アイギスのスラリとした肢体はそれはそれでいいものである。
「まあ、嬉しいことをいってくれますわね~~」
といってエレイシアに抱きつくメル。
「ひゃあああああああ!」
引っ付かれて思いっきりのけぞり距離をとるエレイシア。
「ほんとうに初心ですのね~」
明らかに遊んでいるメルはとても楽しそうだ。
「アイギスさんも私の事はメルでよいですわよ~。仲間になるのですから畏まる必要はありませんわ~」
「では私の事もアイギスと呼び捨てください!」
アイギスは本当に嬉しそうにいう。
すこし間をおいてちょっと真面目な顔をして親友は問う。
「ところでエレイシアの「ステータス」はどうでしたか~?」
「旅人としては申し分ないと思うわよ?」
ぶっきらぼうに答えるエレイシア。
「どうせ貴女のことですから大体わかっていますけれど~、自分のことを気にかけないといけませんわ~」
そう言う親友はいつもと変わらない。
「旅立つには十分なステータスだったわ。これで問題なく旅発てるはずよ」
「エレイシアがそういうなら大丈夫ですわね~。明日はマクガイアとも合流して旅の支度をしましょう~~」
あっさり信用してのけるメルだった。
「そうね。明日も早いから私は先にあがるわ」
そういってサッサと上がっていくエレイシア。体を隠すことは忘れない。
まったくといっていいほどゆっくり出来事を整理できなかったが、湯浴みも終わりゆっくりと休めることだろうと考えていた。
「では私たちも洗ってでましょうか~」
そういうメルは惜しげもなく、堂々と湯船からあがる。
残された少女は思う・・・
「ロンゴミニアトとして護るに値するか見定めさせていただきましょう。お姉さま」




